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麻しんQ&A(麻しんワクチンについて)

Q3:麻しんワクチンについて

Q3-01:麻しんワクチンの接種を受けた方が良いのはどのような人ですか

2006年度から、予防接種法に基づく定期予防接種は、1歳児(第1期)および5歳以上7歳未満で小学校入学前1年間の者(第2期)を対象に、それぞれ1回ずつ、計2回接種を行うことになっています。
定期接種の対象年齢の方々は、接種の機会を逃さず、定期接種期間中に接種することが望まれます。

麻しんを予防するには、1歳以降に2回の麻しん含有ワクチンの接種を行うことが大切です。現時点で定期予防接種の対象でない方も、ご自身の麻しん罹患の有無や、麻しん含有ワクチンの接種回数を予防接種記録で確認し、必要な場合は接種を行うことが望まれます。
麻しん含有ワクチンの接種を希望する場合、接種不適当者に該当しないことを確認のうえ、1歳以上であれば年齢を問わず任意接種として接種が可能です。
特に、麻しんの患者報告数が増加している国や地域へ渡航する方は、渡航前に、これまでの麻しん含有ワクチンの接種回数を確認し、2回に満たない場合はトラベルクリニックやかかりつけ医と相談の上、接種を検討することが推奨されます。

また、医療従事者など麻しん患者と接する可能性が高い方や、学校・保育施設等関係者など麻疹にかかることで周りへの影響が大きい方、空港職員や公共交通機関職員など海外からの渡航者をはじめ不特定多数と接する機会が多い方は、平時からご自身の2回の麻しん含有ワクチン接種歴や麻疹罹患の有無を確認し、必要な場合は麻しん含有ワクチンの接種を検討することが推奨されます。

0歳児の場合、生後6か月未満の乳児には接種を行えません。生後6か月以上1歳未満で接種を希望する場合は、麻しん流行時の緊急避難的な場合のみ接種することができます。接種に当たっては、Q3-04をご参照ください。

Q3-02:麻しんワクチンの接種を1回受けた場合、どのくらいの人が免疫を獲得するのでしょうか

通常、1回の接種で95%以上の人が麻しんに対する免疫を獲得します。1回の接種で免疫を獲得できなかった場合を、primary vaccine failure(PVF)と呼びます。周りで麻しんの流行があると、PVFの人は感染し、発症する可能性があります。
麻しん含有ワクチンを2回接種することで、これらのPVFの方々も多くが免疫を得ることができます。
そのため、2006年度から麻しん含有ワクチンの第1期(1歳)と第2期(小学校入学前1年間)の2回、定期接種が実施されています。
なお、2回接種の意味は3つの考え方があります。Q3-03および下記URLをご参照ください。
参考URL:https://id-info.jihs.go.jp/immunization/tools/poster/mr-why/poster.pdf

Q3-03:麻しんに関する予防接種は、どうして2回必要なのですか。2回接種しても感染する人がいるなら、意味がないのではないですか

2回接種が必要な理由は主に3つあります。
(1)約5%存在すると考えられる、1回の接種で免疫がつかなかった子どもたち(primary vaccine failure; PVF)に免疫を与えること
(2)1回の接種で免疫がついたにもかかわらず、その後の時間の経過とともにその免疫が減衰した子どもたち(secondary vaccine failure; SVF)に再び刺激を与え、免疫を強固なものにすること
(3)1回目に接種しそびれた子どもたちにもう一度、接種の機会を設けること、です。

このような理由から2006年度以降、Q3-02にもあるように、2回の定期接種が実施されています。

ワクチンの効果は非常に高いのですが、麻しんウイルスの感染力が大変強いために、長期間ウイルスに曝露した場合、2回接種して免疫を獲得した方でも麻しんに感染することがあります。その場合も、以下のような効果が期待できます。
・ワクチン未接種の場合は感染するとほぼ全員発症するのに対して、発症のリスクを大幅に下げることができます
・もし発症した場合も、症状が軽く済みます(『修飾麻しん』と呼ばれます)
・周囲へ感染を広げるリスクを小さくすることができます

