発生動向総覧
〈第6週コメント〉 2月13日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核315例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢1例
|
|
菌種:S. sonnei (D群)_感染地域:秋田県
|
腸管出血性大腸菌感染症13例(有症者8例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内13例 国内の感染地域:新潟県4例、鹿児島県2例、青森県1例、福島県1例、群馬県1例、千葉県1例、静岡県1例、京都府1例、福岡県1例 年齢群:1歳(1例)、7歳(1例)、10代(3例)、20代(1例)、30代(1例)、40代(1例)、50代(1例)、60代(3例)、80代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(4例)、O157 VT2(4例)、O26 VT2(4例)、O91 VT1(1例) 累積報告数:62例(有症者39例、うちHUS 4例.死亡なし)
|
|
4類感染症: |
E型肝炎2例
|
|
感染地域:北海道1例_感染源:不明 感染地域:宮崎県1例_感染源:豚の排泄物
|
A型肝炎3例〔感染地域:千葉県1例、島根県1例、国内(都道府県不明)1例〕 つつが虫病3例(感染地域:和歌山県2例、鹿児島県1例) マラリア1例(原虫種不明_感染地域:インド)
レジオネラ症14例(肺炎型13例、ポンティアック型1例.うち1例死亡)
|
|
感染地域:茨城県2例、東京都2例、神奈川県1例、静岡県1例、愛知県1例(温泉)、大阪府1例(温泉)、兵庫県1例、徳島県1例、愛媛県1例、福岡県1例、大分県1例、鹿児島県1例 年齢群:50代(1例)、60代(4例)、70代(5例)、80代(2例)、90代(2例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢11例(腸管アメーバ症9例、腸管外アメーバ症1例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
|
感染地域:埼玉県2例、宮崎県2例、東京都1例、神奈川県1例、愛知県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)2例、韓国/タイ1例 感染経路:経口感染1例、性的接触1例(異性間)、不明9例
|
ウイルス性肝炎2例 |
|
B型2例_感染経路:性的接触1例(異性間)、不明1例
|
急性脳炎8例 |
|
インフルエンザウイルスA型5例_年齢群:3歳(2例)、40代(1例)、60代(2例) インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:6歳 インフルエンザウイルス型不明1例_年齢群:4歳 病原体不明1例_年齢群:7歳
|
劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例 |
|
年齢群:40代(1例)、50代(3例)、60代(1例.死亡)
|
後天性免疫不全症候群5例(AIDS 1例、無症候性キャリア3例、その他1例) |
|
感染地域:国内4例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触5例(同性間4例、異性間・同性間不明1例)
|
ジアルジア症2例
|
|
感染地域:国内(都道府県不明)1例、ソロモン諸島1例
|
梅毒10例(早期顕症I期1例、早期顕症II期5例、無症候4例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症4例
|
|
遺伝子型:VanA 1例_菌検出検体:尿 遺伝子型:VanC 2例_菌検出検体:血液1例、腹水1例 遺伝子型:不明1例_菌検出検体:尿
|
風しん138例(検査診断例122例、臨床診断例16例)
|
|
感染地域:東京都41例、埼玉県12例、千葉県8例、兵庫県7例、神奈川県6例、大阪府6例、茨城県3例、北海道2例、栃木県2例、三重県2例、群馬県1例、長野県1例、静岡県1例、愛知県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)42例、国内・国外不明2例 年齢群:1歳(1例)、5~9歳(2例)、10~14歳(3例)、15~19歳(5例)、20~24歳(19例)、25~29歳(22例)、30~34歳(24例)、35~39歳(22例)、40代(29例)、50代(11例) 累積報告数:535例(検査診断例430例、臨床診断例105例)
|
麻しん7例〔麻しん(検査診断例1例、臨床診断例5例)、修飾麻しん(検査診断例1例)〕
|
|
感染地域:千葉県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)5例 年齢群:10~14歳(1例)、20~24歳(1例)、30~34歳(3例)、35~39歳(1例)、40代(1例) 累積報告数:32例〔麻しん(検査診断例6例、臨床診断例20例)、修飾麻しん(検査診断例6例)〕
|
(補)2013年第5週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎4例〔感染地域:北海道3例_感染源:豚レバー2例、レバー1例.感染地域:中国1例_感染源:不明〕、オウム病2例〔感染地域:国内(都道府県不明)2例_感染源:インコ2例〕、急性脳炎5例〔インフルエンザウイルスA型3例_年齢群:2歳(1例)、5歳(1例)、80代(1例).ヒトヘルペスウイルス6型1例_年齢群:0歳.病原体不明1例_年齢群:3歳〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔60代(1例)、70代(1例.死亡)〕などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では愛知県(42.47)、鹿児島県(40.69)、新潟県(39.62)、愛媛県(36.52)、広島県(34.48)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,423例と2週連続で減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約72%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(1.22)、山形県(0.67)、熊本県(0.66)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(6.28)、鳥取県(4.42)、富山県(4.41)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では宮崎県(17.53)、熊本県(16.72)、鹿児島県(13.24)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(3.24)、鹿児島県(3.13)、宮崎県(2.86)が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福岡県(1.10)、大分県(0.67)、島根県(0.61)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では岩手県(0.33)、香川県(0.23)、新潟県(0.13)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(0.09)、秋田県(0.06)、滋賀県(0.06)、広島県(0.06)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では長崎県(0.55)、福井県(0.09)、富山県(0.07)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福井県(1.14)、山形県(0.90)、福岡県(0.66)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮城県(1.83)、岡山県(1.40)、高知県(1.25)が多い。
〈1月コメント〉 ◆性感染症について 2012年2月12日集計分 性感染症定点数:967 (産婦人科・産科・婦人科:464、泌尿器科:408、皮膚科83、性病科12)
