IDWR 2014年第41号＜発生動向総覧＞2014年第41週（2014年10月6日～10月12日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第41週コメント〉　10月15日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核359例

3類感染症：

細菌性赤痢7例
	菌種：S. flexneri （B群）2例＿感染地域：神奈川県1例、フィリピン1例　　　S. sonnei （D群）5例＿感染地域：愛知県4例、中国1例

腸管出血性大腸菌感染症71例（有症者47例、うちHUS 2例）

感染地域：国内70例、国内・国外不明1例
国内の多い感染地域：滋賀県8例、大阪府6例、埼玉県5例、福岡県5例、鹿児島県5例、長崎県4例、茨城県3例、愛知県3例、京都府3例
年齢群：0歳（1例）、1歳（4例）、2歳（9例）、3歳（5例）、4歳（4例）、5歳（3例）、6歳（1例）、7歳（2例）、8歳（1例）、9歳（1例）、10代（7例）、20代（7例）、30代（6例）、40代（5例）、50代（6例）、60代（3例）、70代（2例）、80代（4例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（19例）、O157 VT2（14例）、O157 VT不明（9例）、O26 VT1（7例）、O145 VT2（6例）、O157 VT1（6例）、O103 VT1（2例）、O121 VT2（2例）、O91 VT1（1例）、O145 VT1・VT2（1例）、その他・不明（4例）
累積報告数：3,573例（有症者2,525例、うちHUS 89例．死亡2例）

腸チフス1例（感染地域：ミャンマー）

4類感染症：

E型肝炎1例〔感染地域：国内（都道府県不明）＿感染源：不明〕

A型肝炎5例
	感染地域：埼玉県1例、千葉県1例、佐賀県1例、鹿児島県1例、国内（都道府県不明）1例

つつが虫病1例（感染地域：長崎県）

デング熱5例
	感染地域：東京都2例、インド1例、インドネシア1例、マレーシア1例累積報告数：312例（感染地域：国内158例、国外153例、国内/国外1例）届出時期等により、厚生労働省公表分と異なる可能性があります。

日本紅斑熱9例
	感染地域：千葉県2例、大阪府2例、和歌山県2例、三重県1例、山口県1例、徳島県1例

マラリア1例（三日熱＿感染地域：ブラジル）

レジオネラ症11例（肺炎型11例）
	感染地域：福島県1例、千葉県1例、新潟県1例、石川県1例、静岡県1例、大阪府1例、高知県1例、福岡県1例、宮崎県1例、国内（都道府県不明）2例年齢群：50代（3例）、60代（3例）、70代（5例）累積報告数：955例

レプトスピラ症1例〔感染地域：沖縄県＿感染源：水系感染（川）〕

5類感染症：

アメーバ赤痢10例（腸管アメーバ症7例、腸管外アメーバ症2例、腸管及び腸管外アメーバ症1例）
	感染地域：宮城県1例、東京都1例、大阪府1例、福岡県1例、国内（都道府県不明）5例、タイ1例感染経路：性的接触2例（異性間1例、異性/同性間1例）、経口感染1例、不明7例

ウイルス性肝炎2例
	B型2例＿感染経路：性的接触2例（異性間1例、同性間1例）

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症8例
	菌検出検体：血液3例、喀痰2例、腹水1例、髄液1例、血液/尿1例菌種：E. cloacae 4例、E. aerogenes 2例、その他・不明2例感染経路：以前からの保菌2例、医療器具関連2例、手術部位2例、不明2例

急性脳炎3例
	サルモネラ1例＿年齢群：10代 RSウイルス1例＿年齢群：2歳病原体不明1例＿年齢群：9歳

クロイツフェルト・ヤコブ病3例（孤発性プリオン病古典型3例）
劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例〔年齢群：60代（2例）、70代（1例）〕

後天性免疫不全症候群12例（AIDS 3例、無症候7例、その他2例）
	感染地域：国内11例、タイ1例感染経路：性的接触10例（異性間4例、同性間6例）、静注薬物使用1例、不明1例

ジアルジア症2例（感染地域：群馬県1例、愛知県1例）

侵襲性インフルエンザ菌感染症1例（菌検出検体：血液）
	年齢群：90代

侵襲性肺炎球菌感染症11例（菌検出検体：血液9例、血液・髄液1例、髄液1例）
	年齢群：1歳（2例）、5歳（1例）、40代（1例）、50代（1例）、60代（1例）、70代（2例）、80代（2例）、90代（1例．死亡）

水痘（入院例に限る）7例（検査診断例1例、臨床診断例6例）
	年齢群：0歳（1例）、10代（1例）、30代（1例）、40代（1例）、50代（2例）、80代（1例）

梅毒18例（早期顕症I期6例、早期顕症II期6例、晩期顕症1例、無症候5例）

播種性クリプトコックス症1例
	菌検出検体：血液・髄液感染地域：栃木県年齢群：70代

破傷風3例〔年齢群：60代（1例）、80代（1例）、90代（1例）〕

風しん1例（臨床診断例）
	感染地域：国内（都道府県不明）年齢群：30～34歳累積報告数：291例（検査診断例182例、臨床診断例109例）

麻しん1例（修飾麻しん）
	感染地域：フィリピン年齢群：20～24歳累積報告数：451例〔麻しん（検査診断例347例、臨床診断例35例）、修飾麻しん69例〕

薬剤耐性アシネトバクター感染症2例
	菌検出検体：喀痰2例感染経路：以前からの保菌1例、その他1例

（補）2013年第41週から2014年第40週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例（感染地域：北海道＿感染源：牛・豚のレバー/ホルモン）、デング熱1例（感染地域：フィリピン）、日本紅斑熱2例（感染地域：兵庫県1例、長崎県1例）、ライム病1例（感染地域：千葉県）、レプトスピラ症8例〔感染地域：沖縄県8例＿感染源：水系感染（川）6例、川でのカヌー1例、農業用水1例〕、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症5例（感染経路：以前からの保菌1例、医療器具関連1例、手術部位1例、院内感染1例、その他1例）、急性脳炎5例〔ヒトヘルペスウイルス6型2例＿年齢群：1歳（2例）．EBウイルス1例＿年齢群：20代．病原体不明2例＿年齢群：6歳（1例）、10代（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例（60代）、水痘（入院例に限る）6例〔10代（2例）、20代（2例）、30代（1例）、40代（1例）〕などの報告があった。

◆定点把握の対象となる5類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です（増減の目安は小数点第3位以下を含む）。
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インフルエンザ：定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県（0.67）、長崎県（0.30）、愛媛県（0.25）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は5例と前週と比較して増加し、4県から報告があった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は2,946例と増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は沖縄県（0.76）、山形県（0.73）、北海道（0.67）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は山口県（2.94）、島根県（2.52）、北海道（2.37）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は大分県（6.42）、徳島県（5.30）、宮崎県（5.19）である。水痘の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別の上位3位は福井県（1.36）、山形県（1.33）、新潟県（1.33）、大分県（1.11）である。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は愛媛県（2.70）、沖縄県（2.41）、石川県（2.34）である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位2位は山形県（0.07）、大分県（0.06）、沖縄県（0.06）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第36週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は新潟県（1.62）、福島県（1.53）、宮崎県（0.89）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別の上位3位は岩手県（1.21）、富山県（1.20）、和歌山県（1.18）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は減少した。3県から3例報告があり、年齢別では1～4歳（1例）、5～9歳（1例）、20代（1例）であった。