発生動向総覧
〈第24週コメント〉 6月18日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
注意:感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: |
報告なし |
2類感染症: |
結核413例 |
3類感染症: |
細菌性赤痢2例
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菌種:S. flexneri (B群)1例_感染地域:インド S. sonnei (D群)1例_感染地域:トルクメニスタン/ウズベキスタン
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腸管出血性大腸菌感染症70例(有症者53例、うちHUS 2例) |
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感染地域:国内70例 国内の感染地域:京都府8例、東京都7例、神奈川県7例、宮城県5例、埼玉県5例、愛知県5例、鹿児島県4例、栃木県2例、広島県2例、福岡県2例、佐賀県2例、福島県1例、群馬県1例、千葉県1例、新潟県1例、石川県1例、岐阜県1例、静岡県1例、兵庫県1例、山口県1例、不明12例 年齢群:0歳(2例)、1歳(1例)、2歳(3例)、3歳(6例)、4歳(2例)、5歳(4例)、7歳(1例)、8歳(3例)、9歳(4例)、10代(14例)、20代(9例)、30代(3例)、40代(4例)、50代(3例)、60代(5例)、70代(3例)、80代(2例)、90代(1例) 血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(26例)、O26 VT1(9例)、O111VT1・VT2(9例)、O157 VT2(7例)、O103 VT1(5例)、O157 VT不明(4例)、O121 VT2(3例)、O145 VT2(2例)、O55 VT1(1例)、O145 VT1・VT2(1例)、O157 VT1(1例)、その他・不明(2例) 累積報告数:558例(有症者395例、うちHUS 18例.死亡1例)
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腸チフス1例(感染地域:インド) |
4類感染症: |
E型肝炎1例
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感染地域:青森県_感染源:肉(詳細不明)
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A型肝炎8例
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感染地域:千葉県1例、神奈川県1例、香川県1例、九州/沖縄1例、国内(都道府県不明)1例、東京都/フィリピン1例、タンザニア1例、ペルー1例
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重症熱性血小板減少症候群2例
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感染地域:徳島県1例、鹿児島県1例 年齢群:70代(1例)、80代(1例.死亡)
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つつが虫病8例
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感染地域:青森県3例、秋田県2例、福島県2例、長野県1例
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デング熱1例(感染地域:インドネシア) 日本紅斑熱4例(感染地域:広島県1例、徳島県1例、熊本県1例、宮崎県1例) ブルセラ症1例(感染地域:福岡県_感染源:飼育犬の疑い) マラリア1例(熱帯熱_感染地域:ナイジェリア)
レジオネラ症19例(肺炎型19例)
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感染地域:栃木県2例、和歌山県2例、山形県1例、茨城県1例、埼玉県1例、東京都1例、石川県1例、岐阜県1例、静岡県1例、京都府1例、大分県1例、国内(都道府県不明)6例 年齢群:50代(4例)、60代(4例)、70代(6例)、80代(4例)、90代(1例)
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5類感染症: |
アメーバ赤痢19例(腸管アメーバ症17例、腸管外アメーバ症2例) |
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感染地域:福島県2例、兵庫県2例、千葉県1例、新潟県1例、石川県1例、愛知県1例、大阪府1例、山口県1例、福岡県1例、国内(都道府県不明)4例、タイ1例、中国1例、米国1例、ベトナム1例 感染経路:性的接触4例(異性間3例、同性間1例)、経口感染6例、不明9例
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ウイルス性肝炎2例 |
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B型2例_感染経路:性的接触1例(異性間・同性間不明)、不明1例
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急性脳炎4例 |
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アデノウイルス1例_年齢群:3歳 病原体不明3例_年齢群:0歳(1例)、1歳(1例)、3歳(1例)
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クロイツフェルト・ヤコブ病3例 |
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孤発性プリオン病古典型2例 遺伝性プリオン病家族性1例
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例 |
