IDWR 2012年第24号<注目すべき感染症>麻しん・風しん2012年第1~24週
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![]() ◆ 麻しん・風しん2012年第1~24週 (2012年6月20日現在) 麻しんウイルスの遺伝子型は55例で報告されている。詳細は「麻疹ウイルスの遺伝子型が報告 風しんの2012年第1~24週の累積報告数は393例であり、これまで最多の累積年間報告数であった2011年の371例を既に超え、昨年の同時期(214例)と比較して1.8倍の報告数となった(図)。都道府県別の報告数は兵庫県121例、大阪府102例、東京都45例、京都府20例、神奈川県13例、千葉県9例の順であり、人口100万人当たり報告数でみると、兵庫県21.7、大阪府11.5、京都府7.6、福井県3.7、滋賀県3.5、東京都3.4の順であった〔風しん速報グラフ第24週(以下風しん速報)http://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2012pdf/rube12-24.pdf 図3、図7〕。男女別にみた年齢群別ワクチン接種歴別報告数では、男性303例(77%)、女性90例で男性が女性の3倍以上報告されており(風しん速報図4)、年齢については男性の年齢中央値32.0歳(Q1-Q3*:22.0-38.0)、女性の年齢中央値27.0歳(Q1-Q3:17.0-36.8)であった。20歳以上の男性(247例)だけで報告数全体の63%を占めた。ワクチン接種歴については接種歴の無い症例が男性で24%、女性で35%だった(風しん速報図4)。感染地域は388例(99%)が国内感染、国外での感染(中国)1例、国内または国外での感染4例〔茨城県/米国1例、東京都/中国1例、国内(都道府県不明)/フィリピン1例、国内(都道府県不明)/国外(国不明)1例〕であった。流行している地域では、学校内、職場・施設内での集団発生が報告されており、報告数が少ない地域でも、妊婦や妊婦の家族での感染、同僚に妊婦がいる成人での感染が報告されている。 *第1四分位数‐第3四分位数
麻しんは、かつてのようないわゆる子どもの感染症ではなく、年齢にかかわらず命に関わる重篤な疾患である。また、風しんは一般的には数日で治癒する予後良好な疾患ではあるが、麻しんと同様、成人での流行が発生しうる感染症であり、さらに風しんウイルス感染に生じる大きな問題として、先天性風しん症候群(congenital rubella syndrome:CRS)がある。これは妊娠前半期の妊婦の感染により、風しんウイルスが胎児に感染し、先天異常を含む様々な症状を呈する症候群である。2011年には夫から感染したと思われる妊婦の風しん感染例が複数報告されたが、今年は昨年を上回る風しんの発生状況でありCRSの発生するリスクも過去5年間で最も高い状態といえる。 昨年度より、麻しんを疑ってウイルス分離やPCR検査を実施し、麻しんを否定された検体について風しんを含めた他のウイルス性発疹症の鑑別を積極的に行っている自治体が複数ある。発熱性発疹性疾患を診断する場合には、麻しん・風しんの鑑別も公衆衛生上の重要性から、地域の流行状況に関わらず常に念頭におき、適切な検査診断をすること、どちらかの確定診断がついた際には、届出医・行政の連携で迅速な対応に繋げることが重要である。 麻しん・風しんは、ともに特異的な治療法はないものの、予防接種で予防可能な感染症である。定期接種対象者である小児や中学1年相当・高校3年相当の年代(2008年度~2012年度の5年間のみ)の者に加え、麻しん・風しんの患者に接する機会がある医療従事者・教育福祉関係者をはじめ、海外渡航を予定している者、今後妊娠を希望する女性やその家族などの成人の方も、麻しん・風しんの罹患歴や接種歴がない、または不明な場合には積極的に予防接種を受け 麻しんと風しん(先天性風しん症候群を含む)のこれまでの発生状況や疾患の説明は、それ |