IDWR 2012年第31号<注目すべき感染症>風しん
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風しんの2012年第1~31週の累積報告数は全数報告対象疾患になった2008年以降、はじめて1,000例を超え、1,016例となった。これは昨年の同時期(283例)と比較して3.6倍、また昨年1年間の累積報告数(371例)と比較して2.7倍の報告数である〔風しん速報グラフ第31週(以下風しん速報)http://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2012pdf/rube12-31.pdf 図1〕。 都道府県別の累積報告数は東京都235例、大阪府199例、兵庫県191例、神奈川県80例、埼玉県45例、千葉県34例、沖縄県32例、愛知県28例、京都府27例、福岡県19例の順であり(風しん速報図4)、人口100万人当たり報告数でみると、兵庫県34.2、沖縄県23.0、大阪府22.5、東京都17.9、京都府10.2、神奈川県8.8、福井県8.7、奈良県8.6、滋賀県8.5、山梨県7.0の順であった(風しん速報図8)。性別では、男性775例(76%)、女性241例で男性が女性の3.2倍報告されており(風しん速報図5、6)、年齢については男性の年齢中央値33.0歳(Q1-Q3:24.0-39.0)、女性の年齢中央値24.0歳(Q1-Q3:18.0-34.5)であった。20歳以上の症例の占める割合は、男性が86.2%(668/775)、女性で68.5%(165/241)であった(風しん速報図6)。さらに女性のうち、15~44歳をいわゆる「出産年齢」とすると、この年齢群に含まれる女性は173例で、女性全体の72%を占め(図)、このなかでのワクチン接種歴は、接種歴無し49例(28%)、1回接種あり15例(9%)、2回接種あり4例(2%)、接種歴不明105例(61%)であった。ワクチン接種歴については、接種歴の無い症例が男性で25%、女性で29%であった(風しん速報図5)。感染地域は国内感染1,007例(99%)、国外感染2例(中国1例、タイ1例)、国内または国外での感染7例〔茨城県/米国1例、東京都/中国1例、国内(都道府県不明)/フィリピン1例、国内/国外不明4例〕であった(風しん速報図7)。
報告数が多い地域では、職場・施設内、学校内での集団発生が報告されており、報告数が少ない地域でも、妊婦や妊婦の家族での感染、 同僚に妊婦がいる成人での感染が報告されている。 現在、風しんの報告は、人口密度の高い都市圏(関東地方、関西地方)や沖縄県などで多く、今後愛知県を中心とした東海地方での発生 動向も注意すべきである。どの地域においても、報告例の性別・年齢の傾向は同様であり発生の中心は成人男性である。一方で、女性の症例 の年別年齢群別割合の推移をみると(図)、出産年齢とされる年代が2012年は72%を占めており、先天性風しん症候群 (congenital rubella syndrome:CRS)が発生するリスクが非常に危惧される状況である。産褥期を含め今後妊娠を希望する女性や、そ の家族などの成人の方も、風しんの罹患歴や接種歴がない、または不明な場合には積極的に風しん含有ワクチン接種を受けることを検討し ていただきたい。 妊娠出産年齢の女性に風疹ワクチンを接種する場合には、妊娠していない時期(生理中またはその直後がより確実)にワクチン接種を行い、 その後2カ月間の避妊が必要である。風しんワクチンが胎児へ影響を及ぼす可能性は理論的には否定できないことから、上記の注意が必要である。 ただし、妊娠中に風しんワクチンを接種されたため胎児に障害がでたという報告は、これまでのところ、日本や海外を含めて認めない。 〔参照:風疹Q&A(2012年改訂版) http://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/QA/1206qa.pdf 〕。 夏季休暇中、海外旅行を計画している方々も少なくないと思われる。海外での風しん感染を予防するためにも、定期接種対象者はもちろん、 そうでない場合も、ワクチン接種を検討していただきたい(参照:2012年夏休み期間中における海外での感染症予防について http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/
○風しん(先天性風しん症候群を含む)のこれまでの発生状況や疾患の説明は、
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