A型肝炎
更新日 (last updated):2025年6月26日
概要
A型肝炎はA型肝炎ウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は糞口感染や、病原体に汚染された水・食品の摂取である。発熱や黄疸などの症状を呈し、まれに劇症化し死亡することがある。
病原体
A型肝炎ウイルスはピコルナウイルス科ヘパトウイルス属に属する1本鎖RNAウイルスである。熱、酸、乾燥に強く、アルコールや界面活性剤に耐性をもつ。
疫学
世界中で報告されており、日本での報告数は年間数十から数百例である。発展途上国では乳幼児期の感染が多い。
感染経路
主な感染経路は糞口感染や、病原体に汚染された水や食品の摂取による経口感染である。
臨床像
潜伏期間は2から6週間。発熱、倦怠感に続いて食欲不振、嘔吐、肝機能異常が出現し、典型的な症状として黄疸、肝腫大、濃色尿、灰白色便がみられ、まれに劇症化し死亡することがある。
病原体診断
血液や便からのウイルス遺伝子の検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
手洗いの励行、食品の十分な加熱などの衛生管理が重要である。
A型肝炎ワクチンによる予防が有効である。
法的取り扱い
感染症法では四類感染症に定められている。
学校保健安全法では、条件によっては第三種感染症の「その他の感染症」に定められている。