発生動向総覧
〈第33週コメント〉 8月21日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核337例 |
3類感染症: |
コレラ1例(感染地域:フィリピン)
細菌性赤痢4例
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菌種:S. boydii (C群)1例_感染地域:東京都 S. sonnei (D群)3例_感染地域:山梨県1例、カンボジア1例、インド1例
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腸管出血性大腸菌感染症184例(有症者130例、うちHUS 6例) |
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感染地域:国内181例、韓国1例、国内・国外不明2例 国内の多い感染地域:東京都14例*、埼玉県13例**、愛知県13例、神奈川県9例、大阪府9例、熊本県8例***、岐阜県7例、兵庫県7例、京都府6例、栃木県5例、三重県5例 * 保育園における集団感染例を含む(O103 VT1とO26 VT1) ** 保育園における集団感染例を含む(O26 VT1) *** 第32週に報告された保育園における集団感染例を含む(O26 VT1) 年齢群:0歳(2例)、1歳(16例)、2歳(8例)、3歳(3例)、4歳(8例)、5歳(2例)、6歳(4例)、7歳(3例)、8歳(5例)、9歳(3例)、10代(27例)、20代(36例)、30代(21例)、40代(16例)、50代(8例)、60代(11例)、70代(7例)、80代(3例)、90代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(86例)、O26 VT1(29例)、O157 VT2(14例)、O157 VT不明(9例)、O103 VT1(8例)、O26 VT1・VT2(4例)、O121 VT2(4例)、O26 VT不明(3例)、O55 VT1(3例)、O111 VT1(3例)、O157 VT1(3例)、O145 VT1・VT2(2例)、O91 VT1(1例)、O103 VT 不明(1例)、O121 VT不明(1例)、O128 VT1(1例)、O168 VT2(1例)、その他・不明(11例) 累積報告数:2,019例(有症者1,380例、うちHUS 40例.死亡2例)
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4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:広島県_感染源:猪肉/鹿肉の可能性) A型肝炎1例(感染地域:ケニア) チクングニア熱1例(感染地域:カンボジア)
デング熱11例
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感染地域:カンボジア3例、インドネシア3例、タイ2例、シンガポール1例、フィリピン1例、香港/ベトナム1例
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日本紅斑熱1例〔感染地域:国内(都道府県不明)〕 マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症31例(肺炎型29例、無症状病原体保有者2例)
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感染地域:福島県3例、千葉県3例、宮城県2例、富山県2例、静岡県2例、三重県2例、広島県2例、岩手県1例、秋田県1例、茨城県1例、群馬県1例、埼玉県1例、新潟県1例、山梨県1例、長野県1例、岐阜県1例、愛知県1例、兵庫県1例、山口県1例、国内(都道府県不明)3例 年齢群:30代(1例)、40代(3例)、50代(3例)、60代(11例)、70代(9例)、80代(2例)、90代(1例)、100代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢14例(腸管アメーバ症12例、腸管外アメーバ症2例) |
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感染地域:福島県4例、大阪府2例、山形県1例、静岡県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)3例、インドネシア1例、タイ1例 感染経路:性的接触9例(異性間7例、異性間・同性間不明2例)、経口感染2例、不明3例
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ウイルス性肝炎2例 |
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B型1例_感染経路:性的接触(異性間・同性間不明) サイトメガロウイルス1例_感染経路:不明
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急性脳炎1例(ヒトヘルペスウイルス6型_年齢群:0歳)
クロイツフェルト・ヤコブ病2例 |
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孤発性プリオン病古典型1例 遺伝性プリオン病家族性1例
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後天性免疫不全症候群15例(AIDS 4例、無症候9例、その他2例) |
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感染地域:国内14例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触14例(異性間2例、同性間12例)、不明1例
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ジアルジア症1例〔感染地域:国内(都道府県不明)〕
侵襲性インフルエンザ菌感染症2例(うち肺炎のみ1例_菌検出検体:血液2例) |
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年齢群:1歳(1例)、60代(1例)
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侵襲性肺炎球菌感染症9例(うち髄膜炎のみ2例、肺炎のみ3例_菌検出検体:血液7例、血液・髄液1例、髄液1例) |
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年齢群:0歳(1例)、50代(1例)、60代(2例)、70代(1例)、80代(4例.うち1例死亡)
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梅毒25例(早期顕症I期5例、早期顕症II期12例、無症候8例) 破傷風2例〔年齢群:70代(1例)、80代(1例)〕
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例
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遺伝子型:VanA _菌検出検体:血液
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風しん61例(検査診断例44例、臨床診断例17例)
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感染地域:東京都15例、大阪府9例、埼玉県4例、神奈川県3例、愛知県3例、京都府3例、滋賀県2例、兵庫県2例、山口県2例、北海道1例、茨城県1例、千葉県1例、富山県1例、静岡県1例、広島県1例、高知県1例、福岡県1例、佐賀県1例、国内(都道府県不明)9例 年齢群:0歳(1例)、2歳(2例)、4歳(1例)、10~14歳(1例)、15~19歳(3例)、20~24歳(6例)、25~29歳(7例)、30~34歳(3例)、35~39歳(10例)、40代(14例)、50代(9例)、60代(3例)、70代(1例) 累積報告数:13,747例(検査診断例9,412例、臨床診断例4,335例)
