ジアルジア症
更新日 (last updated):2025年12月25日
概要
ジアルジア症は、ジアルジア属の原虫を病原体とする感染症である。原虫のシスト(嚢子)で汚染された飲料水や食品の経口摂取で感染し、下痢・腹痛などの症状を呈する。
病原体
原因病原体はジアルジア属の原虫である。
疫学
世界中で報告されており、先進国でも水系感染による集団発生事例が報告されている。
日本国内では、推定感染地域が国内である報告よりも、海外である報告が多い。
感染経路
感染したヒトや動物の糞便中に排出されたシストが感染源となる。シストで汚染された飲料水や食品の経口摂取により感染する。シストは塩素消毒などへの抵抗性がある。
臨床像
潜伏期間は1週間から2週間程度。水様便、体重減少、腹痛や悪心などが主な症状である。無症候性キャリアも多く、長期にわたってシストを排出し続けることがある。
病原体診断
便や十二指腸液などからの鏡検による病原体の検出、抗原検出、遺伝子検出による。
治療
抗原虫薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
飲料水、飲食物の衛生管理が重要である。
手洗いの励行、未殺菌や非加熱の飲料水や食品を摂取しないことなどが推奨される。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における、五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。
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