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急性弛緩性麻痺

更新日 (last updated):2025年7月24日

概要

急性弛緩性麻痺(AFP:Acute Flaccid Paralysis)は、ウイルスなどの種々の病原体の感染などにより弛緩性の運動麻痺症状を呈する症候群である。多くの場合、先行感染ののちに、手足や呼吸筋などに急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈する。AFPを呈する疾患として、ギラン・バレー症候群、急性灰白髄炎(ポリオ)、急性弛緩性脊髄炎等が挙げられる。

病原体

感染症としてはエンテロウイルス属などの種々の病原体が原因となる。ポリオウイルスのほか、手足口病で知られるエンテロウイルス A71(EV-A71)や2015年に流行したエンテロウイルスD68(EV-D68)などが原因として知られている。また、感染症以外の原因も存在する。

疫学

WHOは世界ポリオ根絶計画に基づき各国にAFPのサーベイランス体制を整備し、15歳未満の患者を把握し、ポリオに罹患しているか否かの検査を実施し、確認するよう求めている。

日本では届出対象となった2018年5月以降、AFPが毎年数十例報告されている。

感染経路

エンテロウイルス属など、主な原因となるウイルスの感染経路は、飛沫感染、接触感染および経口感染である。

臨床像

多くの場合、何らかの先行感染ののちに、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの、急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈する。

病原体診断

原則的に臨床症状により診断を行う。

一部の病原体については、分離・同定、遺伝子検出、血清学的検査による病原体診断が可能である。

治療

対症療法が中心である。

予防法・ワクチン

病原体によっては手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策が有効である。

法的取り扱い

感染症が原因と思われる15歳未満の症例については、感染症法における五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。

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