伝染性紅斑
更新日 (last updated):2025年7月24日
概要
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19を病原体とする感染症であり、「リンゴ病」とも呼ばれる。主な感染経路は飛沫感染や接触感染である。両頬の紅斑、続いて四肢に網目状やレース状の紅斑が認められる。紅斑に先行して、微熱やかぜ症状などの前駆症状が出現することがある。妊婦が感染した場合、胎児水腫や流産・死産を起こすことがある。
病原体
ヒトパルボウイルスB19は、パルボウイルス科エリスロパルボウイルス属に属する1本鎖DNAウイルスである。
疫学
世界中で報告がある。日本国内では幼児、学童を中心に多くみられる。
感染経路
主な感染経路は飛沫感染や接触感染である。
臨床像
潜伏期間は10日から20日程度。両頬の紅斑、続いて四肢に網目状やレース状の紅斑が認められる。紅斑に先行して、微熱やかぜ症状などの前駆症状が出現することがある。妊婦が感染した場合、胎児水腫や流産・死産を起こすことがある。
病原体診断
ウイルス遺伝子の検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策が有効である。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。
学校保健安全法において、条件によっては第三種感染症の「その他の感染症」に定められている。
関連情報
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