IDWR 2014年第44号＜発生動向総覧＞2014年第44週（2014年10月27日～11月2日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第44週コメント〉　11月5日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核316例

3類感染症：

細菌性赤痢11例
	菌種：S. flexneri （B群）1例＿感染地域：千葉県　　　　S. sonnei （D群）10例＿感染地域：福岡県8例、国内（都道府県不明）1例、インドネシア1例

腸管出血性大腸菌感染症53例（有症者31例、うちHUS 1例）

感染地域：国内53例
国内の感染地域：長野県8例*、山口県6例**、福岡県6例、岐阜県4例、佐賀県4例***、神奈川県3例、鹿児島県3例、茨城県2例、千葉県2例、東京都2例、兵庫県2例、北海道1例、愛知県1例、大阪府1例、大分県1例、宮崎県1例、不明6例
* 第43週に発生した飲食店における食中毒患者を含む（O157 VT1・VT2）
** 保育施設における集団感染例を含む（O26 VT1）
*** 保育所における集団感染例を含む（O103 VT1）
年齢群：1歳（2例）、2歳（4例）、3歳（2例）、4歳（1例）、5歳（4例）、7歳（2例）、8歳（4例）、10代（6例）、20代（3例）、30代（5例）、40代（6例）、50代（6例）、60代（4例）、70代（3例）、80代（1例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（13例）、O26 VT1（12例）、O157 VT2（8例）、O157 VT不明（6例）、O103 VT1（3例）、O6 VT1（1例）、O91 VT1・VT2（1例）、O111 VT不明（1例）、O128 VT1・VT2（1例）、O136 VT1（1例）、O145 VT1・VT2（1例）、O157 VT1（1例）、その他・不明（4例）
累積報告数：3,769例（有症者2,637例、うちHUS 92例．死亡2例）

4類感染症：

A型肝炎2例
	感染地域：神奈川県1例、インド/カタール/イタリア1例

つつが虫病9例
	感染地域：東京都3例、福島県2例、群馬県1例、神奈川県1例、広島県1例、鹿児島県1例

デング熱2例
	感染地域：東京都1例、マレーシア1例累積報告数：319例（感染地域：国内160例、国外158例、国内/国外1例）届出時期等により、厚生労働省公表分と異なる可能性があります。

日本紅斑熱5例
	感染地域：三重県1例、広島県1例、山口県1例、佐賀県1例、熊本県1例

レジオネラ症24例（肺炎型22例、ポンティアック型2例）

感染地域：神奈川県5例、千葉県3例、愛知県3例、富山県2例、三重県2例、山形県1例、群馬県1例、静岡県1例、岡山県1例、香川県1例、佐賀県1例、大分県1例、国内（都道府県不明）1例、ベトナム1例
年齢群：40代（2例）、50代（4例）、60代（8例）、70代（5例）、80代（4例）、90代（1例）
累積報告数：1,036例

5類感染症：

アメーバ赤痢8例（腸管アメーバ症8例）
	感染地域：群馬県1例、東京都1例、愛知県1例、大阪府1例、国内（都道府県不明）1例、インド1例、インドネシア1例、シンガポール/香港/インドネシア1例感染経路：性的接触1例（異性間）、経口感染4例、不明3例

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症3例
	菌検出検体：尿2例、膿1例菌種：E. cloacae 2例、C. koseri 1例感染経路：以前からの保菌1例、医療器具関連1例、不明1例

クロイツフェルト・ヤコブ病1例（孤発性プリオン病古典型）
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例〔年齢群：80代（死亡）〕

後天性免疫不全症候群17例（AIDS 6例、無症候11例）
	感染地域：国内12例、フィリピン1例、国内・国外不明4例感染経路：性的接触12例（異性間5例、同性間5例、異性/同性間1例、異性間・同性間不明1例）、輸血1例、不明4例

侵襲性インフルエンザ菌感染症3例（菌検出検体：血液2例、髄液1例）
	年齢群：50代（1例）、60代（1例）、80代（1例）

侵襲性肺炎球菌感染症14例（菌検出検体：血液7例、血液/髄液6例、髄液1例）
	年齢群：1歳（1例）、2歳（1例）、50代（1例）、60代（5例）、70代（4例）、80代（2例．うち1例死亡）

水痘（入院例に限る）6例（検査診断例3例、臨床診断例3例）
	年齢群：4歳（1例）、5歳（1例）、20代（1例）、30代（2例）、60代（1例）

梅毒19例（早期顕症I期7例、早期顕症II期4例、晩期顕症1例、無症候7例）
破傷風1例（年齢群：70代）

風しん3例（検査診断例1例、臨床診断例2例）
	感染地域：東京都1例、愛知県1例、京都府1例年齢群：1歳（1例）、4歳（1例）、40代（1例）累積報告数：304例（検査診断例191例、臨床診断例113例）

麻しん1例〔麻しん（臨床診断例）〕
	感染地域：東京都年齢群：2歳累積報告数：453例〔麻しん（検査診断例347例、臨床診断例37例）、修飾麻しん69例〕

薬剤耐性アシネトバクター感染症1例
	菌検出検体：その他（体組織表面）感染経路：以前からの保菌

（補）2013年第44週から2014年第43週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎2例〔感染地域（感染源）：北海道1例（牛ホルモン）、国内（都道府県不明）1例（不明）〕、日本紅斑熱4例（感染地域：香川県3例、熊本県1例）、ライム病2例（感染地域：北海道2例）、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症7例（感染経路：以前からの保菌3例、その他4例）、急性脳炎2例〔病原体不明2例＿年齢群：2歳（2例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例（20代）、水痘（入院例に限る）2例〔20代（1例）、50代（1例）〕、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例（遺伝子型：不明＿菌検出検体：血液）、薬剤耐性アシネトバクター感染症1例（菌検出検体：尿＿感染経路：尿路カテーテル）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる5類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です（増減の目安は小数点第3位以下を含む）。

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インフルエンザ：定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は長崎県（0.99）、新潟県（0.67）、沖縄県（0.57）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は12例と前週と比較して増加し、7県から報告があった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は3,423例と2週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約73%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は北海道（1.30）、群馬県（0.88）、山形県（0.80）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は鳥取県（3.89）、福岡県（3.59）、北海道（3.55）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は大分県（7.14）、香川県（6.72）、富山県（6.52）である。水痘の定点当たり報告数は第39週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は福井県（1.64）、佐賀県（1.57）、長野県（1.52）である。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は沖縄県（2.91）、愛媛県（2.59）、山形県（1.93）である。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は沖縄県（0.12）、新潟県（0.08）、青森県（0.05）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第36週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は新潟県（0.89）、北海道（0.56）、佐賀県（0.52）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別の上位3位は石川県（1.20）、香川県（1.20）、秋田県（1.00）、宮城県（0.83）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は増加した。7都県から9例報告があり、年齢別では0歳（5例）、1～4歳（2例）、5～9歳（1例）、30代（1例）であった。