IDWR 2014年第51号＜発生動向総覧＞2014年第51週（2014年12月15日～12月21日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第51週コメント〉　12月24日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核320例

3類感染症：

コレラ1例（感染地域：インド）

細菌性赤痢5例
	菌種：S. flexneri（B群）1例＿感染地域：インドネシア　　　S. sonnei（D群）4例＿感染地域：インド1例、スロベニア1例、南アフリカ共和国1例、キプロス/アラブ首長国連邦1例

腸管出血性大腸菌感染症33例（有症者18例、うちHUS 1例）

感染地域：国内31例、メキシコ1例、国内・国外不明1例
国内の感染地域：滋賀県14例、千葉県3例、宮城県2例、青森県1例、山形県1例、岐阜県1例、兵庫県1例、奈良県1例、福岡県1例、長崎県1例、鹿児島県1例、不明4例
年齢群：2歳（2例）、3歳（1例）、4歳（6例）、5歳（1例）、6歳（1例）、7歳（1例）、8歳（1例）、10代（3例）、20代（4例）、30代（7例）、40代（1例）、50代（2例）、60代（1例）、70代（2例）
血清型・毒素型：O145 VT2（14例）、O121 VT2（4例）、O157 VT1・VT2（4例）、O157 VT2（4例）、O26 VT1（1例）、O78 VT不明（1例）、O111 VT1（1例）、その他・不明（4例）
累積報告数：4,110例（有症者2,817例、うちHUS 100例．死亡2例）

4類感染症：

E型肝炎5例
	感染地域（感染源）：東京都2例（不明2例）、山形県1例（不明）、福島県1例（不明）、福岡県1例（不明）

A型肝炎4例
	感染地域：滋賀県1例、国内（都道府県不明）1例、インド1例、ボツワナ1例

チクングニア熱2例〔感染地域：仏領ポリネシア（タヒチ）2例〕

つつが虫病14例
	感染地域：宮崎県3例、鹿児島県3例、宮城県1例、茨城県1例、千葉県1例、石川県1例、岐阜県1例、静岡県1例、和歌山県1例、広島県1例

デング熱1例
	感染地域：タイ累積報告数：336例（感染地域：国内161例、国外174例、国内/国外1例）届出時期等により、厚生労働省公表分と異なる可能性があります。

マラリア1例（三日熱＿感染地域：パキスタン）

レジオネラ症25例（肺炎型24例、ポンティアック型1例）

感染地域：埼玉県2例、東京都2例、石川県2例、愛知県2例、福島県1例、神奈川県1例、新潟県1例、富山県1例、福井県1例、長野県1例、滋賀県1例、大阪府1例、島根県1例、広島県1例、愛媛県1例、佐賀県1例、国内（都道府県不明）5例
年齢群：20代（1例）、50代（3例）、60代（11例）、70代（7例．うち1例死亡）、80代（3例）
累積報告数：1,201例

5類感染症：

アメーバ赤痢16例（腸管アメーバ症16例）
	感染地域：大阪府3例、北海道1例、青森県1例、神奈川県1例、岐阜県1例、愛知県1例、滋賀県1例、兵庫県1例、国内（都道府県不明）4例、タイ1例、バングラデシュ1例感染経路：性的接触5例（異性間3例、同性間1例、異性間・同性間不明1例）、経口感染4例、不明7例

ウイルス性肝炎1例（B型＿感染経路：不明）

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症8例
	菌検出検体：尿4例、膿2例、喀痰1例、便1例菌種：E. cloacae 3例、E. coli 3例、その他・不明2例感染経路：以前からの保菌2例、医療器具関連1例、手術部位1例、院内感染1例、その他・不明3例

急性脳炎5例
	インフルエンザウイルスA型4例＿年齢群：2歳（1例．死亡）、4歳（1例）、8歳（1例．死亡）、40代（1例）インフルエンザウイルスB型1例＿年齢群：60代

クロイツフェルト・ヤコブ病3例
	孤発性プリオン病古典型3例

劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例
	年齢群：30代（1例．死亡）、80代（1例．死亡）

後天性免疫不全症候群22例（AIDS 3例、無症候17例、その他2例）
	感染地域：国内16例、ウクライナ1例、シンガポール1例、国内・国外不明4例感染経路：性的接触18例（異性間5例、同性間11例、異性/同性間2例）、不明4例

