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風しん

概要

風しんは、風しんウイルスを原因とする感染症である。主な感染経路は飛沫感染である。発熱、発しん、リンパ節腫脹を特徴とし、妊婦が感染すると胎児に重篤な影響を与える先天性風疹症候群 (CRS)の原因となる。風しんワクチンによって予防が可能である。

病原体

原因ウイルスは風しんウイルスである。風しんウイルスはマトナウイルス科ルビウイルス属に属するRNAウイルスである。

疫学

世界保健機関(WHO)を中心に各地域において風しん排除目標が掲げられ、各国で対策が進められている。その一方で, 予防接種ならびにサーベイランス強化などの対策が脆弱な地域では流行が起きている。
日本では1990年代前半まで周期的流行があった。風しんワクチンの定期接種化以降大規模な流行は減少したが、2004年に流行がみられ、先天性風疹症候群(CRS)も報告された。2008年以降は全数把握対象疾患となり、2012から2013年と2018から2019年に成人男性中心の全国流行が発生した。この流行に関連したCRSの報告もあった。

感染経路

主な感染経路は飛沫感染である。ウイルス排出は発疹出現の前後1週間で、発症前から感染力がある。

臨床像

潜伏期間は14から21日(平均16から18日)間で、発熱、発疹、後頭部リンパ節腫脹が出現するが、発熱は半数程度である。また、不顕性感染も15%程度存在する。基本的には自然に回復するが、急性脳炎、血小板減少性紫斑病などを合併することがある。妊娠20週頃までの妊婦が感染すると、胎児に先天性心疾患、難聴、白内障等の先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風しん症候群(CRS)の原因となる。

病原体診断

ウイルス遺伝子の検出、IgM抗体検出、ペア血清での抗体陽転または抗体価の上昇の確認による。

治療

特異的治療法はなく、対症療法を行う。

予防法・ワクチン

風しんワクチンが有効であり、定期接種としてMR(麻しん・風しん)ワクチンを用いて1歳と就学前の2回接種が行われている。

法的取り扱い

風しんは感染症法では五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。学校保健安全法では第二種感染症に定められている。 先天性風しん症候群は五類感染症の全数把握対象疾患に定められている。

病原体検出マニュアル

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      更新日 (last updated):2025年4月28日

      最終確認日(last reviewed):2025年4月28日

       

       

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