IDWR 2014年第40号＜発生動向総覧＞2014年第40週（2014年9月29日～10月5日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第40週コメント〉　10月8日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核378例

3類感染症：

コレラ1例（感染地域：シンガポール）

細菌性赤痢7例
	菌種：S. sonnei （D群）6例＿感染地域：愛知県2例、千葉県1例、岐阜県1例、カンボジア1例、フィリピン1例不明1例＿感染地域：広島県

腸管出血性大腸菌感染症79例（有症者42例、うちHUS 2例）

感染地域：国内78例、トルコ1例
国内の多い感染地域：北海道15例*、鹿児島県7例、福岡県5例、東京都4例、神奈川県4例、山口県4例、茨城県3例、群馬県3例、広島県3例
* 集団感染例を含む（O157 VT不明）
年齢群：0歳（4例）、1歳（3例）、2歳（7例）、3歳（3例）、4歳（1例）、5歳（2例）、6歳（4例）、7歳（3例）、8歳（3例）、9歳（3例）、10代（12例）、20代（10例）、30代（2例）、40代（6例）、50代（4例）、60代（4例）、70代（5例）、80代（3例）
血清型・毒素型：O157 VT不明（17例）、O26 VT1（16例）、O157 VT1・VT2（14例）、O157 VT2（14例）、O103 VT1（3例）、O115 VT1（2例）、O121 VT2（2例）、O26 VT2（1例）、O26 VT不明（1例）、O111 VT1・VT2（1例）、O111 VT1（1例）、O145 VT2（1例）、O146 VT1（1例）、O157 VT1（1例）、O165 VT2（1例）、その他・不明（3例）
累積報告数：3,501例（有症者2,478例、うちHUS 87例．死亡2例）

腸チフス2例（感染地域：東京都1例、インド/ネパール1例）
パラチフス1例（感染地域：カンボジア）

4類感染症：

E型肝炎1例（感染地域：富山県＿感染源：不明）
A型肝炎2例〔感染地域：国内（都道府県不明）1例、インドネシア1例〕
つつが虫病1例（感染地域：東京都）

デング熱9例
	感染地域：東京都4例、兵庫県/マレーシア1例、フィリピン2例、インドネシア1例、中国1例累積報告数：306例（感染地域：国内156例、国外149例、国内/国外1例）届出時期等により、厚生労働省公表分と異なる可能性があります。

日本紅斑熱11例
	感染地域：和歌山県5例、徳島県2例、三重県1例、兵庫県1例、広島県1例、香川県1例

レジオネラ症17例（肺炎型14例、ポンティアック型2例、無症状病原体保有者1例）

感染地域：神奈川県2例、宮城県1例、秋田県1例、千葉県1例、新潟県1例、石川県1例、長野県1例、三重県1例、京都府1例、香川県1例、大分県1例、鹿児島県1例、国内（都道府県不明）4例
年齢群：20代（1例）、30代（1例）、50代（2例）、60代（4例）、70代（1例）、80代（7例．うち1例死亡）、90代（1例）
累積報告数：938例

レプトスピラ症1例（感染地域：青森県＿感染源：不明）

5類感染症：

アメーバ赤痢20例（腸管アメーバ症17例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症1例）

感染地域：東京都2例、埼玉県1例、千葉県1例、神奈川県1例、京都府1例、兵庫県1例、広島県1例、国内（都道府県不明）5例、インドネシア1例、カンボジア1例、グアム1例、シンガポール1例、タイ1例、国内・国外不明2例
感染経路：性的接触5例（異性間2例、同性間2例、異性間・同性間不明1例）、経口感染7例、不明8例

ウイルス性肝炎5例
	B型4例＿感染経路：性的接触3例（異性間1例、同性間1例、異性間・同性間不明1例）、不明1例 C型1例＿感染経路：不明

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症19例
	菌検出検体：尿7例、血液3例、喀痰2例、腹水1例、膿1例、血液/腹水1例、その他・不明4例菌種：E. coli 5例、E. aerogenes 4例、E. cloacae 3例、K. pneumoniae 2例、E. cerogenes 1例、S. marcescens 1例、その他・不明3例感染経路：以前からの保菌7例、医療器具関連5例、手術部位3例、不明4例

