E型肝炎
更新日 (last updated):2025年9月25日
概要
E型肝炎は、E型肝炎ウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は、病原体に汚染された水の摂取や、加熱不十分な動物(ブタやイノシシなど)の肉や内臓の喫食による経口感染である。腹痛や黄疸を呈し、まれに劇症化し死亡することがある。
病原体
E型肝炎ウイルスはヘペウイルス科 に属する1本鎖RNAウイルスである。
疫学
発展途上国を中心に世界中で報告がある。
日本では年間400から600例程度が報告されている。
感染経路
主な感染経路は経口感染で、途上国では病原体に汚染された飲料水や食物の摂取が原因である場合が多い。
日本ではブタやイノシシなどの加熱不十分な肉や内臓を喫食することで感染することが多い。
臨床像
潜伏期間は15から50日程度(平均約6週間)。発熱、悪心、食欲不振、腹痛、褐色尿と強い黄疸を呈する。多くは1 カ月程度で自然治癒するが、まれに劇症化し死亡することがある。
病原体診断
血液や便からのウイルス遺伝子の検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
ブタやイノシシなどの肉や内臓は十分に加熱して食べる、手洗いを徹底するなどの衛生管理が重要である。
海外の流行地域では、生水や生の魚介類・野菜などの食品の喫食を避ける。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における四類感染症に定められている。
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