IDWR 2013年第29号＜発生動向総覧＞2013年第29週（2013年7月15日～7月21日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第29週コメント〉　7月24日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

急性灰白髄炎1例（ワクチン株由来＿2012年6月発症）
結核332例

3類感染症：

細菌性赤痢3例
	菌種：S. flexneri （B群）2例＿感染地域：愛知県1例、ミャンマー1例 S. sonnei （D群）1例＿感染地域：インド

腸管出血性大腸菌感染症135例（有症者93例、うちHUS 4例）

感染地域：国内134例、国内・国外不明1例
国内の多い感染地域：東京都15例、群馬県9例、埼玉県9例*、三重県8例、香川県7例、岩手県6例、千葉県6例、鹿児島県6例、愛知県5例、佐賀県5例**、福島県4例、福岡県4例、宮崎県4例、宮城県3例、秋田県3例、山形県3例、神奈川県3例、熊本県3例
* 第28週に報告された保育園に関連した集団感染例を含む（O157 VT1・VT2）
** 第28週に報告された高齢者福祉施設で起きた集団感染例を含む（O157 VT1）
年齢群：0歳（1例）、1歳（7例）、2歳（4例）、3歳（9例）、4歳（6例）、5歳（4例）、6歳（3例）、7歳（3例）、8歳（2例）、9歳（4例）、10代（16例）、20代（18例）、30代（15例）、40代（9例）、50代（12例）、60代（9例）、70代（8例）、80代（4例）、90代（1例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（ 41例）、O157 VT2（ 40例）、O26 VT1（18例）、O157 VT1（5例）、O157 VT不明（ 5例）、O103 VT1（ 3例）、O26 VT1・VT2（2例）、O121 VT1・VT2（2例）、O121 VT2（2例）、O145 VT1（2例）、O26 VT2（1例）、O111 VT1・VT2（1例）、O111 VT1（1例）、O111 VT不明（1例）、その他・不明（11例）
累積報告数：1,206例（有症者833例、うちHUS 23例．死亡なし）

腸チフス1例（感染地域：ネパール）

4類感染症：

E型肝炎2例
	感染地域（感染源）：北海道1例（不明）、埼玉県1例（バーベキューでの豚肉）

A型肝炎2例（感染地域：愛知県1例、中国/タイ/インド/ネパール1例）

重症熱性血小板減少症候群2例
	感染地域：島根県1例（2013年7月発症）、長崎県1例（2013年6月発症）年齢群：50代（1例）、80代（1例）

つつが虫病4例（感染地域：岩手県1例、山形県1例、長野県1例、岐阜県1例）

デング熱5例
	感染地域：タイ1例、カンボジア1例、ラオス1例、ベトナム1例、インドネシア1例

マラリア1例（病型不明＿感染地域：ラオス）

レジオネラ症40例（肺炎型39例、ポンティアック型1例）

感染地域：千葉県6例、長野県4例、宮城県3例、埼玉県3例、富山県2例、静岡県2例、大阪府2例、北海道1例、秋田県1例、山形県1例、福島県1例、栃木県1例、石川県1例、岐阜県1例、愛知県1例、滋賀県1例、兵庫県1例、岡山県1例、福岡県1例、熊本県1例、国内（都道府県不明）3例、韓国1例、中国1例
年齢群：30代（1例）、40代（5例）、50代（7例）、60代（11例）、70代（10例）、80代（6例）

5類感染症：

アメーバ赤痢15例（腸管アメーバ症11例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症2例）
	感染地域：東京都2例、栃木県1例、埼玉県1例、千葉県1例、神奈川県1例、山梨県1例、長野県1例、福岡県1例、国内（都道府県不明）3例、タイ2例、カンボジア1例感染経路：性的接触5例（異性間2例、異性間・同性間不明3例）、経口感染6例、不明4例

ウイルス性肝炎1例（B型＿感染経路：不明）

急性脳炎6例
	単純ヘルペスウイルス2例＿年齢群：30代（1例）、80代（1例）病原体不明4例＿年齢群：2歳（1例）、7歳（1例）、9歳（1例）、10代（1例）

クロイツフェルト・ヤコブ病4例
	孤発性プリオン病古典型3例遺伝性プリオン病ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病1例

劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例
	年齢群：40代（1例．死亡）、70代（1例）、80代（1例．死亡）

後天性免疫不全症候群19例（AIDS 3例、無症候12例、その他4例）
	感染地域：国内17例、国内・国外不明2例感染経路：性的接触16例（異性間5例、同性間10例、異性/同性間1例）、不明3例

ジアルジア症2例（早感染地域：大阪府1例、タイ1例）

侵襲性肺炎球菌感染症5例（うち髄膜炎のみ2例、肺炎のみ1例＿菌検出検体：血液3例、血液・髄液2例）
	年齢群：50代（1例）、60代（2例）、80代（2例）

梅毒18例（早期顕症I期3例、早期顕症II期4例、晩期顕症1例、無症候10例）
破傷風2例〔年齢群：40代（1例）、80代（1例）〕

風しん184例（検査診断例121例、臨床診断例63例）

感染地域：大阪府32例、東京都27例、兵庫県15例、神奈川県13例、千葉県10例、愛知県7例、京都府6例、福岡県6例、鹿児島県4例、埼玉県3例、和歌山県3例、滋賀県2例、沖縄県2例、宮城県1例、山形県1例、福島県1例、茨城県1例、群馬県1例、長野県1例、三重県1例、島根県1例、佐賀県1例、長崎県1例、国内（都道府県不明）42例、国内・国外不明2例
年齢群：1歳（2例）、3歳（1例）、5～9歳（3例）、10～14歳（4例）、15～19歳（10例）、20～24歳（27例）、25～29歳（27例）、30～34歳（29例）、35～39歳（24例）、40代（33例）、50代（20例）、60代（3例）、70代（1例）
累積報告数：13,110例（検査診断例8,961例、臨床診断例4,149例）

麻しん2例〔麻しん（検査診断例1例）、修飾麻しん1例〕
	感染地域：埼玉県1例、神奈川県1例年齢群：40代（1例）、50代（1例）累積報告数：165例〔麻しん（検査診断例58例、臨床診断例59例）、修飾麻しん48例〕

（補）他にウイルス性肝炎1例の報告があったが削除予定。また、2012年第29週から2013年第28週までに診断されたものの報告遅れとして、腸チフス2例（感染地域：インド1例、中国/ネパール/インド1例）、E型肝炎3例〔感染地域（感染源）：北海道1例（バーベキューでの豚肉）、埼玉県1例（豚レバー）、中国1例（不明）〕、日本紅斑熱2例（感染地域：三重県2例）、急性脳炎9例〔セラチア菌（推定）1例＿年齢群：70代．リステリア菌（推定）1例＿年齢群：60代．単純ヘルペスウイルス1例＿年齢群：0歳．ヒトヘルペスウイルス6型1例＿年齢群：0歳．病原体不明5例＿年齢群：0歳（1例）、1歳（2例）、2歳（1例）、8歳（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔50代（1例）、70代（1例）〕などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

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インフルエンザ：定点当たり報告数は第18週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県（2.72）、熊本県（0.11）、宮崎県（0.10）が多い。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は635例と第25週以降増加が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約82%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では佐賀県（2.22）、鹿児島県（1.25）、北海道（1.18）が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第25週以降減少が続いている。都道府県別では福井県（2.14）、大分県（1.92）、鳥取県（1.74）が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。都道府県別では大分県（7.47）、愛媛県（5.92）、徳島県（5.87）が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では高知県（1.47）、宮城県（1.02）、北海道（0.99）が多い。手足口病の定点当たり報告数は第19週以降増加が続いており、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別では埼玉県（18.69）、東京都（13.71）、大分県（12.64）が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では富山県（0.45）、新潟県（0.36）、東京都（0.15）が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県（0.09）、新潟県（0.07）、愛媛県（0.05）が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では高知県（5.87）、山形県（5.37）、岡山県（4.89）が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では佐賀県（0.91）、福島県（0.89）、福井県（0.82）が多い。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第25週以降減少が続いている。都道府県別では福島県（2.57）、宮城県（1.33）、静岡県（1.30）が多い。