咽頭結膜熱
更新日 (last updated):2025年6月26日
概要
咽頭結膜熱はアデノウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は飛沫感染や接触感染である。発熱、頭痛、全身倦怠感とともに、咽頭痛、結膜充血などを主症状とする。新生児では全身性感染を起こし重症化することがある。
病原体
アデノウイルスはアデノウイルス科 に属する2本鎖DNAウイルスで、現在67種類以上の血清型が報告されている。咽頭結膜熱の原因となるのは主に3型であるが、他に2型、4型、7型、11型なども関与することがある。
疫学
アデノウイルス自体は年間を通じて報告されているが、咽頭結膜熱としては特に夏期(6から8月)に流行がみられ、5歳以下の小児で多く報告されている。
感染経路
主な感染経路は飛沫感染や接触感染である。
臨床像
潜伏期間は5日から7日程度。発熱、頭痛、全身倦怠感とともに、咽頭痛、結膜充血などを主症状とする。新生児では全身性感染を起こし重症化することがある。
病原体診断
ウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
患者との密接な接触を避け、流行時にうがいや手洗いを励行する。消毒用アルコールの効果は弱いことが知られている。
承認されたワクチンはない。
法的位置づけ
感染症法では五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。
学校保健安全法では第二種感染症に定められている。