発生動向総覧
〈第24週コメント〉 6月19日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核383例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢5例
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菌種:S. sonnei (D群)5例_感染地域:ベトナム1例、カンボジア1例、インドネシア1例、インドネシア/中国1例、カンボジア/ベトナム1例
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腸管出血性大腸菌感染症71例(有症者54例、うちHUS なし) |
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感染地域:国内71例 国内の感染地域:東京都8例、岩手県7例、兵庫県7例*、愛知県6例、埼玉県4例、宮城県3例、京都府3例、千葉県2例、長野県2例、岐阜県2例、三重県2例、滋賀県2例、大阪府2例、鹿児島県2例、北海道1例、青森県1例、山形県1例、福島県1例、茨城県1例、栃木県1例、新潟県1例、石川県1例、和歌山県1例、広島県1例、福岡県1例、大分県1例、不明7例 * 飲食店における食中毒患者(O157 VT1・VT2)を含む 年齢群:0歳(1例)、1歳(3例)、3歳(1例)、4歳(6例)、5歳(2例)、6歳(2例)、7歳(1例)、9歳(1例)、10代(8例)、20代(16例)、30代(7例)、40代(7例)、50代(5例)、60代(5例)、70代(6例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(31例)、O157 VT2(9例)、O26 VT1(8例)、O121 VT2(5例)、O157 VT不明(4例)、O26 VT不明(2例)、O103 VT1(2例)、O157 VT1(2例)、O26 VT2(1例)、O121 VT1(1例)、O128 VT1(1例)、O165 VT2(1例)、その他・不明(4例) 累積報告数:506例(有症者370例、うちHUS 9例.死亡なし)
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4類感染症: |
E型肝炎3例
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感染地域:新潟県1例_感染源:豚レバー刺し 感染地域:愛知県1例_感染源:不明 感染地域:国内(都道府県不明)1例_感染源:鳥レバー/ホルモン
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A型肝炎3例(感染地域:広島県1例、国内(都道府県不明)1例、韓国1例)
重症熱性血小板減少症候群3例
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感染地域:愛媛県3例(2013年5月発症) 年齢群:50代(1例)、70代(1例)、90代(1例.死亡)
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つつが虫病17例
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感染地域:秋田県7例、青森県3例、福島県3例、岩手県2例、宮城県1例、山形県1例
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デング熱1例(感染地域:インドネシア) 日本紅斑熱3例(感染地域:千葉県1例、島根県1例、福岡県1例)
レジオネラ症14例(肺炎型14例)
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感染地域:長野県2例、大阪府2例、山形県1例、茨城県1例、栃木県1例、東京都1例、岐阜県1例、熊本県1例、岐阜県/三重県1例(温泉)、岐阜県/兵庫県1例(温泉)、国内(都道府県不明)2例 年齢群:40代(1例)、50代(3例)、60代(6例)、70代(3例)、80代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢15例(腸管アメーバ症12例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症1例) |
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感染地域:熊本県2例、宮城県1例、群馬県1例、埼玉県1例、東京都1例、神奈川県1例、富山県1例、岐阜県1例、愛知県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)4例 感染経路:性的接触3例(異性間2例、異性間・同性間不明1例)、経口感染5例、経口感染/性的接触(同性間)1例、不明6例
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ウイルス性肝炎2例 |
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B型2例_感染経路:性的接触2例(異性間2例)
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急性脳炎3例 |
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病原体不明3例_年齢群:2歳(1例)、3歳(1例)、30代(1例)
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
後天性免疫不全症候群27例〔AIDS 8例(うち1例死亡)、無症候17例、その他(急性感染)2例〕 |
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感染地域:国内23例、タイ2例、オーストラリア1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触21例(異性間3例、同性間17例、異性/同性間1例)、不明6例
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ジアルジア症2例(感染地域:東京都1例、マレーシア1例)
侵襲性インフルエンザ菌感染症5例(うち、肺炎のみ1例_菌検出検体:血液4例、不明1例) |
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年齢群:2歳(1例)、6歳(1例)、30代(1例)、60代(1例)、70代(1例)
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侵襲性髄膜炎菌感染症1例(菌検出検体:血液・髄液) |
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感染地域:東京都 年齢群:50代
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侵襲性肺炎球菌感染症13例〔うち、肺炎のみ2例、髄膜炎のみ1例(それぞれ重複なし)、うち肺炎・菌血症の1例死亡_菌検出検体:血液11例、血液・髄液1例、不明1例〕 |
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年齢群:1歳(1例)、3歳(1例)、4歳(1例)、40代(1例)、60代(3例)、70代(1例)、80代(5例.うち死亡1例)
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梅毒14例(早期顕症I期2例、早期顕症II期8例、晩期顕症2例、無症候2例)
破傷風5例
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年齢群:70代(1例)、80代(4例)
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風しん550例(臨床診断例206例、検査診断例344例)
