発生動向総覧
〈第3週コメント〉 1月22日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核263例 |
3類感染症: |
腸管出血性大腸菌感染症11例(有症者7例、うちHUS 2例) |
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感染地域:国内11例 国内の感染地域:福岡県2例、北海道1例、山形県1例、福島県1例、埼玉県1例、大阪府1例、兵庫県1例、不明3例 年齢群:1歳(1例)、6歳(1例)、9歳(1例)、10代(4例)、30代(1例)、50代(2例)、60代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(5例)、O26 VT1(2例)、O91 VT1・VT2(1例)、O91 VT1(1例)、その他・不明(2例) 累積報告数:20例(有症者15例、うちHUS 2例.死亡なし)
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腸チフス2例〔感染地域:ミャンマー1例、国外(国不明)1例〕 |
4類感染症: |
A型肝炎4例(感染地域:埼玉県1例、千葉県1例、大阪府1例、モロッコ1例) つつが虫病2例(感染地域:千葉県1例、鹿児島県1例) デング熱2例(感染地域:マレーシア2例) マラリア2例(熱帯熱2例_感染地域:アンゴラ1例、ガーナ1例)
レジオネラ症14例(肺炎型12例、ポンティアック型2例)
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感染地域:神奈川県3例、埼玉県2例、富山県2例、青森県1例、静岡県1例、奈良県1例、島根県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)2例 年齢群:40代(2例)、50代(2例)、60代(1例)、70代(4例)、80代(5例)
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レプトスピラ症1例(感染地域:群馬県_感染源:ネズミ) |
5類感染症: |
アメーバ赤痢13例(腸管アメーバ症9例、腸管及び腸管外アメーバ症4例) |
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感染地域:宮崎県2例、青森県1例、宮城県1例、東京都1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)5例、岐阜県/フランス1例、ベトナム1例 感染経路:性的接触4例(異性間2例、異性間・同性間不明2例)、経口感染4例、経口感染/性的接触2例(異性間2例)、不明3例
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ウイルス性肝炎3例〔B型3例_感染経路:性的接触3例(異性間・同性間不明3例)〕
急性脳炎6例 |
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インフルエンザウイルスA型6例_年齢群:1歳(2例)、5歳(1例)、8歳(1例)、20代(1例)、80代(1例)
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クリプトスポリジウム症1例(感染地域:東京都) クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性プリオン病古典型) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例〔年齢群:60代(2例)、80代(2例.うち1例死亡)〕
後天性免疫不全症候群15例(AIDS 5例、無症候9例、その他1例) |
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感染地域:国内10例、不明5例 感染経路:性的接触12例(異性間2例、同性間10例)、不明3例
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侵襲性インフルエンザ菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
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年齢群:10代
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侵襲性髄膜炎菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
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感染地域:神奈川県 年齢群:40代
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侵襲性肺炎球菌感染症27例(菌検出検体:血液23例、血液・髄液1例、髄液3例) |
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年齢群:30代(2例)、50代(2例)、60代(7例.うち1例死亡)、70代(6例)、80代(6例.うち3例死亡)、90代以上(4例)
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梅毒19例(早期顕症I期4例、早期顕症II期7例、無症候8例) 破傷風1例(年齢群:50代) バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例(遺伝子型:不明_菌検出検体:便)
風しん3例(検査診断例2例、臨床診断例1例)
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感染地域:埼玉県1例、東京都1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:1歳(1例)、40代(2例) 累積報告数:17例(検査診断例12例、臨床診断例5例)
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麻しん5例〔麻しん(検査診断例3例、臨床診断例2例)〕
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感染地域:京都府2例、愛知県1例、岡山県1例、フィリピン1例 年齢群:5~9歳(1例)、10~14歳(1例)、25~29歳(2例)、30~34歳(1例) 累積報告数:25例〔麻しん(検査診断例16例、臨床診断例9例)〕
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(補)2013年第3週から2014年第2週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢2例〔菌種:S. sonnei (D群)2例_感染地域:インド1例、フィリピン1例〕、E型肝炎1例(感染地域:北海道_感染源:豚肉)、マラリア1例(熱帯熱_感染地域:南スーダン)、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスA型1例_年齢群:2歳.インフルエンザウイルス型不明1例_年齢群:20代.病原体不明4例_年齢群:1歳(1例)、2歳(1例)、4歳(1例)、15歳(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例〔60代(1例)、70代(3例.うち2例死亡)、90代(1例.死亡)〕、先天性風しん症候群1例(典型例_感染地域:東京都)などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は第43週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県(36.74)、宮崎県(19.58)、岐阜県(19.13)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は515例と前週と比較して増加した。都道府県別では45都道府県から報告があり、年齢別では0歳(51例)、1~9歳(162例)、10代(19例)、20代(9例)、30代(11例)、40代(17例)、50代(30例)、60代(48例)、70代(76例)、80歳以上(92例)であった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,987例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約77%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は島根県(1.35)、鳥取県(1.00)、新潟県(0.89)、宮崎県(0.89)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は新潟県(4.02)、山形県(3.77)、福岡県(3.00)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は大分県(21.97)、山形県(15.47)、高知県(15.43)である。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は福岡県(2.04)、宮崎県(1.78)、高知県(1.77)である。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は熊本県(0.74)、滋賀県(0.50)、鹿児島県(0.49)である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位2位は長崎県(0.23)、山形県(0.03)、大阪府(0.03)、福岡県(0.03)、沖縄県(0.03)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.21)、熊本県(0.12)、佐賀県(0.09)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は富山県(1.00)、岐阜県(0.80)、青森県(0.67)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)は3週連続で増加した。都道府県別では23都道府県から41例報告があり、年齢別では0歳(13例)、1~4歳(21例)、5~9歳(5例)、40代(1例)、70歳以上(1例)であった。
〈12月コメント〉
◆性感染症について(1月10日集計分、26~29ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2013年12月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は973(産婦人科・産科・婦人科:468、泌尿器科:410、皮膚科:83、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2013年12月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(12月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数1.95(男性0.98、女性0.97) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でやや少なかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.74(男性0.28、女性0.47) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では30~34歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.46(男性0.26、女性0.20) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では35~39歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.75(男性0.61、女性0.14) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でやや少なかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について (1月10日集計分、30~31ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2013年12月分の報告を行った基幹定点医療機関数は470であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.29(前月3.28) 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めていた(図1:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.7であった。
PRSP:定点当たり報告数0.57(前月0.55) 定点当たり報告数は、2011年までは春から初夏と冬に多く推移していたが、2012年は年間を通じて報告数が少なく、季節性変動が明確でなかった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の35%を占める一方、70歳以上が全体の35%を占めていた(図2:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.3であった。
MDRP:定点当たり報告数0.04(前月0.06) 定点当たり報告数は、例年後半が前半に比して多い傾向があったが、2012年は年間を通じてほぼ一定であった。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の78%を占めていた(図3:PDF参照)。男女比(男性/女性)は1.6であった。
MDRA:定点当たり報告数0.03(前月0.01) MDRAについては13例の報告があったが、内12例については削除予定。よって、今月の報告は1例であった。
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