●月別推移 2013年1月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.09(男1.00、女1.09)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.72(男0.29、女0.43)、尖圭コンジローマが0.49(男0.28、女0.21)、淋菌感染症が0.80(男0.63、女0.16)であった。対象4疾患の中では、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。
前月に比べると、男性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加であった。女性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加した(31~34ページ「グラフ総覧」参照)。過去5年間の同時期と比較すると、男性では、尖圭コンジローマがやや多かった。女性では、性器ヘルペスウイルス感染症と尖圭コンジローマがやや多かった(図2)。
|
|
図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(1月) |

●男女別・年齢階級別
年齢群別(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症は25~29歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は30~39歳の2つの年齢群、尖圭コンジローマは25~34歳の2つの年齢群、淋菌感染症は25~29歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症は20~24歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は20~29歳の2つの年齢群、尖圭コンジローマは20~24歳の年齢群、淋菌感染症は20~24歳の年齢群であった(図3:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15~19歳の年齢群の報告があり、男性では性器ヘルペスウイルス感染症で、女性では性器クラミジア感染症と淋菌感染症で10~14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患の報告は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上は僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。届出基準では「明らかな再発例は除外する」と明示されているが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、性器クラミジア感染症では15~29歳の3つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15~29歳、40~44歳、50~54歳、70歳以上の6つの年齢群、尖圭コンジローマでは15~24歳の2つの年齢群という比較的低い年齢層を中心に女性が男性より多く、他の年齢群は同値あるいは男性が多かった。淋菌感染症ではすべての年齢群で男性が女性より多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較については各地域におけるそれらの比率等の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられた後、2009年以降はほぼ横ばいである。女性では2003年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいである。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいである。女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降はほぼ横ばいである。尖圭コンジローマは男性では2006年以降減少傾向がみられた後、2011年以降はほぼ横ばいである。女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいである。淋菌感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられた後、2009年以降はほぼ横ばいである。女性では2004年以降減少傾向がみられた後、2007年以降はほぼ横ばいである。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で同値、尖圭コンジローマで同値、淋菌感染症で増加であった。女性では性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加であった。
◆薬剤耐性菌について (2月12集計分)
|
基幹定点数(1月):467. (35~36ページ「グラフ総覧」参照)
|
●月別
|
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症 3.88(前月3.68、前年同月4.09) 定点当たりの報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。1月は前月より増加した。 ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症 0.56(前月0.64、前年同月0.76) 定点当たりの報告数は、2011年までは春から初夏(4~6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7~9月)に少なく推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性の変動が明確でなかった。1月は前月より減少し、過去10年間の同月との比較では最も少なかった。 薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症 0.05(前月0.04、前年同月0.07) 定点当たりの報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。1月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では2010年と並んで最も少なかった。 薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症 -(前月-、前年同月0.00) 定点当たりの報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。1月は報告がなかった。
|
●年齢階級別
|
MRSA感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の67%を占めている(図1:PDF参照)。 PRSP感染症 小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の34%を占める一方、70歳以上が全体の41%を占めている(図2:PDF参照)。 MDRP感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の76%を占めている(図3:PDF参照)。 MDRA感染症 今月は報告がなかった。(図4:PDF参照)。
|
●性別:女性を1 として算出した男/女比
|
MRSA感染症…男:女=1.7:1 PRSP感染症…男:女=1.5:1 MDRP感染症…男:女=3.2:1 MDRA感染症…男:女=今月は報告がなかった。
|
●都道府県別
|
MRSA感染症 定点当たりの報告数は沖縄県(7.86)、大分県(7.64)、宮崎県(7.14)が多い。 PRSP感染症 定点当たりの報告数は千葉県(2.67)、長野県(1.91)、奈良県(1.83)が多い。 MDRP感染症 報告総数が25例にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。 MDRA感染症 今月は報告がなかった。
|
|