発生動向総覧
〈第20週コメント〉 5月22日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核314例 |
3類感染症: |
コレラ1例(感染地域:インド)
細菌性赤痢3例
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菌種:S. flexneri (B群)2例_感染地域:インドネシア1例、ケニア1例 S. sonnei (D群)1例_感染地域:ベトナム
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腸管出血性大腸菌感染症33例(有症者27例、うちHUS なし) |
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感染地域:国内33例 国内の感染地域:福岡県6例、愛知県3例、宮城県2例、神奈川県2例、石川県2例、山口県2例、青森県1例、福島県1例、群馬県1例、千葉県1例、東京都1例、新潟県1例、富山県1例、滋賀県1例、兵庫県1例、岡山県1例、熊本県1例、不明5例 年齢群:1歳(1例)、2歳(1例)、5歳(1例)、7歳(2例)、10代(6例)、20代(8例)、30代(4例)、40代(3例)、50代(1例)、60代(3例)、70代(2例)、80代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(10例)、O157 VT2(8例)、O26 VT1(4例)、O157 VT不明(3例)、O103 VT1(2例)、O26 VT不明(1例)、O111 VT1(1例)、O157 VT1(1例)、その他・不明(3例) 累積報告数:285例(有症者204例、うちHUS 7例.死亡なし)
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4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:青森県_感染源:不明) A型肝炎2例(感染地域:東京都1例、大阪府1例) Q熱1例(感染地域:千葉県_感染源:猫)
重症熱性血小板減少症候群2例
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感染地域:徳島県1例(2013年5月発症)、熊本県1例(2013年5月発症) 年齢群:70代(2例)
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つつが虫病7例
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感染地域:秋田県2例、青森県1例、岩手県1例、宮城県1例、山形県1例、新潟県1例
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デング熱7例(感染地域:インドネシア4例、タイ2例、マレーシア1例) 日本紅斑熱1例(感染地域:和歌山県) マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症12例(肺炎型11例、無症状病原体保有者1例)
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感染地域:東京都3例、群馬県2例(うち1例温泉)、富山県2例、神奈川県1例、大阪府1例、山口県1例、熊本県1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:0歳(1例)、60代(3例)、70代(3例)、80代(4例)、90代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢5例(腸管アメーバ症4例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:東京都1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)3例 感染経路:性的接触3例(同性間2例、異性間・同性間不明1例)、不明2例
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ウイルス性肝炎3例 |
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B型3例_感染経路:性的接触1例(同性間)、不明2例
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急性脳炎3例 |
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黄色ブドウ球菌1例_年齢群:10~14歳 病原体不明2例_年齢群:3歳(1例)、10~14歳(1例)
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クロイツフェルト・ヤコブ病2例(孤発性プリオン病古典型2例) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔年齢群:50代(1例)、60代(1例)〕
後天性免疫不全症候群14例(AIDS 4例、無症候7例、その他3例) |
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感染地域:国内12例、国内(都道府県不明)/タイ1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触10例(異性間2例、同性間6例、異性/同性間2例)、不明4例
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ジアルジア症1例(感染地域:インド)
侵襲性インフルエンザ菌感染症1例(肺炎のみ_菌検出検体:血液) |
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年齢群:80代
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侵襲性髄膜炎菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
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感染地域:福岡県 年齢群:50代
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侵襲性肺炎球菌感染症32例〔うち、肺炎のみ13例、髄膜炎のみ5例(それぞれ重複なし)_菌検出検体:血液29例、血液・髄液1例、髄液2例〕 |
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年齢群:0歳(1例)、1歳(3例)、2歳(3例)、3歳(1例)、30~34歳(2例)、35~39歳(2例)、50代(3例)、60代(7例)、70代(3例)、80代(5例)、90代(2例)
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梅毒21例(早期顕症I期7例、早期顕症II期8例、無症候6例)
破傷風5例
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年齢群:30代(1例)、40代(1例)、50代(1例)、60代(1例)、70代(1例)
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風しん571例(検査診断例370例、臨床診断例201例)
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感染地域:大阪府98例、東京都91例、兵庫県55例、神奈川県40例、千葉県17例、京都府17例、愛知県15例、埼玉県13例、福岡県11例、鹿児島県10例、広島県8例、宮城県6例、静岡県6例、滋賀県6例、奈良県6例、岡山県4例、熊本県4例、栃木県3例、三重県3例、和歌山県3例、北海道2例、茨城県2例、群馬県2例、福井県2例、長野県2例、山口県2例、香川県2例、佐賀県2例、長崎県2例、宮崎県2例、福島県1例、山梨県1例、岐阜県1例、国内(都道府県不明)132例 年齢群:0歳(6例)、1歳(8例)、2歳(1例)、3歳(1例)、4歳(4例)、5~9歳(5例)、10~14歳(13例)、15~19歳(28例)、20~24歳(75例)、25~29歳(87例)、30~34歳(69例)、35~39歳(80例)、40代(141例)、50代(40例)、60代(13例) 累積報告数:7,540例(検査診断例5,296例、臨床診断例2,244例)
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麻しん9例〔麻しん(検査診断例3例、臨床診断例4例)、修飾麻しん2例〕
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感染地域:千葉県1例、神奈川県1例、岐阜県1例、京都府1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)4例 年齢群:1歳(2例)、15~19歳(1例)、20~24歳(1例)、25~29歳(1例)、30~34歳(1例)、35~39歳(1例)、40代(2例) 累積報告数:133例〔麻しん(検査診断例50例、臨床診断例51例)、修飾麻しん32例〕
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(補)他にマラリア1例の報告があったが削除予定。また、2012年第20週から2013年第19週までに診断されたものの報告遅れとして、腸チフス1例〔感染地域:国内(都道府県不明)〕、つつが虫病1例(感染地域:石川県)、日本紅斑熱1例(感染地域:千葉県)、重症熱性血小板減少症候群1例〔感染地域:高知県(2012年発症.死亡)_年齢群:60代〕、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスB型2例_年齢群:2歳(1例)、3歳(1例).手足口病1例_年齢群:5歳.病原体不明3例_年齢群:6歳(1例)、8歳(1例)、9歳(1例)〕、クリプトスポリジウム症1例(感染地域:東京都)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔80代(3例.うち1例死亡)〕、侵襲性髄膜炎菌感染症1例(30代.死亡)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では富山県(6.69)、宮崎県(5.58)、福井県(3.97)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は358例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約81%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では佐賀県(2.00)、宮崎県(1.00)、鹿児島県(0.98)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では新潟県(4.77)、鳥取県(4.53)、富山県(4.52)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では大分県(17.42)、新潟県(16.89)、山形県(14.60)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では宮崎県(3.19)、福岡県(2.44)、愛媛県(2.32)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では島根県(4.26)、沖縄県(3.56)、福岡県(2.73)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では富山県(0.83)、新潟県(0.34)、宮城県(0.26)が多い。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では新潟県(0.21)、沖縄県(0.18)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では佐賀県(0.83)、沖縄県(0.53)、山口県(0.43)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では福井県(1.50)、秋田県(1.46)、山形県(0.77)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(1.60)、岡山県(1.60)、宮城県(1.58)が多い。
