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淋菌感染症

更新日 (last updated):2025年12月25日

概要

淋菌感染症は淋菌を病原体とする感染症である。主な感染経路は性行為などによる粘膜を介した接触である。排尿痛や膿性分泌物などの尿道炎・頚管炎・結膜炎・咽頭感染・咽頭炎を呈し、重症化すると骨盤炎症性疾患や不妊症を起こすことがある。

病原体

原因菌はナイセリア属の淋菌(Neisseria gonorrhoeae)である。

疫学

世界中で報告されている。

日本国内ではエイズ予防啓発活動に伴い減少したが、2020年以降、男女とも増加傾向にある。

感染経路

主な感染経路は、性行為などによる粘膜を介した接触感染である。性行為などにより、咽頭や直腸に感染することがあるが、症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となりうる。また、分娩時に産道を介した新生児への感染が生じることがある。

臨床像

潜伏期間は2日から9日程度。男性は膿性分泌物や排尿時の疼痛を伴う尿道炎を呈する。女性は子宮頚管炎を呈する。女性は男性より症状が軽く、自覚されないまま経過することが多いため、上行性感染による骨盤炎症性疾患や不妊症の原因となる場合がある。母子感染の場合、出産時に産道から新生児の目に感染し、失明することがある。

病原体診断

男性尿道分泌物、女性頚管分泌物、尿からの菌の分離・同定、遺伝子検出、抗原検出による。

治療

抗菌薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

性行為の際にはコンドームを使用する。

淋菌感染症が疑われる症状を呈した場合は、早期診断、早期治療、性的パートナーへの検査勧奨が重要である。

国内で承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。

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