発生動向総覧
〈第37週コメント〉 9月18日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核361例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢3例
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菌種:S. flexneri(B群)1例_感染地域:国内(都道府県不明) S. sonnei(D群)2例_感染地域:インドネシア1例、アルジェリア1例
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腸管出血性大腸菌感染症188例(有症者79例、うちHUS 6例) |
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感染地域:国内186例、ベトナム1例、国内・国外不明1例 国内の多い感染地域:福岡県38例*、東京都21例**、福島県14例***、愛知県13例#、兵庫県10例##、宮城県9例###、大阪府6例、熊本県5例、北海道4例、青森県4例、岩手県4例、埼玉県4例 * 保育園における集団感染例を含む(O26 VT1) ** 保育園における集団感染例を含む(O26 VT2) *** 第36週に報告された保育園における集団感染例を含む(O26 VT1) # 保育園における集団感染例を含む(O26 VT1) ## 第36週に報告されたスポーツの合同練習に関連した集団感染例を含む(O157 VT1・VT2) ### 第36週に報告された保育園における集団感染例を含む(O111 VT1・VT2) 年齢群:0歳(2例)、1歳(26例)、2歳(19例)、3歳(18例)、4歳(10例)、5歳(5例)、6歳(3例)、7歳(5例)、8歳(2例)、9歳(4例)、10代(18例)、20代(20例)、30代(23例)、40代(9例)、50代(12例)、60代(5例)、70代(5例)、80代(2例) 血清型・毒素型:O26 VT1(72例)、O157 VT1・VT2(48例)、O26 VT2(13例)、O157 VT2(11例)、O103 VT1(7例)、O121 VT2(6例)、O111 VT1・VT2(4例)、O157 VT不明(4例)、O157 VT1(3例)、O91 VT1(2例)、O119 VT1(2例)、O165 VT不明(2例)、O26 VT不明(1例)、O91 VT1・VT2(1例)、O103 VT不明(1例)、O119 VT2(1例)、O128 VT1(1例)、O145 VT1(1例)、O145 VT2(1例)、O146 VT2(1例)、その他・不明(6例) 累積報告数:2,950例(有症者1,963例、うちHUS 58例.死亡2例)
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腸チフス2例(感染地域:埼玉県1例、京都府1例) |
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:三重県_感染源:不明)
重症熱性血小板減少症候群1例
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感染地域:愛媛県 年齢群:90代(死亡)
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チクングニア熱1例(感染地域:フィリピン)
デング熱6例
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感染地域:マレーシア1例、タイ/カンボジア1例、フィリピン1例、タヒチ/ニュージーランド1例、インド1例、タイ/ラオス/ベトナム/カンボジア1例
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日本紅斑熱5例(感染地域:兵庫県2例、広島県1例、愛媛県1例、長崎県1例)
マラリア1例〔病型不明(熱帯熱疑い)_感染地域:ウガンダ〕 ライム病1例(感染地域:米国)
レジオネラ症14例(肺炎型14例)
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感染地域:新潟県3例、栃木県1例、長野県1例、静岡県1例、愛知県1例、三重県1例、大阪府1例、兵庫県1例、岡山県1例、大分県1例、国内(都道府県不明)2例 年齢群:50代(1例)、60代(7例)、70代(5例)、80代(1例)
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レプトスピラ症1例〔感染地域:沖縄県_感染源:水系感染(河川の疑い)〕 |
5類感染症: |
アメーバ赤痢19例(腸管アメーバ症17例、腸管外アメーバ症2例) |
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感染地域:青森県1例、宮城県1例、山形県1例、群馬県1例、東京都1例、神奈川県1例、富山県1例、岐阜県1例、静岡県1例、大阪府1例、徳島県1例、福岡県1例、宮崎県1例、国内(都道府県不明)4例、カンボジア1例、フィリピン/ベトナム1例 感染経路:性的接触9例(異性間4例、同性間4例、異性間・同性間不明1例)、経口感染3例、性的接触(異性間・同性間不明)/経口感染1例、不明6例
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ウイルス性肝炎2例 |
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B型2例_感染経路:カミソリ/性的接触(異性間)1例、不明1例
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急性脳炎3例 |
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ヒトヘルペスウイルス6型1例_年齢群:1歳 エンテロウイルス68型1例_年齢群:1歳
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型)
後天性免疫不全症候群21例(AIDS 8例、無症候11例、その他2例) |
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感染地域:国内18例、国内/ブラジル1例、国内・国外不明2例 感染経路:性的接触19例(異性間4例、同性間15例)、性的接触(同性間)/静注薬物使用1例、不明1例
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ジアルジア症2例〔感染地域:京都府1例、大阪府1例〕
侵襲性肺炎球菌感染症5例(うち肺炎のみ1例、髄膜炎のみ1例_菌検出検体:血液3例、血液・髄液2例) |
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年齢群:1歳(1例)、60代(3例)、70代(1例)
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先天性風しん症候群1例 |
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病型:典型例 感染地域:大阪府 累積報告数:14例
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梅毒15例(早期顕症I期2例、早期顕症II期6例、晩期顕症1例、無症候6例) 破傷風4例〔年齢群:50代(1例)、60代(1例)、70代(1例)、80代(1例)〕
風しん37例(検査診断例26例、臨床診断例11例)
