コンテンツにジャンプ
国立健康危機管理研究機構
感染症情報提供サイト
言語切り替え English

無菌性髄膜炎

更新日 (last updated):2025年8月28日

概要

無菌性髄膜炎は、髄膜炎のうち髄液中に細菌が検出されない、ウイルスや非感染性疾患が原因のものである。ウイルス性の場合はエンテロウイルス、ムンプスウイルス、およびヘルペスウイルスなどが主な病原体である。感染経路は病原体により異なり、接触感染、経口感染や飛沫感染、媒介動物を介した感染などである。主な症状は発熱、頭痛、嘔吐である。

本稿ではウイルス性髄膜炎について記載する。

病原体

エンテロウイルス(エコーウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス71(EV1)など)、ムンプスウイルス、およびヘルペスウイルスが主な原因ウイルスである。

疫学

エンテロウイルスによるものが最も多く、夏季に流行する。ムンプスウイルスやヘルペスウイルスによるものは季節性がない。幼児・学童期の報告が多い。

感染経路

感染経路はウイルスによって異なり、接触感染、経口感染、飛沫感染や、媒介動物を介した感染などである。

臨床像

潜伏期間および症状はウイルスにより異なる。

多くの場合は発熱、頭痛、嘔吐を呈し、腹痛・下痢や発疹、咽頭痛を伴うこともある。

病原体診断

髄液などからのウイルスの分離・同定、遺伝子検出、血清学的検査による。

治療

対症療法が行われる。

ウイルスによっては抗ウイルス薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

ウイルスによって異なる。

多くは手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策が有効である。

ムンプスウイルスなど一部のウイルスには承認されたワクチンが存在する。

法的取り扱い

感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。

関連情報

IDWR関連記事

記事を表示する

PDF・Word・Excelなどのファイルを閲覧するには、ソフトウェアが必要な場合があります。
詳細は「ファイルの閲覧方法」を確認してください。