発生動向総覧
〈第50週コメント〉 12月18日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核331例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢4例
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菌種:S. flexneri (B群)4例_感染地域:インド1例、パキスタン1例、エチオピア1例、マダガスカル1例
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腸管出血性大腸菌感染症134例(有症者37例、うちHUS 1例) |
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感染地域:国内133例、国内・国外不明1例 国内の感染地域:富山県44例*、長崎県13例、北海道6例、福岡県6例、群馬県4例、熊本県4例、新潟県3例、東京都2例、広島県2例、福井県1例、長野県1例**、兵庫県1例、岡山県1例、佐賀県1例、沖縄県1例、不明43例 * 保育所における集団感染例を含む(O26 VT1) ** 第49週に報告された保育所における集団感染例(O26 VT1) 年齢群:0歳(2例)、1歳(15例)、2歳(10例)、3歳(12例)、4歳(12例)、5歳(13例)、6歳(5例)、8歳(1例)、9歳(4例)、10代(4例)、20代(20例)、30代(19例)、40代(7例)、50代(6例)、60代(4例) 血清型・毒素型:O26 VT1(94例)、O157 VT1・VT2(18例)、O157 VT2(13例)、O157 VT1(2例)、O91 VT1(1例)、O103 VT1(1例)、O128 VT1・VT2(1例)、O128 VT1(1例)、その他・不明(3例) 累積報告数:3,974例(有症者2,589例、うちHUS 84例.死亡4例)
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パラチフス1例(感染地域:バングラデシュ) |
4類感染症: |
E型肝炎1例(感染地域:群馬県_感染源:不明) A型肝炎4例(感染地域:群馬県2例、パキスタン1例、ペルー1例)
重症熱性血小板減少症候群3例
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感染地域:宮崎県2例、愛媛県1例 年齢群:50代(1例.死亡)、60代(1例.死亡)、70代(1例)
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つつが虫病22例
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感染地域:千葉県4例、熊本県3例、鹿児島県3例、栃木県2例、福島県1例、東京都1例、岐阜県1例、静岡県1例、三重県1例、和歌山県1例、鳥取県1例、広島県1例、佐賀県1例、宮崎県1例
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デング熱3例
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感染地域:ジブチ1例、インドネシア1例、ベトナム/カンボジア/タイ/マレーシア/シンガポール1例
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マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症14例(肺炎型14例)
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感染地域:愛知県2例、兵庫県2例、青森県1例、千葉県1例、東京都1例、新潟県1例、富山県1例、三重県1例、徳島県1例、福岡県1例、佐賀県1例、国内(都道府県不明)/中国1例 年齢群:40代(1例)、50代(2例)、60代(5例)、70代(1例)、80代(4例)、90代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢13例(腸管アメーバ症13例) |
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感染地域:長野県2例、岩手県1例、東京都1例、大阪府1例、広島県1例、愛媛県1例、長崎県1例、鹿児島県1例、国内(都道府県不明)4例 感染経路:性的接触7例(異性間4例、同性間3例)、経口感染1例、不明5例
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ウイルス性肝炎2例(B型2例_感染経路:不明2例)
急性脳炎3例 |
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ヒトヘルペスウイルス6型1例_年齢群:1歳 病原体不明2例_年齢群:0歳(2例)
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クリプトスポリジウム症1例(感染地域:大阪府) クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型5例) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔年齢群:50代(1例)、80代(1例)〕
後天性免疫不全症候群23例(AIDS 6例、無症候17例) |
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感染地域:国内19例、中国1例、国内・国外不明3例 感染経路:性的接触19例(異性間1例、同性間17例、異性/同性間1例)、不明4例
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侵襲性インフルエンザ菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
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年齢群:70代
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侵襲性髄膜炎菌感染症2例(菌検出検体:血液1例、髄液1例) |
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感染地域:東京都1例、新潟県1例 年齢群:30代(1例)、50代(1例)
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侵襲性肺炎球菌感染症19例(菌検出検体:血液16例、血液・髄液3例) |
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年齢群:2歳(2例)、3歳(2例)、4歳(1例)、30代(1例)、40代(1例)、50代(2例)、60代(1例)、70代(7例.うち1例死亡)、80代(2例)
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梅毒14例(早期顕症I期5例、早期顕症II期5例、無症候4例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例
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遺伝子型:不明_菌検出検体:血液
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風しん15例(検査診断例10例、臨床診断例5例)
