サルモネラ感染症
概要
サルモネラ感染症は、サルモネラ属菌を病原体とする感染症の総称である。本項では感染性胃腸炎の病原体の一部であるサルモネラ属菌(チフス菌、パラチフス菌を除く)による感染症について取り上げる。
主な感染経路は病原体に汚染された食品の摂取や、病原体を保有する動物との接触である。下痢や腹痛などの症状を呈し、重症化すると脱水や菌血症となることがある。
病原体
原因菌はサルモネラ属菌(チフス菌、パラチフス菌を除く)である。
疫学
世界的に下痢症の主要な原因のひとつとなっている。
日本国内 でも代表的な食中毒の原因となっている。
感染経路
主な感染経路は、病原体に汚染された食品(主に肉・卵・牛乳など)の摂取や、病原体を保有する動物との接触による。ヒトからヒトへの糞口感染も起こる。
臨床像
潜伏期間は1から3日程度(通常1から2日)。悪心・嘔吐、腹痛や発熱、下痢が数日続き、通常1から4日で症状は治まる。重症化することはまれであるが、 脱水や菌血症を起こすことがある。
病原体診断
糞便などからの菌の分離・同定による。
治療
脱水の補正や抗菌薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
食品の十分な加熱、生水や非殺菌乳などの摂取を避ける。調理器具や手指などを介した生食野菜・サラダ等への二次汚染防止等の衛生管理の徹底、手洗いの励行が重要である。また、爬虫類等に接触する際は、手洗いの励行が重要である。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
サルモネラ属菌による胃腸炎は、感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患である「感染性胃腸炎」の一部として届出の対象となる。
サルモネラ属菌は、食品衛生法における食中毒の病因物質に定められている。
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