アニサキス症
概要
アニサキス症は、アニサキス亜科の線虫による寄生虫症である。主な感染経路は、アニサキス幼虫が寄生した海産魚介類の生食による経口感染である。腹痛や嘔吐、腸閉塞や消化管穿孔、アレルギー症状などを呈する。
病原体
アニサキス症の病原体は、アニサキス亜科に属する寄生性線虫である。海産魚介類や海生哺乳類に寄生している。患者から摘出される代表的な種として、Anisakis simplex sensu strictoやA. pegreffiiがある。
疫学
世界中で報告されている。
日本では海産魚介類の生食を好む食習慣により、諸外国と比較して症例数が多いとされる。
感染経路
主な感染経路は、アニサキスの幼虫が寄生した海産魚介類(特にサバ、アジ、サンマ、イワシ、サケ、イカ)の生食による経口感染である。
臨床像
潜伏期間は1時間から数日(通常8時間以内)。胃アニサキス症では激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐を起こす。腸アニサキス症は下腹部痛や腹部膨満感があり、まれに腸閉塞や消化管穿孔など重篤な合併症を起こすことがある。
アニサキスアレルギーは、虫体の生死にかかわらず発症する可能性があり、蕁麻疹、発疹、呼吸困難などのアナフィラキシー症状を生じることがある。
病原体診断
内視鏡による虫体の確認、摘出した虫体の形態学的検査や遺伝子検査による。
治療
胃アニサキス症では内視鏡による虫体摘出を行う。腸アニサキス症など内視鏡が到達困難な部位では対処療法を行いつつ自然排出を待つ。アレルギー症状が強い場合は抗アレルギー薬を使用する。
予防法・ワクチン
海産魚介類の冷凍・加熱・目視での幼虫除去等による。
国内で承認されたワクチンは存在しない。
法的取り扱い
アニサキス症は、感染症法および学校保健安全法では定められていない。
アニサキスは、食品衛生法における病因物質に定められている。
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