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肺吸虫症

更新日 (last updated):2026年1月28日

概要

肺吸虫症はParagonimus属の吸虫を病原体とする寄生虫症である。主な感染経路は、メタセルカリア(吸虫の幼虫)を保有する淡水ガニやイノシシ、シカ肉などの、生食または加熱不十分な状態での喫食による経口感染である。咳、血痰、胸痛などを呈し、自然気胸や脳障害を起こすこともある。

病原体

肺吸虫症の病原体は、ウエステルマン肺吸虫や宮崎肺吸虫などのParagonimus属の吸虫である。

疫学

世界では熱帯から温帯に広く分布している。

日本国内では1970年代に減少したが1980年代後半から再興し、淡水ガニを食する文化のある地域からの報告が多い。

感染経路

主な感染経路は、メタセルカリアを保有する淡水ガニ、イノシシ、シカ肉などの生食または加熱不十分な状態での喫食による感染である。カニを調理した際に汚染された調理器具を介し、二次汚染された生野菜などの喫食により感染する場合もある。

臨床像

潜伏期間は2か月(通常1か月から2か月)。咳、血痰、発熱、胸痛などの呼吸器症状が出現し、胸水や自然気胸を起こすことがある。虫体が脳などへ迷入すると、けいれん発作や神経症状を呈する。

病原体診断

喀痰や糞便からの虫卵検出、血清学的検査や遺伝子検出による。

治療

抗寄生虫薬による治療が行われる。

脳内病変を生じた症例などでは外科的治療を併用することがある。

予防法・ワクチン

食品の十分な加熱、調理器具や手指などを介した二次汚染防止等の衛生管理の徹底、手洗いの励行が重要である。

国内で承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

肺吸虫症は、感染症法および学校保健安全法では定められていない。

肺吸虫は、食品衛生法における食中毒の病因物質に「その他の寄生虫」として例示されている。

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