コレラ
更新日 (last updated):2025年8月28日
概要
コレラは、コレラ菌(Vibrio cholerae O1およびO139)を病原体とする感染症である。主な感染経路は、コレラ菌に汚染された水や食物の摂取による経口感染である。下痢や嘔吐などの症状を呈し、重症化すると重度の脱水により死亡することがある。
病原体
原因菌はコレラ菌(V. cholerae)のうち、コレラ毒素を産生するV. cholerae O1およびO139である。
疫学
世界では、 熱帯・亜熱帯地域において発生が報告されている。
日本ではコレラ流行地域への渡航者による輸入症例がで、国内流行は近年報告されていない。
感染経路
主な感染経路は、病原体に汚染された水や食品の摂取による経口感染である。
臨床像
潜伏期間は数時間から5日程度(通常1日以内)。軽症では軟便や嘔吐が1日数回程度だが、重症ではコメのとぎ汁のような水様便を大量に排出し、重度の脱水により死亡することがある。
病原体診断
便からの病原体の分離・同定、分離した菌からのコレラ毒素遺伝子の検出もしくはコレラ毒素産生性の確認による。
治療
脱水の補正や抗菌薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
流行地域での水や生の魚介類・野菜などの食品の喫食を避ける。流行地域水や生の魚介類・野菜などの食品の喫食を避ける。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における、三類感染症に定められている。
学校保健安全法における、第三種感染症に定められている。
食品衛生法において、コレラ菌は原因物質に定められている。