発生動向総覧
〈第7週コメント〉 2月19日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核292例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢3例
|
|
菌種:S. flexneri (B群)3例_感染地域:フィリピン3例
|
腸管出血性大腸菌感染症6例(有症者2例、うちHUS なし) |
|
感染地域:国内6例 国内の感染地域:東京都1例、石川県1例、京都府1例、大阪府1例、島根県1例、不明1例 年齢群:6歳(1例)、20代(2例)、30代(1例)、40代(2例) 血清型・毒素型:O26 VT1(2例)、O157 VT1・VT2(2例)、O91 VT1(1例)、O157 VT2(1例) 累積報告数:47例(有症者31例、うちHUS 3例.死亡なし)
|
腸チフス1例(感染地域:インド) |
4類感染症: |
E型肝炎3例〔感染地域(感染源):長野県1例(鹿肉/猪肉)、岐阜県1例(豚肉)、モロッコ1例(不明)〕 A型肝炎7例(感染地域:宮城県4例、大阪府1例、和歌山県1例、宮崎県1例) つつが虫病2例(感染地域:宮崎県1例、鹿児島県1例) デング熱4例(感染地域:インドネシア3例、インドネシア/シンガポール1例) ブルセラ症1例(感染地域:宮城県_感染源:不明) マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症18例(肺炎型17例、ポンティアック型1例)
|
|
感染地域:新潟県2例、福岡県2例、山形県1例、千葉県1例、石川県1例、長野県1例、岐阜県1例、三重県1例、大阪府1例、兵庫県1例、奈良県1例、国内(都道府県不明)3例、山梨県/トルコ1例、トルコ1例 年齢群:40代(1例)、50代(1例)、60代(4例.うち1例死亡)、70代(4例)、80代(6例)、90代(2例)
|
|
5類感染症: |
アメーバ赤痢10例(腸管アメーバ症6例、腸管外アメーバ症4例) |
|
感染地域:山形県1例、埼玉県1例、東京都1例、愛知県1例、大阪府1例、国内(都道府県不明)1例、タイ1例、フィリピン1例、カンボジア1例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触5例(異性間4例、同性間1例)、経口感染1例、不明4例
|
ウイルス性肝炎1例〔B型_感染経路:性的接触(同性間)〕
急性脳炎12例 |
|
インフルエンザウイルスA型5例_年齢群:1歳(1例)、5歳(1例.死亡)、8歳(2例)、50代(1例) インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:60代(死亡) インフルエンザウイルス型不明1例_年齢群:3歳 病原体不明5例_年齢群:1歳(1例)、3歳(1例)、6歳(1例)、10代(2例)
|
クロイツフェルト・ヤコブ病2例(孤発性プリオン病古典型2例)
後天性免疫不全症候群15例(AIDS 1例、無症候14例) |
|
感染地域:国内14例、国内・国外不明1例 感染経路:性的接触14例(異性間3例、同性間10例、異性/同性間1例)、不明1例
|
ジアルジア症2例(感染地域:東京都1例、大阪府1例)
侵襲性髄膜炎菌感染症1例(菌検出検体:血液) |
|
感染地域:福岡県 年齢群:60代
|
侵襲性肺炎球菌感染症16例(菌検出検体:血液10例、血液・髄液4例、髄液1例、不明1例) |
|
年齢群:1歳(4例)、20代(1例)、50代(1例)、60代(6例)、70代(2例)、80代(2例)
|
先天性風しん症候群1例 |
|
病型:典型例 感染地域:大阪府 累積報告数:6例
|
梅毒11例(早期顕症II期4例、晩期顕症1例、無症候6例) 破傷風1例(年齢群:60代)
風しん6例(検査診断例6例)
|
|
感染地域:茨城県1例、東京都1例、神奈川県1例、大阪府1例、岡山県1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:30~34歳(1例)、35~39歳(2例)、40代(3例) 累積報告数:60例(検査診断例43例、臨床診断例17例)
|
麻しん16例〔麻しん(検査診断例11例、臨床診断例2例)、修飾麻しん3例〕
|
|
感染地域:埼玉県4例、千葉県3例、東京都1例、神奈川県1例、広島県1例、国内(都道府県不明)4例、フィリピン2例 年齢群:0歳(4例)、5~9歳(2例)、10~14歳(1例)、20~24歳(3例)、25~29歳(3例)、30~34歳(1例)、35~39歳(1例)、40代(1例) 累積報告数:103例〔麻しん(検査診断例83例、臨床診断例12例)、修飾麻しん8例〕
|
(補)2013年第7週から2014年第6週までに診断されたものの報告遅れとして、ブルセラ症1例〔感染地域(感染源):福岡県(飼育実験動物の可能性)〕、急性脳炎9例〔インフルエンザウイルスA(H3N2)1例_年齢群:80代.インフルエンザウイルスA型4例_年齢群:5歳(2例)、10代(1例)、60代(1例).インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:7歳.病原体不明3例_年齢群:1歳(1例)、10代(1例)、30代(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(10代)などの報告があった。
|
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は大分県(50.21)、北海道(42.60)、福岡県(40.30)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は793例と前週と比較して減少した。都道府県別では47都道府県から報告があり、年齢別では0歳(61例)、1~9歳(298例)、10代(47例)、20代(11例)、30代(13例)、40代(16例)、50代(30例)、60代(73例)、70代(112例)、80歳以上(132例)であった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,273例と3週連続で減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約76%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は島根県(1.70)、福井県(1.32)、宮崎県(1.31)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は新潟県(4.25)、山形県(4.07)、鹿児島県(4.04)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は宮崎県(12.94)、大分県(12.72)、鹿児島県(12.45)である。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県(3.00)、石川県(2.86)、鹿児島県(1.78)である。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は宮崎県(1.03)、熊本県(0.82)、福岡県(0.43)である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は沖縄県(0.12)、長崎県(0.07)、島根県(0.04)、佐賀県(0.04)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は熊本県(0.14)、佐賀県(0.13)、福島県(0.09)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は宮城県(0.92)、埼玉県(0.60)、栃木県(0.57)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では26都道府県から70例報告があり、年齢別では0歳(11例)、1~4歳(50例)、5~9歳(5例)、20代(1例)、30代(2例)、40代(1例)であった。
〈1月コメント〉 ◆性感染症について(2月12日集計分、29~32ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2014年1月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は973(産婦人科・産科・婦人科:469、泌尿器科:408、皮膚科:84、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2014年1月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
|
|
図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(1月) |

性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.08(男性1.01、女性1.07) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では25~29歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男女ともに10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.71(男性0.29、女性0.42) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では30~34歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また、女性では1~4歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.48(男性0.26、女性0.22) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、女性でかなり多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では35~39歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.86(男性0.70、女性0.17) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男女ともに大きな変化は認められなかった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、男女ともに10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移
感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について (2月12日集計分、33~34ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2014年1月分の報告を行った基幹定点医療機関数は469であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.45 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の66%を占めていた(図1:PDF参照)。
PRSP:定点当たり報告数0.39 定点当たり報告数は、2012年以降、以前の冬から初夏に多い傾向は認められていない。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の33%を占める一方、70歳以上が全体の45%を占めていた(図2:PDF参照)。
MDRP:定点当たり報告数0.04 定点当たり報告数は、例年夏から秋にかけて多い。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めていた(図3:PDF参照)。
MDRA:定点当たり報告数- 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は無かった(図4:PDF参照)。
|