IDWR 2012年第44号＜発生動向総覧＞2012年第44週（2012年10月29日～11月4日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第44週コメント〉　11月7日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核 366例

3類感染症：

細菌性赤痢3例
	菌種：S. flexneri（B群）1例＿感染地域：グアテマラ S. sonnei（D群）2例＿感染地域：三重県1例、ベトナム1例

腸管出血性大腸菌感染症33例（有症者27例、うちHUS なし．死亡1例）

感染地域：国内33例
国内感染地域：福岡県4例、長崎県3例、群馬県2例、東京都2例、三重県2例、広島県2例、佐賀県2例、鹿児島県2例、北海道1例、宮城県1例、茨城県1例、埼玉県1例、神奈川県1例、福井県1例、長野県1例、京都府1例、大阪府1例、兵庫県1例、大分県1例、不明3例
年齢群：2歳（2例）、9歳（1例）、10代（5例）、20代（5例）、30代（6例）、40代（1例）、50代（3例）、60代（6例）、70代（2例）、80代（2例）
血清型・毒素型：O157 VT2（12例）、O157 VT1・VT2（9例）、O157 VT不明（3例）、O103 VT1（2例）、O91 VT1（1例）、O145 VT2（1例）、O157 VT1（1例）、その他・不明（4例）
累積報告数：3,456例（有症者2,198例、うちHUS 85例．死亡9例）

4類感染症：

A型肝炎3例（感染地域：福岡県1例、大分県1例、エジプト1例）
エキノコックス症1例（多包条虫＿感染地域：北海道）
つつが虫病4例（感染地域：広島県2例、東京都1例、長野県1例）
デング熱4例（感染地域：インド2例、カンボジア1例、グアム1例）

日本紅斑熱5例
	感染地域：三重県1例、和歌山県1例、島根県1例、広島県1例、宮崎県1例

マラリア1例（熱帯熱＿感染地域：ケニア）

レジオネラ症13例（肺炎型13例）
	感染地域：熊本県2例（うち1例温泉）、栃木県1例、埼玉県1例、新潟県1例（温泉）、愛知県1例（温泉）、三重県1例（温泉）、京都府1例、大阪府1例、香川県1例（温泉）、国内（都道府県不明）2例、韓国1例（温泉）年齢群：50代（4例）、60代（6例）、70代（1例）、80代（2例）

レプトスピラ症2例
	感染地域：山形県1例＿感染源：ネズミ感染地域：東京都1例＿感染源：ネズミ

5類感染症：

アメーバ赤痢13例（腸管アメーバ症11例、腸管外アメーバ症1例、腸管及び腸管外アメーバ症1例）
	感染地域：北海道2例、東京都1例、愛知県1例、福岡県1例、長崎県1例、国内（都道府県不明）4例、タイ2例、スペイン1例感染経路：性的接触6例（異性間2例、異性/同性間1例、異性間・同性間不明3例）、経口感染3例、経口感染/性的接触（異性間）1例、不明3例

ウイルス性肝炎1例
	B型＿感染経路：性的接触（異性間）

クロイツフェルト・ヤコブ病2例
	孤発性プリオン病古典型2例

劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例
	年齢群：60代（1例．死亡）、80代（1例．死亡）

後天性免疫不全症候群17例（AIDS 5例、無症候10例、その他2例）
	感染地域：国内16例、ガーナ1例感染経路：性的接触14例（異性間3例、同性間11例）、不明3例

ジアルジア症1例（感染地域：ベトナム）

髄膜炎菌性髄膜炎1例
	感染地域：埼玉県年齢群：40代

梅毒10例（早期顕症I期2例、早期顕症II期5例、無症候3例）
破傷風3例〔年齢群：60代（1例）、80代（1例）、90代（1例）〕

バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例
	遺伝子型：不明2例＿菌検出検体：便2例

風しん17例（検査診断例13例、臨床診断例4例）

感染地域：東京都5例、神奈川県2例、大阪府2例、北海道1例、千葉県1例、愛知県1例、高知県1例、国内（都道府県不明）4例
年齢群：5～9歳（1例）、10～14歳（1例）、15～19歳（4例）、20～24歳（3例）、25～29歳（2例）、30～34歳（2例）、35～39歳（2例）、40代（2例）
累積報告数：1,960例（検査診断例1,447例、臨床診断例513例）

麻しん3例〔麻しん（臨床診断例2例）、修飾麻しん（検査診断例1例）〕

感染地域：千葉県1例、神奈川県1例、国内・国外不明1例
年齢群：10～14歳（1例）、20～24歳（1例）、35～39歳（1例）
累積報告数：277例〔麻しん（検査診断例140例、臨床診断例67例）、修飾麻しん（検査診断例70例）〕
遺伝子型別累積報告数（遺伝子型が同定・報告された症例のみ）：64例
D4：6例＿感染地域：東京都2例、千葉県1例、東京都/ベトナム1例、大阪府/英国1例、パキスタン1例
D8：43例＿感染地域：愛知県19例、千葉県5例、宮崎県5例、山梨県2例、岐阜県3例、都道府県不明6例、タイ2例、タイ/カンボジア1例
D9：8例＿感染地域：岡山県4例、栃木県1例、千葉県1例、東京都1例、フィリピン1例
H1：7例＿感染地域：福島県4例、東京都1例、中国1例、台湾1例

（補）2012年第43週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例〔菌種：S. sonnei（D群）＿感染地域：沖縄県〕、パラチフス1例（感染地域：インド）、E型肝炎2例（感染地域：宮城県1例、福島県1例＿感染源：不明2例）、レプトスピラ症4例（感染地域：沖縄県2例＿感染源：水系1例、不明1例．感染地域：宮崎県1例＿感染源：河川．感染地域：鹿児島県1例＿感染源：井戸水/ネズミ）、急性脳炎7例〔単純ヘルペスウイルス1例＿年齢群：40代、病原体不明6例＿年齢群：0歳（1例）、1歳（1例）、3歳（1例）、5歳（2例）、10代（1例）〕などの報告があった。

◆定点把握の対象となる5類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

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インフルエンザ：定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では沖縄県（2.21）、佐賀県（0.79）、岐阜県（0.23）、新潟県（0.11）が多い。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は3,092例と2週連続で減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約73%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では佐賀県（1.26）、山形県（0.67）、宮崎県（0.61）が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では山口県（2.96）、北海道（2.65）、山形県（2.30）が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別では兵庫県（13.33）、福岡県（13.33）、石川県（11.90）、宮崎県（10.03）、大阪府（9.66）が多い。水痘の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では山形県（2.83）、佐賀県（1.74）、新潟県（1.58）が多い。手足口病の定点当たり報告数は第40週以降減少が続いている。都道府県別では宮崎県（2.97）、山形県（2.87）、岩手県（2.80）が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では岩手県（0.28）、岐阜県（0.17）、高知県（0.17）が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では滋賀県（0.13）、広島県（0.10）、大分県（0.08）が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第35週以降減少が続いている。都道府県別では香川県（0.90）、島根県（0.52）、熊本県（0.42）が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では大分県（1.94）、山形県（1.37）、岩手県（1.13）が多い。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎のの定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では青森県（4.50）、岩手県（4.21）、宮城県（3.25）、群馬県（3.00）が多い。