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年齢群:6歳(1例)、30代(2例)、80代(2例)
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後天性免疫不全症候群18例(AIDS 4例、無症候12例、その他2例) |
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感染地域:国内16例、国内・国外不明2例 感染経路:性的接触16例(異性間3例、同性間11例、異性/同性間1例、異性間・同性間不明1例)、不明2例
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ジアルジア症2例〔感染地域:国内(都道府県不明)1例、インド1例〕
侵襲性インフルエンザ菌感染症2例(菌検出検体:血液1例、髄液1例) |
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年齢群:60代(1例)、70代(1例)
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侵襲性髄膜炎菌感染症1例(菌検出検体:髄液) |
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感染地域:神奈川県 年齢群:10代
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侵襲性肺炎球菌感染症23例(菌検出検体:血液18例、血液・髄液5例) |
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年齢群:0歳(2例)、1歳(2例)、6歳(1例)、30代(2例)、40代(1例)、50代(2例)、60代(5例.うち2例死亡)、70代(2例)、80代(5例.うち1例死亡)、90代(1例)
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梅毒28例(早期顕症I期8例、早期顕症II期9例、晩期顕症1例、無症候10例) 破傷風2例〔年齢群:30代(1例)、70代(1例)〕
風しん9例(検査診断例3例、臨床診断例6例)
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感染地域:福島県2例、北海道1例、東京都1例、愛知県1例、三重県1例、兵庫県1例、国内(都道府県不明)2例 年齢群:0歳(1例)、1歳(3例)、5~9歳(2例)、25~29歳(2例)、35~39歳(1例) 累積報告数:220例(検査診断例140例、臨床診断例80例)
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麻しん7例〔麻しん(検査診断例3例、臨床診断例2例)、修飾麻しん2例〕
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感染地域:東京都4例、岐阜県1例、静岡県1例、国内(都道府県不明)1例 年齢群:1歳(1例)、10~14歳(2例)、15~19歳(2例)、30~34歳(1例)、35~39歳(1例) 累積報告数:375例〔麻しん(検査診断例277例、臨床診断例50例)、修飾麻しん48例〕
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(補)他に侵襲性髄膜炎菌感染症1例の報告があったが削除予定。また、2013年第24週から2014年第23週までに診断されたものの報告遅れとして、細菌性赤痢1例〔菌種:S. flexneri(B群)_感染地域:インドネシア〕、E型肝炎1例(感染地域:山梨県_感染源:猪肉)、エキノコックス症1例(多包条虫_感染地域:北海道)、重症熱性血小板減少症候群2例〔感染地域:広島県1例、高知県1例_年齢群:60代(1例)、70代(1例)〕、日本紅斑熱2例(感染地域:広島県1例、鹿児島県1例)、ライム病1例(感染地域:北海道)、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスA型1例_年齢群:40代.ヒトパレコウイルス3型1例_年齢群:0歳.レオウイルス2型1例_年齢群:10代.ヒトヘルペスウイルス6型1例_年齢群:0歳.病原体不明2例_年齢群:0歳(1例)、10代(1例)〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔40代(1例)、60代(1例)、70代(1例)〕などの報告があった。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

インフルエンザ:定点当たり報告数は第17週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は沖縄県(5.67)、鹿児島県(0.57)、山形県(0.44)である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は14例と前週と同値であり、9県から報告があった。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は221例と2週連続で減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約78%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は富山県(1.76)、福井県(1.45)、石川県(1.38)である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は福岡県(4.09)、新潟県(3.84)、鳥取県(3.74)である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は島根県(9.61)、大分県(9.53)、愛媛県(9.51)である。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は長野県(2.64)、新潟県(2.43)、鹿児島県(2.11)である。