クリミア・コンゴ出血熱
更新日 (last updated):2025年6月26日
概要
クリミア・コンゴ出血熱はクリミア・コンゴ出血熱ウイルスを病原体とする致命率の高い感染症である。主な感染経路はHyalomma属のマダニの咬傷、感染動物・患者の血液との接触である。
病原体
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスはブニヤウイルス目ナイロウイルス科に属する1本鎖RNAウイルスである。自然宿主はウシ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類で、Hyalomma属のマダニが媒介する。
疫学
アフリカ大陸から東欧、中近東、中央アジア諸国、中国西部にかけて広く分布している。日本においては患者の報告はない。
感染経路
主な感染経路は、感染マダニに咬まれたりマダニをつぶしたりすることや、感染動物の血液や組織との接触、患者の血液や血液の混入した排泄物や汚物との接触である。
臨床像
潜伏期間は2から9日である。初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛などで、 重症化すると肝機能及び腎機能の異常を伴い、さらには出血傾向、意識障害などの重篤な症状を示し死亡することがある。
病原体診断
血液からのウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
流行地域でのマダニ、動物、患者との接触に注意する。患者に接触する際は個人防護具の使用などの接触感染対策が必要である。
承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法では一類感染症に定められている。
学校保健安全法では第一種感染症に定められている。