クリプトスポリジウム症
更新日 (last updated):2025年11月26日
概要
クリプトスポリジウム症はクリプトスポリジウム属の原虫を病原体とする感染症である。
主な感染経路は病原体で汚染された飲料水や食品の経口摂取である。水様下痢や腹痛を呈し、免疫不全がある症例では下痢症が重症化して死亡することがある。
病原体
原因病原体はクリプトスポリジウム属の原虫(Cryptosporidium hominis、C. parvum、C. meleagridisなど)である。
疫学
日本を含む世界中で感染が認められ、先進国でも病原体で汚染された水道水による大規模な集団感染が発生している。動物由来感染症であり、ウシなどの動物への接触による発生も報告されている。
感染経路
ヒトや動物の糞便中に排出されるオーシストで汚染された、飲料水や食品の経口摂取による糞口感染である。オーシストは塩素消毒などへの抵抗性が高く、飲料水に加えて、遊泳プールや水遊び場などの親水施設での水系感染も生じる。また希な例として、感染動物、家畜(特にウシ)との接触感染も起こり得る。
臨床像
潜伏期間は3から10日(通常4から6日程度)。水様下痢、腹痛、倦怠感、悪心、軽い発熱を示す。免疫不全がある症例では、大量の水様便や失禁、胆嚢・胆管・呼吸器系など小腸以外への異所寄生などが生じ、死亡することがある。
病原体診断
便、生検組織、十二指腸液、胆汁、膵液からの鏡検による病原体の検出、抗原検出、遺伝子検出による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
飲料水、飲食物や遊泳プール等の衛生管理が重要である。
手洗いの励行、未殺菌や未調理の食品を摂取しないことなどが推奨される。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における、五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。
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