〈4月コメント〉 ◆性感染症について 2012年5月13日集計分 性感染症定点数:973 (産婦人科・産科・婦人科:468、泌尿器科:410、皮膚科83、性病科12)
●月別推移 2013年4月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が2.16(男性1.02、女性1.14)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.74(男性0.29、女性0.44)、尖圭コンジローマが0.46(男性0.27、女性0.20)、淋菌感染症が0.79(男性0.63、女性0.16)であった。対象4疾患の中では、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。
前月に比べると、男性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで減少、淋菌感染症で増加であった。女性では、性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加した(21~24ページ「グラフ総覧」参照)。過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった(図2)。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(4月) |

●男女別・年齢階級別 年齢群別(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症は20~29歳の2つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は25~29歳、40~44歳の2つの年齢群、尖圭コンジローマは25~34歳の2つの年齢群、淋菌感染症は25~29歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症は20~24歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は30~34歳の年齢群、尖圭コンジローマは20~29歳の2つの年齢群、淋菌感染症は20~24歳の年齢群であった(図3:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15~19歳の年齢群の報告があり、男性、女性ともに性器クラミジア感染症と淋菌感染症でそれぞれ10~14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患の報告は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上は僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。届出基準では「明らかな再発例は除外する」と明示されているが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、性器クラミジア感染症では10~29歳の4つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15~39歳、50~64歳、70歳以上の9つの年齢群、尖圭コンジローマでは15~24歳の2つの年齢群という比較的低い年齢層を中心に女性が男性より多く、他の年齢群は同値あるいは男性が多かった。淋菌感染症ではすべての年齢群で男性が女性より多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較については各地域におけるそれらの比率等の影響を受ける可能性がある。
●若年齢層での推移 感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化している。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2003年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいである。女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいである。尖圭コンジローマは男性では2006年以降減少傾向がみられた後、2011年以降は減少が鈍化している。女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいである。淋菌感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられた後、2009年以降はほぼ横ばいである。女性では2004年以降減少傾向がみられた後、2007年以降はほぼ横ばいである。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で同値、尖圭コンジローマで同値、淋菌感染症で増加であった。女性では性器クラミジア感染症で増加、性器ヘルペスウイルス感染症で減少、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加であった。
◆薬剤耐性菌について(5月13集計分)
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基幹定点数(4月):474. (25~26ページ「グラフ総覧」参照)
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●月別
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症 3.64(前月3.37、前年同月3.62) 定点当たりの報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。今月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では2012年に次いで少なかった。 ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症 0.65(前月0.43、前年同月0.70) 定点当たりの報告数は、2011年までは春から初夏(4~6月)と冬(11、12月)に多く、夏(7~9月)に少なく推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性の変動が明確でなかった。今月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では最も少なかった。 薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症 0.04(前月0.03、前年同月0.06) 定点当たりの報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。今月は前月より増加し、過去10年間の同月との比較では最も少なかった。 薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症 0.01(前月-、前年同月0.01) 定点当たりの報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月は報告が5例であった。
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●年齢階級別
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MRSA感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の67%を占めている(図1:PDF参照)。 PRSP感染症 小児と高齢者に多い。5歳未満が全体の36%を占める一方、70歳以上が全体の36%を占めている(図2:PDF参照)。 MDRP感染症 高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めている(図3:PDF参照)。 MDRA感染症 5例のうち、70歳以上が60%を占めた(図4:PDF参照)。
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●性別:女性を1 として算出した男/女比
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MRSA感染症…男:女=1.8:1 PRSP感染症…男:女=1.2:1 MDRP感染症…男:女=2.4:1 MDRA感染症…男:女=4.0:1
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●都道府県別
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MRSA感染症 定点当たりの報告数は大分県(7.73)、沖縄県(7.71)、愛知県(7.31)が多い。 PRSP感染症 定点当たりの報告数は奈良県(3.00)、東京都(2.32)、千葉県(2.00)が多い。 MDRP感染症 報告総数が17例にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。 MDRA感染症 報告総数が5例にとどまるため、都道府県別定点当たり報告数の評価は困難である。
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