ジアルジア症3例（感染地域：東京都1例、大阪府1例、ラオス1例）

侵襲性インフルエンザ菌感染症3例（菌検出検体：血液3例）
	年齢群：60代（1例）、80代（2例）

侵襲性肺炎球菌感染症18例（菌検出検体：血液16例、血液/髄液1例、髄液1例）
	年齢群：0歳（2例）、1歳（3例）、30代（1例）、60代（1例）、70代（9例）、80代（2例）

水痘（入院例に限る）3例（臨床診断例3例）
	年齢群：0歳（1例）、4歳（1例）、40代（1例）

梅毒17例（早期顕症I期3例、早期顕症II期8例、晩期顕症1例、無症候5例）

播種性クリプトコックス症3例
	菌検出検体：血液1例、髄液2例感染地域：長野県1例、和歌山県1例、福岡県1例年齢群：60代（2例）、70代（1例）

バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例
	遺伝子型：VanB 2例＿菌検出検体：尿1例、膿1例

風しん1例（検査診断例）
	感染地域：兵庫県年齢群：20～24歳累積報告数：319例（検査診断例200例、臨床診断例119例）

麻しん1例〔麻しん（検査診断例）〕
	感染地域：インドネシア年齢群：25～29歳累積報告数：462例〔麻しん（検査診断例354例、臨床診断例37例）、修飾麻しん71例〕

（補）2013年第51週から2014年第50週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎1例（感染地域：福島県＿感染源：不明）、日本紅斑熱1例（感染地域：宮崎県）、レプトスピラ症1例（感染地域：沖縄県＿感染源：川や滝）、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症18例（感染経路：以前からの保菌5例、医療器具関連4例、その他1例、不明8例）、急性脳炎3例（インフルエンザウイルスA型1例＿年齢群：8歳．ヒトヘルペスウイルス6型1例＿年齢群：1歳．病原体不明1例＿年齢群：1歳）、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例（50代）、水痘（入院例に限る）9例〔1歳（1例）、2歳（1例）、4歳（2例）、20代（1例）、30代（2例）、40代（2例）〕、播種性クリプトコックス症1例（感染地域：宮崎県＿年齢群：70代）、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例（遺伝子型：不明＿菌検出検体：尿）、薬剤耐性アシネトバクター感染症1例（菌検出検体：喀痰＿感染経路：以前からの保菌）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる5類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です（増減の目安は小数点第3位以下を含む）。
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インフルエンザ：定点当たり報告数は第43週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は埼玉県（35.38）、北海道（25.95）、岩手県（24.73）である。基幹定点からのインフルエンザ入院サーベイランスにおける報告数は366例と前週と比較して増加した。都道府県別では44都道府県から報告があり、年齢別では0歳（25例）、1～9歳（99例）、10代（31例）、20代（4例）、30代（11例）、40代（15例）、50代（12例）、60代（25例）、70代（62例）、80歳以上（82例）であった。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は7,491例と減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約66%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別の上位3位は北海道（2.78）、新潟県（1.54）、宮崎県（1.17）である。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期（前週、当該週、後週）と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は福岡県（6.19）、鳥取県（5.00）、石川県（4.86）である。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第46週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は鹿児島県（25.91）、宮崎県（24.14）、大分県（20.75）である。水痘の定点当たり報告数は第39週以降増加が続いている。都道府県別の上位3位は鹿児島県（2.29）、山形県（2.23）、福井県（2.14）である。手足口病の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は愛媛県（3.73）、高知県（3.13）、沖縄県（2.56）である。百日咳の定点当たり報告数は3週連続で増加した。都道府県別の上位2位は佐賀県（0.09）、沖縄県（0.09）、新潟県（0.07）である。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は2週連続で減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別の上位3位は新潟県（0.49）、愛媛県（0.22）、熊本県（0.22）、香川県（0.21）である。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別の上位3位は富山県（1.40）、青森県（1.17）、秋田県（1.13）である。感染性胃腸炎（ロタウイルスに限る）の定点当たり報告数は第47週以降増加が続いている。20都府県から42例報告があり、年齢別では0歳（6例）、1～4歳（31例）、5～9歳（3例）、60代（1例）、70歳以上（1例）であった。