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ポリオ

更新日 (last updated):2025年5月23日

概要

急性灰白髄炎(ポリオ)はポリオウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は経口感染、接触感染、飛沫感染である。現在、世界保健機関(WHO)は、ポリオウイルスの根絶を目指している。

病原体

原因ウイルスはポリオウイルスである。エンテロウイルス属に分類され、抗原性により1型、2型、3型の3つの型がある。

疫学

1950年代までは世界的に流行していたが、ワクチンの普及で激減した。自然界に存在する野生株(WPV:wild poliovirus)のうち2型、3型は根絶されたが、WPVの1型と、生ワクチン由来で病原性が復活したワクチン由来株(VDPV: vaccine-derived poliovirus)が世界で伝播している。

日本では1960年に大流行があったが、緊急輸入された経口生ポリオワクチン(OPV: Oral Polio Vaccine)の投与により流行は急速に終息した。その後、WPVによるポリオ患者は1980年の症例を最後に確認されていない。1998年以降、急性弛緩性麻痺(AFP: Acute Flaccid Paralysis)患者の監視体制が整備され、国内でのポリオ排除が国際的に認められた。

感染経路

経口感染、接触感染、および飛沫感染による。

臨床像

感染者の90%以上は無症状か軽症で、定型的な麻痺型は感染者の0.1から1%に発症する。潜伏期間は6から20日間であり、1から10日間の感冒様の前駆症状の後、四肢の非対称性の弛緩性麻痺が出現する。

病原体診断

糞便からのウイルス分離による。血清診断も実施可能であるが補助的手段である。

治療

特異的治療法はなく、対症療法が中心である。

予防法・ワクチン

不活化ポリオワクチン(IPV: Inactivated Polio Vaccine)やOPVが有効である。定期接種としてIPVを含む五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が用いられている。

法的取り扱い

感染症法では二類感染症に定められている。学校保健安全法では第一種感染症に定められている。

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