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感染地域:大阪府108例、東京都72例、鹿児島県41例、兵庫県39例、神奈川県38例、福岡県19例、京都府17例、埼玉県13例、千葉県13例、愛知県10例、宮城県7例、和歌山県7例、奈良県5例、茨城県4例、静岡県4例、栃木県3例、島根県3例、岡山県3例、広島県3例、北海道2例、富山県2例、三重県2例、滋賀県2例、山口県2例、山形県1例、福島県1例、群馬県1例、新潟県1例、岐阜県1例、徳島県1例、佐賀県1例、長崎県1例、熊本県1例、大分県1例、東京都/神奈川県1例、国内(都道府県不明)117例、国内・国外不明3例 年齢群:0歳(7例)、1歳(9例)、2歳(3例)、4歳(1例)、5~9歳(8例)、10~14歳(7例)、15~19歳(29例)、20~24歳(71例)、25~29歳(66例)、30~34歳(67例)、35~39歳(94例)、40代(116例)、50代(52例)、60代(17例)、70代(3例) 累積報告数:10,822例(検査診断例7,419例、臨床診断例3,403例)
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麻しん3例〔麻しん(検査診断例2例)、修飾麻しん1例〕
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感染地域:埼玉県1例、神奈川県1例、兵庫県1例 年齢群:30代(1例)、40代(1例)、60代(1例) 累積報告数:145例〔麻しん(検査診断例54例、臨床診断例56例)、修飾麻しん35例〕
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(補)2012年第24週から2013年第23週までに診断されたものの報告遅れとして、パラチフス1例(感染地域:カンボジア/ベトナム)、E型肝炎1例(感染地域:北海道_感染源:豚肉)、マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ザンビア)、急性脳炎3例〔ノロウイルス1例_年齢群:6歳.大腸菌(敗血症)1例_年齢群:1歳.病原体不明1例_年齢群:60代〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔50代(1例.死亡)、60代(1例)〕、侵襲性肺炎球菌感染症15例(うち1例死亡)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
 インフルエンザ:定点当たり報告数は第18週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県(4.03)、鹿児島県(0.88)、熊本県(0.81)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症のRSウイルス感染症の報告数は331例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約80%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では佐賀県(3.48)、広島県(1.79)、宮崎県(1.58)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(4.14)、鳥取県(3.95)、新潟県(3.72)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。都道府県別では宮崎県(9.64)、大分県(9.22)、島根県(8.39)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福島県(2.53)、宮崎県(2.39)、福岡県(2.26)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では佐賀県(7.96)、福岡県(5.16)、熊本県(5.14)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では富山県(1.21)、新潟県(0.67)、宮城県(0.59)が多い。百日咳の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別では沖縄県(0.18)、三重県(0.07)、滋賀県(0.06)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では熊本県(1.68)、山口県(1.66)、佐賀県(1.65)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では福井県(0.77)、秋田県(0.74)、佐賀県(0.74)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では沖縄県(2.57)、石川県(2.40)、岩手県(2.37)が多い。
〈5月コメント〉 ◆性感染症について(6月10日集計分、23~26ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年5月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は968(産婦人科・産科・婦人科:468、泌尿器科:404、皮膚科:84、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年5月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(5月) |
性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.26(男性1.11、女性1.15) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性で20~24歳の年齢群であった。また、男性では1~4歳、10~14歳の年齢群、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.81(男性0.31、女性0.50) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では30~34歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また、男女ともに10~14歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.49(男性0.28、女性0.21) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.75(男性0.61、女性0.14) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移 感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に図4(PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について(6月10集計分) (6月10日集計分、27~28ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症)は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年5月分の報告を行った基幹定点医療機関数は468であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.51(前月3.64) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では2004年に次いで少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.8であった。
PRSP:定点当たり報告数0.70(前月0.65) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では2012年に次いで少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の40%を占める一方、70歳以上が全体の35%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.5であった。
MDRP:定点当たり報告数0.06(前月0.04) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では2009年に次いで少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の71%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.5であった。
MDRA:定点当たり報告数0.00(前月0.01) 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は1例であった(図4:PDF参照)。
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