リッサウイルス感染症
更新日 (last updated):2025年11月26日
概要
リッサウイルス感染症は、リッサウイルス属のウイルスを病原体とする感染症である。本項では、狂犬病以外のリッサウイルス感染症を取り上げる。
主な感染経路は、ウイルスに感染したコウモリの咬傷である。発熱等のかぜ症状から始まり、不安感、恐水症、麻痺、および幻覚などの神経症状を呈し、昏睡から呼吸障害により死にいたる。
狂犬病については関連記事のリンクを参照のこと。
病原体
リッサウイルスはラブドウイルス科リッサウイルス属の1本鎖RNAウイルスの総称である。
疫学
世界ではアフリカ・欧州・オーストラリア・アジアのコウモリ等からの分離報告が中心で、ヒトではこれまでに欧州、アフリカ、オーストラリア、中央アジア、シベリアで散発的に発症例が報告されている。
日本においては国内のコウモリ等からの分離報告はなく、患者の報告もない。
感染経路
主な感染経路は、ウイルスに感染したコウモリによる咬傷である。モコラウイルスではトガリネズミとの接触が原因と考えられている。
臨床像
潜伏期間は20から90日程度。発熱等のかぜ症状から始まり、不安感、恐水症、麻痺、および幻覚などの神経症状を呈し、昏睡から呼吸障害により死亡することがある。臨床症状から狂犬病と区別することは難しい。
病原体診断
発症後の診断では唾液、髄液を用いたウイルス遺伝子検出およびウイルスの分離・同定、うなじ毛根部を用いたウイルス抗原検出による。
死後の診断では脳組織が用いられる
治療
発症後の有効な治療法はない。
予防法・ワクチン
流行地域での動物との接触を避ける。流行地域でウイルス感染が疑われる動物に咬まれたり、引っかかれた場合は、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流す。
リッサウイルスへの感染が疑われる場合は、狂犬病ウイルスの感染も想定される状況であり、狂犬病を想定した対応を行う。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における四類感染症に定められている。
