HTLV-1感染症
更新日 (last updated):2025年11月26日
概要
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1:Human T-cell leukemia virus type 1)感染症は、HTLV-1を病原体とし、様々な疾患を引き起こす感染症である。HTLV-1は、主にヒトのT細胞に潜伏感染する。主な感染経路としては母乳による感染や性的接触、輸血(1986年以前)である。
感染しても、約95%は生涯無症候のキャリアとなる。残りの約5%は成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL:Adult T-cell Leukemia/Lymphoma)、約0.3%がHTLV-1関連脊髄症(HAM:HTLV-1-associated Myelopathy)やHTLV -1ぶどう膜炎/ HTLV -1関連ぶどう膜炎(HU:HTLV-1 uveitis / HAU:HTLV-1-associated uveitis)などを発症する。
病原体
HTLV-1は、レトロウイルス科デルタレトロウイルス属に属する1本鎖RNAウイルスである。主にヒトのT細胞に潜伏感染する。
疫学
海外では、アフリカ、中東、カリブ海沿岸、南米、オーストラリアなどで感染者が多いが、世界全体ではいまだに感染状況が調査されていない国・地域がほとんどである。
国内では、九州・沖縄など日本の西南部に多いとされていたが、現在では関東や関西の都市部でも増加傾向にある。
感染経路
主な感染経路は母乳による母子感染や性的接触、輸血による感染である。日本では1986年の献血スクリーニング開始以降、輸血による感染は起きていない。
臨床像
感染しても、約95%は生涯無症候のキャリアとなる。残りの約5%は成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)、約0.3%がHTLV-1関連脊髄症(HAM)やHTLV -1ぶどう膜炎/ HTLV -1関連ぶどう膜炎(HU / HAU)などを発症する。
病原体診断
血液の抗体検査を行う。スクリーニング検査の陽性者に対して確認検査で判定する。判定保留例ではウイルスの遺伝子検出を追加する。
治療
ATLに対しては、 化学療法、分子標的薬、抗体薬物複合体薬などの薬物療法、または造血幹細胞移植による治療が行われる。
HAMやHU/HAUなどは、ステロイドなどの抗炎症薬や免疫調整薬などによる治療が行われる。
予防法・ワクチン
母親が感染している場合は、授乳の際に母乳以外を選択することで母子感染を予防する。
性行為の際はコンドームを使用する。 国内で承認された。
法的取り扱い
感染症法、学校保健安全法では定められていない。
別サイト情報
Hot LiVes ほっとらいぶ HTLV-1情報ポータルサイト (キャリア支援)
HTLV-1キャリアと医療従事者向け無料電話相談(キャリア支援)
基礎・キャリア診療「HTLV-1の基礎知識Q&A HTLV-1キャリア2024
母子感染予防「厚生労働省研究班によるHTLV-1母子感染予防マニュアル第2班
抗体検査(妊婦健診・献血検査)「HTLV-1感染の診断指針(第3版)
成人T細胞白血病ATL 「造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1班(2024)」(9 成人T細胞白血病・リンパ腫を参照)
HAM (ガイドライン)
HTLV-1関連リウマチ (ガイドライン)
産婦人科診療ガイドライン産科編2023 (G. 感染症 CQ612)