Q3-04:0歳で緊急接種として1回麻しんワクチンを受けました。今後どのようなスケジュールでワクチンを接種すれば良いでしょうか

周囲で麻しんの流行があり、緊急避難的に0歳で任意の麻しんワクチン接種を受けた場合は、それを定期接種の1回目とは数えずに、1歳以降に定期接種として2回の接種を予定通り受けましょう。
0歳での接種は、1歳以降の接種に比べて、母体からの移行抗体の残存などからワクチンの効果としての免疫獲得が十分ではないことがあるため、定期接種の1回目を受けずにいると、第2期の定期接種より前に麻しんにかかってしまう可能性があるからです。

定期接種の1回目(第1期)の麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は1歳児が対象です。1歳になったら、忘れずに接種を受けましょう。
また、第2期も同じように、通常の定期接種のスケジュール通り、小学校入学前1年間(4月1日から3月31日まで)の間に麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種を受けて予防しましょう。

Q3-05:現在国内で接種されている麻しんワクチンはどういうものですか

現在の麻しん予防のワクチンは弱毒生ワクチンです。国内では主に麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)が用いられています。

Q3-06:麻しん含有ワクチン接種後の副反応には、どのようなものがありますか

麻しんワクチンおよび麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は弱毒生ワクチンです。ワクチンに含まれる弱毒化された麻しんウイルスが体内で一時的に増殖する時期(接種後5日から14日)を中心に、副反応が見られます。37.5℃以上38.5℃未満の発熱は第一期に約4.9%、第二期は2.3%に見られ、38.5℃以上の発熱は第一期に約13.8%、第二期に約2.7%に見られます。また発疹は、第一期に約8.6%、第二期に約1.3%に見られます(令和6年度厚生労働省予防接種後健康状況調査報告書)。
そのほかに、接種部位の局所反応、熱性けいれん、じんましん等も見られますが、いずれも一過性です。脳炎脳症は100万から150万人の接種で1人以下、急性血小板減少性紫斑病は100万人の接種で1人程度と言われています。使用するワクチンとしては、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)が多いですが、副反応の頻度については、麻しんワクチンと概ね同じです。

Q3-07:麻しんに自然感染して免疫をつけるよりもワクチン接種で免疫を獲得することのよい点は何ですか

麻しんはワクチンで予防可能な疾患であり、あらかじめワクチンを接種することで、自然感染した際の重症化や合併症、後遺症、さらには死亡などのリスクを防ぐはたらきがあります。

麻しんにかかると、重篤な症状が現れることがあり、それに加えてQ1-02に示すような合併症を引き起こすことがあります。先進国においても、致命率(かかった人のうち死亡する人の割合)は約1,000人に1人とされており、命に関わる感染症です。
一方で、麻しんワクチン接種後の副反応は、Q3-06に示すように一過性であることが多く、自然感染による重症化や合併症と比べて発生頻度が低いことがわかっています。

なお、ワクチン接種後であっても麻しんに感染することがありますが、症状は比較的軽く、ワクチンを2回接種している場合は周囲へ感染を広げるリスクも低いことがわかっています。

麻しんは症状を自覚する前からウイルスを排出する感染症であることにも注意が必要です。医療上の理由でワクチンを接種できない方もいるため、そのような方に麻しんをうつさないためにも、予防接種により麻しんにかからないようにすることは極めて重要です。

Q3-08:麻しんにかかったことがあるのですが、ワクチンを接種した方が良いでしょうか

過去に麻しんにかかったことが確実である場合(検査で麻しんの感染が確認された記録がある場合など)は、免疫を持っていると考えられます。そのため、改めて予防接種を受ける必要はなく、以降は定期接種の対象とはなりません。
一方で、過去に麻しんにかかったと思っていても、検査で感染が確認された記録がない場合、実際には発熱や発疹を伴う他の疾患(風しんや川崎病など)であった可能性もありますので、かかりつけの医師と相談の上、接種を検討することが推奨されます。
また、0歳で麻しんにかかったことが確実である場合も、その後の免疫の持続が不十分である可能性があるため、1歳以降に忘れず定期接種を受けましょう。

麻しんまたは風しんのどちらか一方にかかったことが確実であっても、もう一方にかかっていない場合は、定期接種の対象となります。
なお、麻しんもしくは風しんにかかったことがある人が麻しん風しん混合ワクチン接種をしても、副反応は増強しません。

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