急性脳炎3例
	ヒトヘルペスウイルス6型1例＿年齢群：1歳病原体不明2例＿年齢群：5歳（1例）、20代（1例）

クロイツフェルト・ヤコブ病1例（孤発性プリオン病古典型）
劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔年齢群：0歳（1例）、30代（1例）〕

後天性免疫不全症候群18例（AIDS 7例、無症候8例、その他3例）
	感染地域：国内15例、タイ1例、中国1例、国内・国外不明1例感染経路：性的接触15例（異性間1例、同性間13例、異性/同性間1例）、不明3例

侵襲性インフルエンザ菌感染症2例（菌検出検体：血液2例）
	年齢群：60代（1例）、90代（1例）

侵襲性髄膜炎菌感染症1例（菌検出検体：髄液）
	感染地域：大阪府年齢群：50代

侵襲性肺炎球菌感染症20例（菌検出検体：血液19例、髄液1例）
	年齢群：0歳（1例）、1歳（2例）、4歳（1例）、7歳（1例）、50代（1例）、60代（4例）、70代（6例）、80代（3例．うち1例死亡）、90代（1例）

水痘（入院例に限る）4例（検査診断例3例、臨床診断例1例）
	年齢群：5歳（1例）、30代（1例）、40代（1例）、80代（1例）

先天性風しん症候群1例
	病型：その他感染地域：千葉県累積報告数：9例

梅毒20例（早期顕症I期2例、早期顕症II期10例、無症候8例）

風しん4例（検査診断例2例、臨床診断例2例）
	感染地域：宮城県1例、千葉県1例、岐阜県1例、宮崎県1例年齢群：5～9歳（1例）、15～19歳（1例）、30～34歳（1例）、35～39歳（1例）累積報告数：290例（検査診断例181例、臨床診断例109例）

麻しん5例〔麻しん（検査診断例3例、臨床診断例2例）〕
	感染地域：大阪府2例、埼玉県1例、フィリピン2例年齢群：1歳（2例）、20～24歳（2例）、40代（1例）累積報告数：451例〔麻しん（検査診断例347例、臨床診断例36例）、修飾麻しん68例〕

（補）2013年第40週から2014年第39週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例（感染地域：神奈川県＿感染源：貝類）、デング熱5例（感染地域：東京都3例、インドネシア1例、タイ1例）、日本紅斑熱4例（感染地域：兵庫県1例、鳥取県1例、島根県1例、熊本県1例）、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症12例（感染経路：以前からの保菌4例、医療器具関連3例、手術部位2例、院内感染1例、その他1例、不明1例）、急性脳炎4例〔ヒトヘルペスウイルス6型1例＿年齢群：2歳．病原体不明3例＿年齢群：3歳（1例）、10代（2例）〕、クリプトスポリジウム症6例（感染地域：東京都6例）、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔30代（1例．死亡）、50代（1例）、80代（1例）〕、侵襲性髄膜炎菌感染症1例（感染地域：東京都＿年齢群：80代）、水痘（入院例に限る）9例〔0歳（1例）、1歳（3例）、20代（2例）、40代（1例）、70代（2例）〕、薬剤耐性アシネトバクター感染症1例（菌検出検体：喀痰＿感染経路：以前からの保菌）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です（増減の目安は小数点第3位以下を含む）。
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インフルエンザ：定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県（0.79）、熊本県（0.43）、長崎県（0.39）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は4例と前週と比較して増加し、3県から報告があった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は2,881例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第37週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は徳島県（1.52）、福井県（0.73）、沖縄県（0.65）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は山口県（3.06）、島根県（2.78）、新潟県（2.25）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は大分県（6.14）、宮崎県（5.28）、熊本県（4.64）である。水痘の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は福井県（1.50）、佐賀県（1.39）、宮崎県（1.14）である。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は鹿児島県（2.04）、愛媛県（1.95）、佐賀県（1.83）である。百日咳の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は鳥取県（0.16）、青森県（0.07）、沖縄県（0.06）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第36週以降減少が続いている。都道府県別の上位3位は新潟県（1.49）、福島県（1.40）、宮城県（1.34）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は富山県（1.40）、香川県（1.00）、長野県（0.64）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は増加した。3都道府から4例報告があり、年齢別では0歳（1例）、1～4歳（2例）、10代（1例）であった。