IDWR 2014年第22号＜発生動向総覧＞2014年第22週（2014年5月26日～6月1日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第22週コメント〉　6月4日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核441例

3類感染症：

細菌性赤痢1例
	菌種：S. sonnei （D群）＿感染地域：インドネシア

腸管出血性大腸菌感染症32例（有症者19例、うちHUS なし）

感染地域：国内31例、韓国1例
国内の感染地域：群馬県4例、千葉県3例、東京都2例、静岡県2例、愛知県2例、兵庫県2例、鹿児島県2例、埼玉県1例、新潟県1例、三重県1例、広島県1例、長崎県1例、熊本県1例、不明8例
年齢群：1歳（2例）、2歳（2例）、3歳（1例）、6歳（1例）、8歳（1例）、10代（4例）、20代（8例）、30代（1例）、40代（2例）、50代（4例）、60代（4例）、70代（2例）
血清型・毒素型：O26 VT1（11例）、O157 VT1・VT2（4例）、O157 VT2（4例）、O103 VT1（1例）、O103 VT不明（1例）、O111 VT1・VT2（1例）、O111 VT1（1例）、O121 VT（21例）、O145 VT（21例）、148 VT（11例）、O157 VT1（1例）、その他・不明（5例）
累積報告数：433例（有症者304例、うちHUS 14例．死亡1例）

腸チフス2例〔感染地域：国内（都道府県不明）1例、ネパール1例〕

4類感染症：

E型肝炎1例
	感染地域：国内（都道府県不明）＿感染源：不明

A型肝炎1例（感染地域：福岡県）

重症熱性血小板減少症候群2例
	感染地域：広島県1例、愛媛県1例年齢群：60代（2例）

つつが虫病7例
	感染地域：秋田県2例、山形県1例、栃木県1例、群馬県1例、新潟県1例、長野県1例

デング熱3例（感染地域：マレーシア2例、インドネシア1例）
日本紅斑熱5例（感染地域：熊本県2例、大阪府1例、和歌山県1例、島根県1例）

レジオネラ症20例（肺炎型18例、ポンティアック型2例）

感染地域：埼玉県3例、群馬県2例、千葉県1例、神奈川県1例、新潟県1例、富山県1例、石川県1例、長野県1例、岐阜県1例、愛知県1例、三重県1例、京都府1例、広島県1例、鹿児島県1例、沖縄県1例、国内（都道府県不明）2例
年齢群：30代（2例）、40代（1例）、50代（2例）、60代（6例）、70代（4例）、80代（3例）、90代（2例）

5類感染症：

アメーバ赤痢15例（腸管アメーバ症14例、腸管外アメーバ症1例）
	感染地域：長野県2例、福岡県2例、神奈川県1例、静岡県1例、愛知県1例、大阪府1例、国内（都道府県不明）5例、国内（都道府県不明）/フィリピン1例、ベトナム1例感染経路：性的接触8例（異性間2例、同性間4例、異性間・同性間不明2例）、経口感染1例、不明6例

急性脳炎4例
	インフルエンザウイルスB型1例＿年齢群：9歳アデノウイルス1例＿年齢群：1歳病原体不明2例＿年齢群：1歳（1例）、10代（1例）

劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例
	年齢群：20代（1例）、60代（3例）、80代（1例）

後天性免疫不全症候群18例（AIDS 5例、無症候11例、その他2例）
	感染地域：国内14例、ブラジル1例、タイ/フィリピン1例、国内・国外不明2例感染経路：性的接触17例（異性間4例、同性間13例）、不明1例

ジアルジア症2例
	感染地域：群馬県1例、兵庫県1例

侵襲性インフルエンザ菌感染症3例（菌検出検体：血液3例）
	年齢群：1歳（1例）、40代（1例）、70代（1例）

侵襲性肺炎球菌感染症28例（菌検出検体：血液22例、血液・髄液5例、髄液1例）
	年齢群：1歳（5例）、2歳（1例）、3歳（2例）、7歳（1例）、40代（3例）、50代（2例．うち1例死亡）、60代（9例．うち1例死亡）、70代（2例）、80代（2例）、90代（1例）

梅毒21例（早期顕症I期4例、早期顕症II期7例、晩期顕症2例、無症候8例）
破傷風2例〔年齢群：70代（2例）〕

バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例
	遺伝子型：不明2例＿菌検出検体：血液1例、ドレーン排液1例

風しん4例（検査診断例2例、臨床診断例2例）
	感染地域：神奈川県2例、大阪府1例、国内（都道府県不明）1例年齢群：5～9歳（1例）、30～34歳（1例）、40代（1例）、50代（1例）累積報告数：207例（検査診断例134例、臨床診断例73例）

麻しん5例〔麻しん（検査診断例2例、臨床診断例3例）〕
	感染地域：東京都1例、神奈川県1例、国内（都道府県不明）1例、フィリピン1例、国内・国外不明1例年齢群：1歳（1例）、15～19歳（2例）、30～34歳（2例）累積報告数：352例〔麻しん（検査診断例263例、臨床診断例47例）、修飾麻しん42例〕

（補）他に細菌性赤痢1例の報告があったが削除予定。また、2013年第22週から2014年第21週までに診断されたものの報告遅れとして、急性脳炎7例〔アデノウイルス疑い1例＿年齢群：2歳．病原体不明6例＿年齢群：3歳（1例）、4歳（1例）、8歳（1例）、10代（2例）、80代（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例（60代）、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例（遺伝子型：VanC ＿菌検出検体：胆汁）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
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インフルエンザ：定点当たり報告数は第17週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県（6.97）、山形県（1.69）、岩手県（1.66）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は25例と前週と比較して減少し、13都県から報告があった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は273例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約70%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は福井県（2.23）、石川県（1.90）、富山県（1.72）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は山形県（5.13）、鳥取県（5.05）、新潟県（5.00）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は福井県（15.91）、愛媛県（15.35）、長野県（12.93）である。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は新潟県（2.84）、大分県（2.53）、富山県（2.41）である。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別の上位3位は宮崎県（3.47）、大分県（2.86）、熊本県（2.06）である。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は鳥取県（0.21）、愛媛県（0.14）、徳島県（0.09）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は熊本県（3.28）、山口県（1.46）、大分県（1.44）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は青森県（1.67）、富山県（1.40）、宮城県（1.00）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は2週連続で減少した。41都道府県から224例報告があり、年齢別では0歳（35例）、1～4歳（154例）、5～9歳（31例）、10代（1例）、20代（1例）、30代（1例）、60代（1例）であった。