オウム病
更新日 (last updated):2025年6月10日
概要
オウム病はオウム病クラミジア(Chlamydophila psittaci)を病原体とする動物由来感染症である。主な感染経路は感染した鳥の排泄物に含まれる菌の吸入である。上気道炎や肺炎を起こし、重症化した場合は多臓器不全などにより死に至ることがある。
病原体
原因菌はオウム病クラミジア(Chlamydophila psittaci)である。細胞に感染してその中で増殖する細菌であり、人工培地では増殖できない。
疫学
様々な鳥類で保菌が報告されており、 特にオウム・インコ類から感染した報告が多い。成人での感染例が多く、国内では年間10例前後が報告されている。
感染経路
主な感染経路は感染した鳥の排泄物に含まれる菌の吸入である。口移しで鳥にエサを与えることや、鳥に噛まれることでも、まれに感染することがある。
臨床像
潜伏期間は1から2週間。突然の高熱で発症し、頭痛や筋肉痛などの全身症状と咳嗽などの呼吸器症状が出現する。上気道炎から肺炎までさまざまであるが、重症化した場合は多臓器不全などにより死に至ることがある。
病原体診断
血清学的検査、遺伝子検査による。菌の分離・同定は細胞培養を必要とするため一般的でない。
治療
抗菌薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
鳥との濃厚接触を避ける。特に弱った鳥と接触する場合には注意が必要である。
承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法では四類感染症に定められている。