発生動向総覧
〈第46週コメント〉 11月20日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核381例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢4例
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菌種:S. dysenteriae(A群)1例_感染地域:インド S. flexneri (B群)2例_感染地域:国内(都道府県不明)1例、フィリピン1例 S. sonnei (D群)1例_感染地域:山形県
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腸管出血性大腸菌感染症48例(有症者40例、うちHUS なし) |
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感染地域:国内48例 国内の感染地域:秋田県7例、埼玉県5例、北海道4例、東京都4例、鹿児島県3例、栃木県2例、愛知県2例、島根県2例、長崎県2例、青森県1例、茨城県1例、千葉県1例、新潟県1例、岐阜県1例、静岡県1例、兵庫県1例、岡山県1例、山口県1例、福岡県1例、不明7例 年齢群:1歳(1例)、2歳(4例)、3歳(5例)、4歳(2例)、5歳(1例)、6歳(4例)、7歳(3例)、8歳(2例)、10代(4例)、20代(4例)、30代(3例)、40代(3例)、50代(5例)、60代(5例)、70代(1例)、90代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(19例)、O26 VT1(10例)、O157 VT2(4例)、O103 VT1(3例)、O111 VT1(3例)、O121 VT2(3例)、O91 VT1(2例)、O157 VT不明(2例)、O157 VT1(1例)、その他・不明(1例) 累積報告数:3,696例(有症者2,471例、うちHUS 78例.死亡4例)
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パラチフス1例(感染地域:インドネシア) |
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:千葉県_感染源:不明)
つつが虫病26例 |
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感染地域:静岡県3例、福島県2例、群馬県2例、岐阜県2例、広島県2例、高知県2例、鹿児島県2例、秋田県1例、栃木県1例、神奈川県1例、富山県1例、石川県1例、長野県1例、愛知県1例、佐賀県1例、長崎県1例、宮崎県1例、韓国1例
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デング熱1例(感染地域:タイ/インド) 日本紅斑熱4例〔感染地域:熊本県3例(うち1例死亡)、山口県1例〕
レジオネラ症14例(肺炎型13例、ポンティアック型1例) |
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感染地域:福島県3例、石川県3例、埼玉県1例、神奈川県1例、福井県1例、静岡県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)2例、中国1例 年齢群:50代(2例)、60代(5例)、80代(5例)、90代(2例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢11例(腸管アメーバ症8例、腸管外アメーバ症3例) |
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感染地域:宮城県1例、東京都1例、石川県1例、愛知県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)5例、トルコ/インドネシア1例 感染経路:性的接触5例(異性間2例、同性間3例)、経口感染2例、不明4例
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ウイルス性肝炎1例〔B型_感染経路:性的接触(異性間)〕
急性脳炎2例 |
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ヘルペスウイルス1例_年齢群:70代 病原体不明1例_年齢群:6歳
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クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(年齢群:70代)
後天性免疫不全症候群14例(AIDS 3例、無症候11例) |
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感染地域:国内13例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触13例(異性間4例、同性間9例)、不明1例
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ジアルジア症1例(感染地域:ネパール/中国)
侵襲性インフルエンザ菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
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年齢群:3歳
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侵襲性肺炎球菌感染症18例(菌検出検体:血液18例) |
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年齢群:0歳(1例)、1歳(3例)、2歳(1例)、3歳(1例)、5歳(1例)、20代(1例)、50代(2例)、60代(3例)、80代(4例)、90代(1例)
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梅毒18例(早期顕症I期1例、早期顕症II期8例、無症候9例)
風しん12例(検査診断例10例、臨床診断例2例) |
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感染地域:東京都3例、宮城県1例、千葉県1例、愛知県1例、京都府1例、熊本県1例、国内(都道府県不明)4例 年齢群:1歳(1例)、5~9歳(1例)、10~14歳(1例)、15~19歳(1例)、20~24歳(1例)、25~29歳(2例)、30~34歳(2例)、35~39歳(2例)、50代(1例) 累積報告数:14,269例(検査診断例9,821例、臨床診断例4,448例)
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(補)他にアメーバ赤痢1例、麻しん1例の報告があったが削除予定。また、2012年第46週から2013年第45週までに診断されたものの報告遅れとして、日本紅斑熱3例(感染地域:三重県3例)、レプトスピラ症1例〔感染地域:鹿児島県_感染源:自宅の鼠(推定)〕、急性脳炎2例〔病原体不明2例_年齢群:9歳(1例)、60代(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔6歳(1例)、70代(1例)〕、先天性風しん症候群1例〔典型例_感染地域:国内(都道府県不明)〕などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は第43週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県(1.02)、北海道(0.71)、岐阜県(0.49)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は8例と前週と比較して増加した。都道府県別では8つの県から各1例、年齢別では1~9歳(1例)、10代(2例)、30代(1例)、60代(1例)、80歳以上(3例)であった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は4,033例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約71%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は宮崎県(1.64)、佐賀県(1.39)、広島県(1.37)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は山形県(5.63)、新潟県(2.80)、北海道(2.76)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は宮崎県(17.00)、熊本県(10.72)、福岡県(10.21)である。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は三重県(2.27)、新潟県(1.95)、岩手県(1.90)である。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は鹿児島県(4.44)、佐賀県(3.00)、宮崎県(2.94)である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.15)、福井県(0.09)、福島県(0.07)、高知県(0.07)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第31週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は香川県(0.33)、富山県(0.31)、秋田県(0.23)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は栃木県(1.57)、岩手県(1.42)、青森県(1.33)、宮城県(1.33)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)は減少した。都道府県別では4つの県から各1例、年齢別では0歳(2例)、1~4歳(2例)であった。
〈10月コメント〉 ◆性感染症について(11月11日集計分、26~29ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年10月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は972(産婦人科・産科・婦人科:469、泌尿器科:410、皮膚科:81、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年10月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(10月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.26(男性1.16、女性1.10) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多く、女性でやや少なかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.75(男性0.29、女性0.46) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では40~44歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.52(男性0.31、女性0.21) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.89(男性0.70、女性0.19) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男女ともに10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について (11月11日集計分、30~31ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年10月分の報告を行った基幹定点医療機関数は470であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.54(前月3.46) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の62%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.7であった。
PRSP:定点当たり報告数0.53(前月0.43) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の44%を占める一方、70歳以上が全体の31%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.5であった。
MDRP:定点当たり報告数0.06(前月0.05) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の67%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は2.8であった。
MDRA:定点当たり報告数0.00(前月0.00) 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は女性が1例であった(図4:PDF参照)。
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