流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)
更新日 (last updated):2025年11月27日
概要
流行性耳下腺炎はムンプスウイルスを病原体とする感染症であり、「おたふくかぜ」とも呼ばれる。主な感染経路は飛沫感染と接触感染である。唾液腺の腫脹や発熱を呈し、髄膜炎、精巣炎、難聴などを合併することがある。
病原体
ムンプスウイルスはパラミクソウイルス科に属する1本鎖RNAウイルスである。
疫学
世界中で報告されている。
日本国内では、定点医療機関あたりの報告数が3から5年周期で増減しており、3から7歳を中心に小児の患者が多い。
感染経路
主な感染経路は、飛沫感染と接触感染である。
臨床像
潜伏期間は14から21日程度(平均18日前後)。唾液腺の腫脹・痛み、発熱、嚥下痛が出現し、通常1から2週間で軽快する。髄膜炎、精巣炎、難聴などを合併することがある。
病原体診断
唾液や髄液からのウイルス分離・同定、ウイルス遺伝子の検出、IgM抗体検出、ペア血清での抗体陽転または抗体価の上昇の確認による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である 。
予防法・ワクチン
手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策を行い、患者との濃厚接触を避けることが重要である。
日本国内ではムンプスワクチンが承認されている。
法的取り扱い
感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。
学校保健安全法における第二種感染症に定められている。
関連情報
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- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)(詳細版)
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