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侵襲性髄膜炎菌感染症

更新日 (last updated):2025年11月27日

概要

髄膜炎菌感染症は、髄膜炎菌を病原体とする感染症である。主な感染経路は飛沫感染である。保菌者のすべてが発症するわけではなく、低頻度ながら無症状の場合もある。主な感染初期の症状は頭痛、発熱、嘔気等から重症肺炎、関節炎、菌血症、髄膜炎等を呈するものまで多彩である。

髄膜炎菌感染症は非侵襲性感染症(尿道炎、菌血症を伴わない肺炎等)と侵襲性感染症(髄膜炎、菌血症、関節炎等)とに分類される。侵襲性髄膜炎菌感染症は、髄膜炎菌が本来無菌的な血液、髄液等から検出されたものを指す。重症化すると多臓器不全やショックを起こし、死亡することがある。

本項では侵襲性髄膜炎菌感染症について概説する。

病原体

原因菌は髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)である。12血清群のうちA・B・C・Y・W群が主な起炎菌であるが、国により異なる。

日本国内ではBおよびY群の報告が多い。

疫学

世界では年間約30万人が発症し、3万人が死亡している。特に、髄膜炎ベルト(meningitis belt)とよばれるアフリカ中央部において発生が多く、欧米でも小規模流行がある。

日本国内では戦後に急減し、1990年代以降は年間一桁の報告であったが、現在は年間40から70例程度である。

感染経路

主な感染経路は飛沫感染である。保菌者の鼻咽頭に常在している菌が、飛沫を通じて感染する。菌は気道を介して血中に入り、その後髄液へ侵入し、菌血症および髄膜炎を引き起こす。

臨床像

潜伏期間は2から10日程度(通常4日)。菌血症では高熱、皮膚・粘膜における出血斑、関節炎等の症状が現れる。その後、頭痛や嘔気、精神症状、項部硬直などを伴う髄膜炎に進展する。急性劇症型では発症から短時間でけいれんや意識障害、汎発性血管内凝固症候群 (DIC)を伴いショックに至り、死亡することがある。

病原体診断

髄液や血液、その他の無菌部位(関節液等)からの菌の分離・同定、遺伝子の検出による。

治療

抗菌薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策を行い、患者との濃厚接触を避けることが重要である。

日本国内では4価髄膜炎菌結合型莢膜多糖体ワクチンが承認されている。

法的取り扱い

感染症法における侵襲性髄膜炎菌感染症は、五類感染症の全数把握対象に定められている。

学校保健安全法における第二種感染症に定められている。

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