日本紅斑熱
更新日 (last updated):2025年7月24日
概要
日本紅斑熱は、紅斑熱群リケッチアの一種であるRickettsia japonicaを病原体とする感染症である。主な感染経路は、病原体を保有するマダニによる刺咬である。発熱、発疹、刺し口が主要な三徴候であり、ほとんどの症例にみられる。
病原体
原因菌は、R. japonicaである。偏性細胞内寄生細菌で、細胞外では増殖できない。
疫学
紅斑熱群リケッチアによる感染症は広く世界に分布しており、その一種である日本紅斑熱は日本特有の疾患である。1984年に患者が初めて報告され、沖縄から東北南部までの地域で、 媒介ダニの活動が活発化する4月から11月に発生がみられる。
感染経路
主な感染経路は、病原体を保有するマダニによる刺咬である。
臨床像
潜伏期間は2から8日程度。発熱、発疹、刺し口が主要な三徴候であり、ほとんどの症例にみられる。
病原体診断
血液からの病原体遺伝子の検出、血清学的検査による。
治療
抗菌薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
マダニに刺されないことが重要である。忌避剤の使用や肌の露出を避けるといった対策が推奨される。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における四類感染症に定められている。