手足口病の定点当たり報告数は第20週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は大分県(5.08)、宮崎県(4.25)、鹿児島県(2.29)である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は大分県(0.19)、長崎県(0.16)、愛媛県(0.14)である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は山口県(3.85)、熊本県(3.78)、大分県(3.06)である。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は福島県(2.14)、青森県(1.17)、富山県(1.00)である。感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。32都道府県から95例報告があり、年齢別では0歳(9例)、1~4歳(73例)、5~9歳(10例)、10代(2例)、60代(1例)であった。
〈5月コメント〉
◆性感染症について(6月10日集計分、19~22ページ「グラフ総覧」参照) 4つの性感染症(性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症)は性感染症定点医療機関(全国約1,000カ所)から毎月報告される。2014年5月分の報告を行った性感染症定点医療機関数は978(産婦人科・産科・婦人科:472、泌尿器科:407、皮膚科:87、性病科:12)であった。
●発生動向の概要
2014年5月は、対象4疾患の中では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。以下疾患毎に、定点当たり報告数、過去5年間の同時期との比較(図2)、男女別・年齢群(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)別患者報告数又は定点当たり報告数(図3:PDF参照)の概要を示す。
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図1. 各性感染症が総報告数に占める割合(5月) |
 性器クラミジア感染症:定点当たり報告数2.31(男性1.13、女性1.19) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では0歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。
性器ヘルペスウイルス感染症:定点当たり報告数0.78(男性0.31、女性0.47) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では35~39歳の年齢群、女性では25~29歳の年齢群であった。また、女性では5~9歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。男女ともに50代以降の報告が少なくないが、これらの報告の中には再発例が含まれている可能性がある。
尖圭コンジローマ:定点当たり報告数0.50(男性0.31、女性0.19) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では30~34歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。
淋菌感染症:定点当たり報告数0.90(男性0.70、女性0.20) 定点当たり報告数は過去5年間の同時期と比較すると、男性でやや多く、女性でかなり多かった。年齢群別でみた定点当たり報告数のピークは男性では20~24歳の年齢群、女性では20~24歳の年齢群であった。また、女性では1~4歳、5~9歳、10~14歳の年齢群の報告を認めた。
●若年層における定点当たり報告数推移 染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男女ともに2003年以降減少傾向がみられた後、男性では2009年以降、女性では2010年以降は減少が鈍化していた。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年から減少傾向だが、2010年以降はほぼ横ばいであり、女性では2006年以降減少傾向がみられた後、2009年以降は増減を繰り返し、ほぼ横ばいであった。尖圭コンジローマは男女ともに2006年以降減少傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいであった。淋菌感染症は男性では2003年以降、女性では2004年以降減少傾向がみられた後、男女ともに2007年以降はほぼ横ばいであった。
◆薬剤耐性菌について (6月10日集計分、23~24ページ「グラフ総覧」参照) 4つの薬剤耐性菌感染症〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症、薬剤耐性アシネトバクター(MDRA)感染症〕は、2次医療圏毎に1カ所以上定められた病床数300以上の基幹定点医療機関(全国約500カ所)から毎月報告される。2014年5月分の報告を行った基幹定点医療機関数は476であった。
●発生動向の概要 MRSA:定点当たり報告数3.07 定点当たり報告数は、例年年間を通じてほぼ一定である。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の63%を占めていた(図1:PDF参照)。
PRSP:定点当たり報告数0.46 定点当たり報告数は、2012年以降、以前の冬から初夏に多い傾向は認められていない。過去10年間の同月との比較では最も少なかった。報告数は小児と高齢者に多く、5歳未満が全体の42%を占める一方、70歳以上が全体の32%を占めていた(図2:PDF参照)。
MDRP:定点当たり報告数0.05 定点当たり報告数は、例年夏から秋にかけて多い。過去10年間の同月との比較では2009年と並び最も少なかった。報告数は高齢者に多く、70歳以上が全体の65%を占めていた(図3:PDF参照)。
MDRA:定点当たり報告数- 定点当たり報告数は、報告数が極めて少ないため傾向の把握が困難である。今月の報告は無かった(図4:PDF参照)。
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