ヘルパンギーナ
概要
ヘルパンギーナは、一部のエンテロウイルス属を主な病原体とする、発熱、咽頭痛、口腔内の水疱を特徴とする症候群である。主な感染経路は、接触感染を含む糞口感染と飛沫感染である。
病原体
エンテロウイルス属はピコルナウイルス科に分類され、ポリオウイルス、コクサッキーウイルスA群(CA)、コクサッキーウイルスB群(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68から71型)などのRNAウイルスを含む。へルパンギーナはこのうち、CAが主な原因ウイルスであり、CBやエコーウイルスなどが関係することもある。
疫学
世界では、熱帯地域において一年を通して見られるが、温帯地域において夏と秋に流行する。
日本では、毎年夏季にピークとなり、西から東へ流行が推移する。患者の90%以上が5歳以下で、1歳代が最も多い。
感染経路
主な感染経路は、接触感染を含む糞口感染と飛沫感染である。
臨床像
潜伏期間は2から4日程度。突然の発熱後に咽頭痛が出現し、軟口蓋付近に小水疱ができて潰瘍化する。発熱が2から4日続いた後、軽快する。まれに無菌性髄膜炎や急性心筋炎などを合併することがある。
病原体診断
口腔内拭い液・糞便・髄液からのウイルスの分離・同定、ウイルス抗原検出、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策が有効である。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患に定められている。
学校保健安全法の第三種感染症に定められている。
関連情報
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