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ラッサ熱

更新日 (last updated):2025年6月26日

概要

ラッサ熱は、ラッサウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は自然宿主であるマストミスとの接触(マストミスの糞や尿の付着物を含む)や患者の体液との接触である。主な症状は発熱や関節痛などで、重症化すると消化器出血、脳症、ショックなどを呈し、死亡することがある。

病原体

ラッサウイルスはアレナウイルス科の1本鎖RNAウイルスで、自然宿主は西アフリカ一帯に生息する野ネズミの一種であるマストミス(Mastomys natalensis)である。

疫学

ナイジェリア、シエラレオネなどの西アフリカで局地的に流行しており、年間20から30万人が感染すると推定されている。日本ではシエラレオネ渡航後の輸入例1例の報告がある。

感染経路

主な感染経路は、ウイルスを保有するマストミスとの接触(マストミスの糞や尿の付着物を含む)や、患者の血液・体液への接触である。

臨床像

潜伏期間は7から18日。発熱、全身倦怠感などが出現したのち、関節痛、腰痛、頭痛、腹痛などがみられ、軽快後も2から3か月後に再燃することがある。重症化すると消化器出血、脳症、ショックなどを呈し死亡することがある。回復後に聴覚障害の後遺症が出現することがある。

病原体診断

咽頭ぬぐい液、血液、尿などからのウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。

治療

抗ウイルス薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

流行地域でのマストミス(マストミスの糞や尿の付着物を含む)や患者との接触を避ける。医療現場では個人防護具などの接触感染対策が必要である。

承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

感染症法では一類感染症に定められている。

学校保健安全法では第一種感染症に定められている。

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