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感染地域:東京都9例、大阪府7例、兵庫県3例、埼玉県2例、千葉県2例、北海道1例、神奈川県1例、岐阜県1例、愛知県1例、京都府1例、岡山県1例、福岡県1例、熊本県1例、鹿児島県1例、国内(都道府県不明)5例 年齢群:1歳(2例)、4歳(1例)、5~9歳(1例)、15~19歳(2例)、20~24歳(4例)、25~29歳(5例)、30~34歳(3例)、35~39歳(8例)、40代(10例)、50代(1例) 累積報告数:14,033例(検査診断例9,636例、臨床診断例4,397例)
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麻しん9例〔麻しん(検査診断例5例、臨床診断例4例)
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感染地域:愛知県4例、千葉県2例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)2例 年齢群:0歳(1例)、1歳(1例)、15~19歳(3例)、25~29歳(1例)、35~39歳(3例) 累積報告数:204例〔麻しん(検査診断例85例、臨床診断例60例)、修飾麻しん59例〕
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(補)2012年第37週から2013年第36週までに診断されたものの報告遅れとして、回帰熱1例(感染地域:北海道)、日本紅斑熱1例(感染地域:長崎県)、急性脳炎1例(風しんウイルス_年齢群:10代)、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70代)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.95)、島根県(0.32)、京都府(0.08)である。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は3,469例と3週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は大分県(3.19)、熊本県(2.14)、宮崎県(1.86)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34週以降増加が続いており、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は鳥取県(2.89)、群馬県(1.66)、山口県(1.60)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別の上位3位は大分県(7.50)、熊本県(6.68)、島根県(6.36)である。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は新潟県(1.00)、福岡県(0.83)、宮崎県(0.83)、福井県(0.73)である。手足口病の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は北海道(12.73)、新潟県(10.51)、長野県(8.02)である。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は富山県(0.83)、宮城県(0.14)、岩手県(0.13)である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は佐賀県(0.09)、新潟県(0.07)、沖縄県(0.06)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第31週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は新潟県(3.92)、北海道(3.50)、岩手県(2.83)である。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は福井県(1.41)、福岡県(0.85)、高知県(0.80)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位2位は山形県(1.10)、群馬県(1.00)、岡山県(1.00)、高知県(1.00)である。
〈8月コメント〉 ◆性感染症について(9月13日集計分、23~26ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年8月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は976(産婦人科・産科・婦人科:472、泌尿器科:410、皮膚科:82、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年8月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(8月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.34(男性1.14、女性1.20) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.82(男性0.33、女性0.49) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でかなり多く、女性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では30~34歳の年齢群であった。また男女ともに10~14歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.51(男性0.30、女性0.21) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.88(男性0.72、女性0.16) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について (9月13日集計分、27~28ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年8月分の報告を行った基幹定点医療機関数は472であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.67(前月3.57) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の62%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.7であった。
PRSP:定点当たり報告数0.47(前月0.54) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では2012年に次いで少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の47%を占める一方、70歳以上が全体の29%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.3であった。
MDRP:定点当たり報告数0.07(前月0.09) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の62%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は7.5であった。
MDRA:定点当たり報告数0.00(前月0.00) 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は男性が1例であった(図4:PDF参照)。
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