IDWR 2012年第40号＜発生動向総覧＞2012年第40週（2012年10月1日～10月7日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第40週コメント〉　10月10日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核 329例

3類感染症：

細菌性赤痢6例
	菌種：S. flexneri （B群）1例＿感染地域：東京都 S. sonnei （D群）5例＿感染地域：静岡県1例、兵庫県1例、奈良県1例、インド1例、マダガスカル1例

腸管出血性大腸菌感染症102例（有症者70例、うちHUS 4例）

感染地域：国内102例
国内の多い感染地域：福岡県11例*、三重県8例、宮城県6例、東京都6例、群馬県5例、山形県4例、富山県4例、兵庫県4例、北海道3例、青森県3例、
熊本県3例
* 第39週に起きた保育所における集団発生（O26 VT1）を含む
年齢群：1歳（6例）、2歳（3例）、3歳（5例）、4歳（2例）、5歳（7例）、6歳（5例）、7歳（2例）、9歳（3例）、10代（14例）、20代（12例）、30代（13例）、40代（9例）、50代（7例）、60代（11例）、70代（1例）、80代（2例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（ 36例）、O157 VT2（22例）、O26 VT1（17例）、O157 VT不明（6例）、O26 VT不明（2例）、O103 VT1（2例）、O119 VT2（2例）、O121 VT2（2例）、O26 VT1・VT2（1例）、O91 VT1（1例）、O103 VT不明（1例）、O111 VT不明（1例）、O142 VT2（1例）、その他・不明
（8例）
累積報告数：3,125例（有症者1,982例、うちHUS 77例．死亡8例）

パラチフス1例（感染地域：ネパール）

4類感染症：

E型肝炎1例（感染地域：神奈川県＿感染源：豚肉）
A型肝炎1例（感染地域：マレーシア）
チクングニア熱1例（感染地域：フィリピン）
つつが虫病2例（感染地域：山形県1例、長崎県1例）

デング熱10例（デング熱7例、デング出血熱3例）
	感染地域：フィリピン4例、インド3例、タイ1例、ミャンマー1例、モルジブ1例

日本紅斑熱9例
	感染地域：広島県3例、和歌山県2例、三重県1例、大阪府1例、高知県1例、宮崎県1例

マラリア1例（熱帯熱＿感染地域：ガーナ）

レジオネラ症17例（肺炎型17例）

感染地域：山形県2例（うち1例温泉）、福島県2例、栃木県2例（うち1例温泉）、秋田県1例、茨城県1例、群馬県1例、千葉県1例、東京都1例、静岡県1例、三重県1例、京都府1例（温泉）、奈良県1例（温泉）、大分県1例、国内（都道府県不明）1例
年齢群：40代（1例）、50代（2例）、60代（9例）、70代（5例）

レプトスピラ症1例（感染地域：和歌山県＿感染機会：農地）

5類感染症：

アメーバ赤痢12例（腸管アメーバ症11例、腸管外アメーバ症1例）
	感染地域：東京都2例、神奈川県2例、兵庫県1例、宮崎県1例、国内（都道府県不明）4例、タイ1例、インドネシア1例感染経路：性的接触4例（異性間2例、同性間2例）、経口感染2例、不明6例

ウイルス性肝炎2例
	B型2例＿感染経路：性的接触1例（異性間）、不明1例

急性脳炎4例
	単純ヘルペスウイルス1例＿年齢群：4歳ノロウイルス1例＿年齢群：7歳トキソプラズマ1例＿年齢群：50代病原体不明1例＿年齢群：0歳

劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例
	年齢群：40代（1例）、60代（1例）、70代（1例）、80代（1例．死亡）

後天性免疫不全症候群16例（AIDS 5例、無症候8例、その他3例）
	感染地域：国内14例、国内・国外不明2例感染経路：性的接触13例（異性間2例、同性間8例、異性/同性間2例、異性間・同性間不明1例）、不明3例

梅毒14例（早期顕症I期4例、早期顕症II期2例、無症候8例）
破傷風1例（年齢群：80代）

バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例
	遺伝子型：不明＿菌検出検体：便

風しん42例（検査診断例28例、臨床診断例14例）

感染地域：東京都11例、大阪府7例、兵庫県3例、埼玉県2例、千葉県2例、神奈川県2例、京都府2例、宮城県1例、茨城県1例、岐阜県1例、愛知県1例、三重県1例、山口県1例、福岡県1例、国内（都道府県不明）6例
年齢群：3歳（1例）、5～9歳（1例）、15～19歳（5例）、20～24歳（7例）、25～29歳（6例）、30～34歳（6例）、35～39歳（8例）、40代（4例）、50代（3例）、60代（1例）
累積報告数：1,790例（検査診断例1,320例、臨床診断例470例）

麻しん5例〔麻しん（検査診断例3例、臨床診断例1例）、修飾麻しん（検査診断例1例）〕

感染地域：東京都1例、愛知県1例、兵庫県1例、広島県1例、国内（都道府県不明）1例
年齢群：15～19歳（1例）、20～24歳（1例）、25～29歳（1例）、35～39歳（2例）
累積報告数：268例〔麻しん（検査診断例137例、臨床診断例65例）、修飾麻しん（検査診断例66例）〕
遺伝子型別累積報告数（遺伝子型が同定・報告された症例のみ）：64例
D4：6例＿感染地域：東京都2例、千葉県1例、東京都/ベトナム
1例、大阪府/英国1例、パキスタン1例
D8：43例＿感染地域：愛知県19例、千葉県5例、宮崎県5例、岐阜県3例、山梨県2例、都道府県不明6例、タイ2例、タイ/カンボジア1例
D9：8例＿感染地域：岡山県4例、栃木県1例、千葉県1例、東京都1例、フィリピン1例
H1：7例＿感染地域：福島県4例、東京都1例、中国1例、台湾1例

（補）2012年第39週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例（感染地域：不明＿感染源：不明）、デング熱1例（感染地域：タイ）、レプトスピラ症1例（感染地域：鹿児島県＿感染機会：畜産場周囲での作業）、急性脳炎7例〔ヒトヘルペスウイルス6型1例＿年齢群：0歳．単純ヘルペスウイルス1型1例＿年齢群：3歳．病原体不明5例＿年齢群：1歳（1例）、2歳（1例）、10代（1例）、50代（1例）、80代（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔60代（1例．死亡）、70代（1例）〕、髄膜炎菌性髄膜炎1例（感染地域：三重県＿年齢群：20代）、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例（遺伝子型：不明＿菌検出検体：血液）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

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インフルエンザ：定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では沖縄県（4.41）、鹿児島県（0.44）、秋田県（0.22）が多い。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は5,007例と2週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約71%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鹿児島県（0.60）、東京都（0.51）、山形県（0.47）が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では北海道（2.28）、山口県（2.27）、福井県（2.05）が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では沖縄県（7.47）、島根県（5.61）、大分県（5.44）が多い。水痘の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では徳島県（1.13）、佐賀県（1.00）、長崎県（0.98）が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では山形県（5.73）、宮城県（3.93）、岩手県（3.43）が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では岩手県（0.30）、新潟県（0.20）が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では高知県（0.13）、広島県（0.11）、群馬県（0.08）、大分県（0.08）が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第35週以降減少が続いている。都道府県別では山形県（1.77）、新潟県（1.60）、宮城県（1.03）が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県（1.31）、宮城県（1.07）、岐阜県（1.02）が多い。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してかなり多い。都道府県別では群馬県（5.25）、埼玉県（4.67）、福島県（4.14）、栃木県（4.14）が多い。