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ノロウイルス感染症

更新日 (last updated):2025年10月23日

概要

ノロウイルス感染症は、ノロウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は糞口感染や、病原体に汚染された食品の摂取による経口感染である。嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を引き起こす。

病原体

ノロウイルスはカリシウイルス科ノロウイルス属の1本鎖RNAウイルスである。

疫学

世界中で報告されている。気温が下がる冬期に流行する傾向がある。

日本国内では、ウイルスによる食中毒事例の中でノロウイルスに起因するものが上位を占めている。

感染経路

主な感染経路は糞口感染や、病原体に汚染された食品の摂取による経口感染である。吐物や排泄物から飛散したノロウイルスを取り込むことにより感染する。また、汚染されたカキなどの二枚貝類を生、あるいは加熱不十分な調理で喫食することや、感染した調理従事者によって汚染された食品の喫食により感染する。

臨床像

潜伏期間は1から2日程度で、嘔気・嘔吐・下痢を主徴とする胃腸炎症状が1から2日程度続く 。腹痛や頭痛、発熱を伴うことがある。

病原体診断

便検体などからの迅速診断キットによる抗原検出、ウイルス遺伝子の検出による。

治療

特異的な治療はなく、対症療法が中心である。

予防法・ワクチン

食品を十分に加熱する、手洗いや調理器具の洗浄・消毒を徹底する。また、患者の吐物・便などの適切な処理、手洗いの徹底、汚染された衣類等の次亜塩素酸ナトリウム消毒や加熱処理などが有効である。ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、流水とせっけんを用いてしっかり手洗いする必要がある。

法的取り扱い

感染症法において、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている「感染性胃腸炎」の一部として届出の対象となる。

学校保健安全法において、条件によっては第三感染症の「その他の感染症」に定められている。

ノロウイルスは食品衛生法における食中毒の病因物質に定められている。

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