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カンピロバクター感染症

更新日 (last updated):2025年7月24日

概要

カンピロバクター感染症は、カンピロバクター属菌を病原体とする感染症である。主な感染経路は、菌に汚染された食品や水の摂取である。発熱、消化器症状を呈し、重症化することはまれであるが、ギラン・バレー症候群を起こすことがある。

病原体

原因菌はカンピロバクター属の細菌である。カンピロバクター属は多くの菌種に分類されるが、その中でもCampylobacter jejuniが患者から分離される菌種のほとんどを占める。

疫学

カンピロバクター属菌はウシ、ヒツジ、野鳥及びニワトリなど家禽類の腸管内に広く常在菌として存在し、世界中で報告がある。日本においても主要な食中毒の原因となっており、加熱不十分な鶏肉の喫食、調理過程の不備によるほか、井水、湧水および簡易水道水を感染源とした水系感染事例が報告されている。

感染経路

主な感染経路は、汚染された食品や水の摂取である。

臨床像

潜伏期間は2から5日程度。発熱、消化器症状を呈する。重症化することはまれであるが、感染した数週間後に、手足や顔面神経の麻痺、呼吸困難などを呈するギラン・バレー症候群を起こすことがある。

病原体診断

病原体の分離・同定、遺伝子検出による。

治療

抗菌薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

食品の十分な加熱、生肉の喫食を避ける、調理器具や手指などを介した生食野菜・サラダ等への二次汚染防止等の衛生管理の徹底、手洗いの励行が重要である。

国内で承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

カンピロバクターによる胃腸炎は、感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患である「感染性胃腸炎」に含まれる。

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