IDWR 2014年第38号＜発生動向総覧＞2014年第38週（2014年9月15日～9月21日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第38週コメント〉　9月24日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核250例

3類感染症：

細菌性赤痢4例
	菌種：S. sonnei （D群）4例＿感染地域：インド2例、カンボジア1例、ベトナム1例

腸管出血性大腸菌感染症49例（有症者36例、うちHUS 3例）

感染地域：国内48例、国内・国外不明1例
国内の多い感染地域：神奈川県5例、北海道3例、静岡県3例、三重県3例、大阪府3例、山口県3例、福岡県3例
年齢群：1歳（4例）、2歳（4例）、3歳（1例）、4歳（1例）、5歳（1例）、6歳（1例）、7歳（2例）、8歳（2例）、10代（12例）、20代（8例）、30代（3例）、40代（3例）、50代（3例）、60代（1例）、70代（2例）、90代（1例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（11例）、O157 VT2（ 11例）、O26 VT1（11例）、O26 VT2（3例）、O121 VT2（3例）、O157 VT1（2例）、O145 VT2（2例）、O157 VT不明（1例）、O26 VT不明（1例）、O128 VT1（1例）、O91 VT1（1例）、O27 VT1（1例）、その他・不明（1例）
累積報告数：3,324例（有症者2,368例、うちHUS 85例．死亡2例）

腸チフス1例（感染地域：ネパール）
パラチフス1例（感染地域：インドネシア）

4類感染症：

デング熱22例
	感染地域：東京都15例、フィリピン4例、インドネシア1例、タイ/インドネシア1例、マレーシア/ベトナム/カンボジア1例

日本紅斑熱8例
	感染地域：広島県2例、兵庫県1例、和歌山県1例、岡山県1例、徳島県1例、愛媛県1例、鹿児島県1例

レジオネラ症23例（肺炎型20例、ポンティアック型3例）

感染地域：東京都2例、神奈川県2例、大分県2例、宮城県1例、福島県1例、茨城県1例、群馬県1例、埼玉県1例、千葉県1例、富山県1例、長野県1例、岐阜県1例、大阪府1例、島根県1例、岡山県1例、徳島県1例、国内（都道府県不明）3例、国内・国外不明1例
年齢群：40代（1例）、50代（4例）、60代（9例）、70代（4例）、80代（2例）、90代（3例）

レプトスピラ症3例
	感染地域：沖縄県2例、タイ/香港1例感染源：水系感染2例（淡水遊泳1例、滝1例）、不明1例

5類感染症：

アメーバ赤痢11例（腸管アメーバ症9例、腸管外アメーバ症2例）
	感染地域：兵庫県2例、東京都1例、神奈川県1例、国内（都道府県不明）6例、スリランカ1例感染経路：性的接触3例（異性間3例）、経口感染2例、不明6例

ウイルス性肝炎1例
	B型＿感染経路：性的接触（異性間）

急性脳炎4例
	ロタウイルス1例＿年齢群：2歳病原体不明3例＿年齢群：1歳（1例）、10代（2例）

クリプトスポリジウム症1例
	感染地域：北海道

クロイツフェルト・ヤコブ病1例
	孤発性プリオン病古典型

劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例
	年齢群：40代（1例）、60代（1例）、70代（2例）、90代以上（1例）

後天性免疫不全症候群17例（AIDS 5例、無症候11例、その他1例）
	感染地域：国内14例、国内・国外不明3例感染経路：性的接触16例（異性間2例、同性間12例、異性/同性間2例）、不明1例

侵襲性インフルエンザ菌感染症5例（菌検出検体：血液5例）
	年齢群：60代（3例）、80代（2例）

侵襲性肺炎球菌感染症7例（菌検出検体：血液3例、血液・髄液3例、髄液1例）
	年齢群：1歳（1例）、3歳（1例）、60代（1例）、80代（3例）、90代（1例）

梅毒4例（早期顕症II期1例、晩期顕症1例、無症候2例）
破傷風2例〔年齢群：10代（1例）、70代（1例）〕

バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例
	遺伝子型：不明＿菌検出検体：血液

風しん3例（検査診断例1例、臨床診断例2例）
	感染地域：神奈川県2例、東京都1例年齢群：5～9歳（1例）、40代（1例）、50代（1例）累積報告数：285例（検査診断例178例、臨床診断例107例）

麻しん2例〔麻しん（臨床診断例）2例〕
	感染地域：埼玉県1例、兵庫県1例年齢群：0歳（1例）、5～9歳（1例）累積報告数：447例〔麻しん（検査診断例343例、臨床診断例36例）、修飾麻しん68例〕

（補）2013年第38週から2014年第37週までに診断されたものの報告遅れとして、腸チフス1例（感染地域：東京都）、デング熱7例〔うち1例デング出血熱（感染地域：国外）．感染地域：東京都6例、ベリーズ1例〕、日本紅斑熱6例（感染地域：三重県2例、兵庫県1例、和歌山県1例、島根県1例、広島県1例）、レプトスピラ症5例〔感染地域：沖縄県5例＿感染源：河川（滝など）でのレジャー/ガイド5例〕、急性脳炎5例〔単純ヘルペスウイルス1例＿年齢群：60代．コクサッキーA10型1例＿年齢群：1歳．病原体不明3例＿年齢群：1歳（1例）、9歳（1例）、10代（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例〔40代（1例）、60代（2例）、80代（1例）、90代（1例）〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例（遺伝子型：不明＿菌検出検体：血液）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
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インフルエンザ：定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県（0.97）、高知県（0.19）、島根県（0.14）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は1例と前週と比較して減少した。都道府県別では徳島県から報告があった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は2,894例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約77%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は徳島県（1.17）、群馬県（1.07）、三重県（0.76）、沖縄県（0.76）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は島根県（2.45）、鳥取県（2.26）、山口県（1.75）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は大分県（6.44）、徳島県（4.91）、宮崎県（4.86）である。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は佐賀県（1.22）、宮崎県（1.17）、大分県（1.06）である。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は石川県（2.69）、山口県（2.21）、愛媛県（2.08）である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位2位は福島県（0.07）、広島県（0.04）、徳島県（0.04）、福岡県（0.04）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別の上位3位は福島県（3.58）、北海道（3.01）、宮城県（2.76）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は秋田県（1.00）、宮城県（0.92）、北海道（0.70）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は増加した。7府県から8例報告があり、年齢別では0歳（3例）、1～4歳（3例）、5～9歳（1例）、70歳以上（1例）であった。