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麻しん6例〔麻しん(検査診断例1例、臨床診断例2例)、修飾麻しん3例〕
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感染地域:滋賀県1例、大阪府1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)3例 年齢群:20~24歳(1例)、35~39歳(1例)、40代(3例)、60代(1例) 累積報告数:187例〔麻しん(検査診断例67例、臨床診断例62例)、修飾麻しん58例〕
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(補)2012年第33週から2013年第32週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎2例〔感染地域(感染源):静岡県1例(不明)、三重県1例(不明)〕、日本紅斑熱1例(感染地域:宮崎県)、マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ガボン)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:尿)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は第18週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.81)、岐阜県(0.06)、長野県(0.04)である。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,281例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約78%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は大分県(2.31)、宮崎県(2.17)、佐賀県(1.65)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は福井県(1.32)、茨城県(1.11)、鳥取県(1.00)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は大分県(7.44)、島根県(5.96)、徳島県(5.35)である。水痘の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は岩手県(1.08)、福島県(1.04)、秋田県(0.91)である。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は新潟県(14.28)、福島県(10.04)、長野県(9.06)である。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は富山県(0.72)、宮城県(0.17)、新潟県(0.15)である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位2位は佐賀県(0.04)、大阪府(0.03)、福岡県(0.03)、沖縄県(0.03)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は新潟県(5.61)、高知県(5.13)、山形県(4.68)である。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は福井県(1.86)、福島県(0.64)、高知県(0.63)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は福島県(2.71)、富山県(1.80)、宮城県(1.75)である。
〈7月コメント〉 ◆性感染症について(8月12日集計分、28~31ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年7月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は974(産婦人科・産科・婦人科:469、泌尿器科:410、皮膚科:83、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年7月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(7月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.40(男性1.17、女性1.23) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男性では10~14歳の年齢群、女性では5~9歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.79(男性0.32、女性0.47) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では30~34歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また女性では1~4歳、5~9歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.55(男性0.33、女性0.22) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳、40~44歳の2つの年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.90(男性0.71、女性0.19) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について(8月12集計分) (8月12日集計分、32~33ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年7月分の報告を行った基幹定点医療機関数は470であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.57(前月3.29) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の62%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.6であった。
PRSP:定点当たり報告数0.54(前月0.51) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では2012年に次いで少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の40%を占める一方、70歳以上が全体の36%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.7であった。
MDRP:定点当たり報告数0.09(前月0.08) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では2012年に次いで少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の80%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.7であった。
MDRA:定点当たり報告数0.00(前月-) 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は男性が2例であった(図4:PDF参照)。
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