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感染地域:大阪府4例、東京都3例、茨城県1例、埼玉県1例、岐阜県1例、兵庫県1例、高知県1例、宮崎県1例、国内(都道府県不明)2例 年齢群:1歳(2例)、4歳(1例)、20~24歳(3例)、30~34歳(3例)、35~39歳(4例)、40代(2例) 累積報告数:14,323例(検査診断例9,859例、臨床診断例4,464例)
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(補)他に麻しん2例の報告があったが削除予定。また、2012年第50週から2013年第49週までに診断されたものの報告遅れとして、腸チフス1例(感染地域:インドネシア)、パラチフス1例(感染地域:インド)、E型肝炎1例(感染地域:韓国_感染源:不明)、重症熱性血小板減少症候群1例(感染地域:長崎県_年齢群:70代)、急性脳炎8例〔エコーウイルス18型1例_年齢群:1歳.インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:7歳.病原体不明6例_年齢群:3歳(1例)、6歳(1例)、9歳(1例)、20代(1例)、70代(1例)、80代(1例)〕、先天性風しん症候群1例(典型例_感染地域:東京都)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は第43週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は山口県(4.24)、鹿児島県(3.01)、高知県(2.44)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は42例と前週と比較して増加した。都道府県別では23都道府県から報告があり、年齢別では0歳(2例)、1~9歳(11例)、10代(1例)、20代(1例)、30代(1例)、40代(3例)、50代(2例)、60代(2例)、70代(9例)、80歳以上(10例)であった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は報告数は4,385例と横ばいであった。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約71%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いており、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は宮崎県(2.11)、鹿児島県(2.07)、島根県(2.04)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は山形県(6.27)、新潟県(4.56)、北海道(4.47)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は埼玉県(30.77)、群馬県(28.38)、東京都(26.48)である。水痘の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は福井県(3.86)、新潟県(3.74)、佐賀県(3.52)である。手足口病の定点当たり報告数は第45週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は宮崎県(3.44)、鹿児島県(2.78)、佐賀県(2.22)である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位2位は沖縄県(0.06)、滋賀県(0.03)、広島県(0.03)、福岡県(0.03)、宮崎県(0.03)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第31週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は富山県(0.17)、滋賀県(0.13)、香川県(0.13)、沖縄県(0.12)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は富山県(1.60)、宮城県(1.42)、岩手県(1.16)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)は増加した。都道府県別では14都府県から19例報告があり、年齢別では0歳(5例)、1~4歳(9例)、5~9歳(4例)、10代(1例)であった。
〈11月コメント〉
◆性感染症について(12月13日集計分、29~32ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年11月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は972(産婦人科・産科・婦人科:467、泌尿器科:410、皮膚科:83、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年11月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(11月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.13(男性1.00、女性1.13) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男性では10~14歳の年齢群、女性では5~9歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.72(男性0.28、女性0.44) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.47(男性0.28、女性0.19) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.82(男性0.65、女性0.17) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男性では10~14歳の年齢群、女性では5~9歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について
(12月13日集計分、33~34ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年11月分の報告を行った基幹定点医療機関数は472であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.28(前月3.54) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の64%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.8であった。
PRSP:定点当たり報告数0.55(前月0.53) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の47%を占める一方、70歳以上が全体の30%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.4であった。
MDRP:定点当たり報告数0.06(前月0.06) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では2008年に次いで少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の47%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は2.3であった。
MDRA:定点当たり報告数0.01(前月0.00) 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は男性が2例、女性が2例であった(図4:PDF参照)。
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