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エボラ出血熱

更新日 (last updated):2025年6月26日

概要

エボラ出血熱はエボラウイルスを病原体とする感染症で、主な感染経路は接触感染である。致命率が高く、血液や体液との接触によるヒトからヒトへの感染により地域的な流行を引き起こすことがある。

病原体

エボラウイルスはフィロウイルス科オルソエボラウイルス属に属する1本鎖RNAウイルスであり、ザイール、スーダン、ブンディブギョ、タイフォレスト、レストン、ボンバリの6種に分類され、ザイールウイルスが最も強い病原性を示す。

疫学

アフリカを中心に1976年以降30回以上の流行が確認されており、2014から2016年には西アフリカで大流行した。日本においては患者の報告はない。自然宿主はオオコウモリと考えられている。

感染経路

主な感染経路は、接触感染である。自然宿主のオオコウモリや患者の血液、体液、排泄物との接触を通じて感染する。

臨床像

潜伏期間は2から21日(通常4から10日)。初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛などで、進行すると下痢、嘔吐、発疹、肝機能及び腎機能の異常を伴い、さらには出血傾向、意識障害などの重篤な症状を示し死亡することがある。

病原体診断

血液、咽頭ぬぐい液、尿からのウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。

治療

特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。

予防法・ワクチン

流行地域での患者や感染動物との接触に注意する。患者に接触する際は個人防護具の使用などの接触感染対策が必要である。
承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

感染症法では一類感染症に定められている。
学校保健安全法では第一種感染症に定められている。

関連情報

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