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プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病含む)

更新日 (last updated):2025年10月24日

概要

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD:Creutzfeldt-Jakob Disease) は、異常プリオン蛋白を病原体とする疾患(プリオン病)の一種である。プリオン病は特発性(孤発性CJDなど)、遺伝性(遺伝性CJD、Gerstmann-Sträussler-Scheinker病、致死性家族性不眠症など)、獲得性に大別される。獲得性プリオン病には、汚染された医療器具や硬膜移植などを原因とする医原性CJDおよび牛海綿状脳症(BSE:Bovine Spongiform Encephalopathy)由来食品の摂取による変異型CJDが含まれる。進行性認知症やミオクローヌスなどの神経症状を呈し、重症化すると無動性無言状態や呼吸麻痺を起こす。

病原体

原因物質は異常プリオン蛋白である。正常プリオン蛋白が構造変化し、蛋白分解酵素に耐性を示す異常プリオン蛋白となって感染性を獲得する。

疫学

世界中で報告がある。

日本国内では年間200例前後の報告があるが、大多数は孤発性CJDである。

変異型CJDは1996年以降欧州を中心に200例程度が報告されているが、日本においては患者の報告はない。

感染経路

獲得性プリオン病の主な感染経路は、医原性CJDでは異常プリオン蛋白に汚染された硬膜や成長ホルモン製剤、医療器具の使用、変異型CJDではBSE由来食品の摂取である。

臨床像

主な症状は進行性認知症やミオクローヌスで、発症後数か月で認知機能や運動機能が急速に低下し、無動性無言状態や呼吸障害に至る。

病原体診断

剖検材料の脳からの異常プリオン蛋白の検出、病理組織の特異的免疫染色による。

治療

特異的な治療はなく、対症療法が中心である。

予防法・ワクチン

通常の消毒薬は無効であり、汚染された器具類等に対しては、焼却、滅菌または特定の消毒薬を用いる。また、哺乳類の脳や脊髄など神経組織を含む食品の摂取を避けることが重要である。

国内で承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

上記の疾患は、 感染症法における、五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。

関連情報

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